DELISH KITCHEN

知っていますか?もりそば・ざるそば・かけそばの違い

作成日: 2021/08/17

数ある麺類のなかでも、日本ならではの麺といえば「そば」。
のど越しがよくあっさりしているので、いくらでも食べられますよね。特に、こだわって作っている、そば屋のそばは絶品です。

ちなみに、そば屋のメニューには「もりそば」「ざるそば」「かけそば」などがありますが、それぞれの違いを正しく知っていますか。
この記事では、そばの歴史をはじめ、それぞれの違いについて解説します。

目次

  1. そばの誕生
  2. もりそばとかけそばの違いと歴史
    1. 歴史
    2. 違い
  3. もりそばとざるそばの違いと歴史
    1. 歴史
    2. 違い
    3. ざるそばとせいろそばの違い
  4. もりそばのカロリーと糖質
  5. DELISH KITCHENのそばレシピ
    1. ざるそば
  6. 長い歴史をもつそば!違いを知れば一層楽しく食べられそう

そばの誕生

現在、日常的に食べられているそばは、もともと中国大陸から渡ってきたとされており、日本国内での歴史をさかのぼると、縄文時代にたどり着きます。

高知県内にある9000年以上も前の遺跡からはそばの花粉が、埼玉県内の遺跡では3000年も前のそばの種子が見つかっているのだとか。
このことから、縄文時代にはすでに、そばの栽培が行われていたと考えられています。

とはいえ、当時は現在のように日常的に食べるわけではなく、麺として食べていたわけでもないようです。
硬い殻があるそばは脱穀が大変だったことから、凶作になったときのための非常食とされていました。

そばが日常的に食べられるようになったのは、中国から石臼が伝わってきた鎌倉時代になってからです。
ただし、この頃のそばも、まだ麺ではありません。
そば粉をお団子やお餅のように丸く固めて「そばがき」や「そば焼き餅」として食べていました。

そばが麺状に変化したのは、室町時代になってからといわれています。
文献には残っていないものの、そばがきなどと区別をするために「そば切り」と呼ばれていたそうです。
この頃のそばは、小麦粉を繋ぎとして使った太いそばでした。

なお、いまでもそば切りという名前が残っている地域があります。
また、麺状のそばが定着したのは、江戸時代になってからのことです。

もりそばとかけそばの違いと歴史

ほとんどのそば屋にある、もりそばとかけそば。
歴史や違いを確認してみましょう。

歴史

江戸時代になるとそば屋が誕生し、庶民から愛される食べ物となりました。
当時はそばにつゆをつける食べ方が主流でしたが、江戸時代の中頃になると、ひと口ずつ食べるのが面倒ということで、そばにつゆをかける食べ方が登場します。

そこで、これまで主流だったそばをつゆにつける食べ方を「もりそば」、そばにつゆをかける食べ方を「かけそば」と呼ぶようになったのです。

違い

現在でも麺と冷たいつゆが別々に提供されて、麺をつゆにつけて食べるそばを、もりそばと呼んでいます。
一方、かけそばは、麺につゆをかけた状態で提供されます。

つゆは温かいことがほとんどで、冷たいつゆをかけたそばを「ぶっかけそば」と呼び、区別しているお店が少なくありません。

もりそばとざるそばの違いと歴史

冷たいつゆをつけて食べるそばには、ざるそばもありますね。
もりそばとざるそばは、何が違うのでしょうか。

歴史

もりそばは、お椀に入れて提供されていたため、底に水が溜まり最後のそばが水っぽくなっていました。
そこで、最後までおいしく食べられるよう、ざるを器にした「ざるそば」を提供するお店が登場します。
すると、それが評判になり、ざるに盛って提供するお店が増えました。

明治時代になると海苔を乗せたり、高価なみりんをつゆに使ったり、そばの実の中心だけで麺を作ったりしてもりそばと区別し、高級なざるそばとして売り出されるようになったのです。

現在はざるではなく、せいろに盛って提供しているお店も多くあります。

違い

現在は多くのお店が、そばをざるやせいろに盛って、ざるそばとして提供しています。

なかには、もりそばとざるそばの両方をメニューに並べているお店もあり、ざるそばには海苔を乗せて、もりそばとはつゆを変えて区別していることが多いようです。

ざるそばとせいろそばの違い

実は、そばが麺状になった当時は現在のように製粉技術が発達しておらず、ゆでると切れてしまうため、そばをせいろに盛って蒸した状態で提供されていました。
これを「せいろそば」と呼んでいましたが、せいろで蒸すと時間がかかり、多くのそばを提供できません。
そのため、せいろで蒸すそばは次第になくなります。

ではなぜ、いまでもせいろそばが残っているのでしょうか。
諸説あるものの、江戸時代末期にそば粉の値段が高騰したため、そばの量を減らしつつ見た目が変わらない、底上げができるせいろにそばを盛り、提供した名残りといわれています。

そのため、現在はざるそばもせいろそばも基本的に中身は同じです。
お店によって、ざるそばをせいろそばという名前にしているところや、ざるに盛ったそばもせいろそばと呼んでいるところがあります。

もりそばのカロリーと糖質

ここで、もりそばと、めんつゆのカロリーや糖質をご紹介します。
1人分あたりの目安にしてみてください。

《そば(乾麺) 1束(90g)あたり》
・カロリー…約108kcal
・糖質…19.4g

《めんつゆ(三倍濃縮) 1食分(40cc)あたり》
・カロリー…約39kcal
・糖質…8g

【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】

DELISH KITCHENのそばレシピ

暑い夏でも食べやすい、ツルっとしたのど越しのそばをおうちで楽しみましょう。
コツを意識してゆでれば、乾麺でもおいしく作れます。

こちらのページでは、おいしいざるそばをゆでるコツをご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

ざるそば

長い歴史をもつそば!違いを知れば一層楽しく食べられそう

そばは縄文時代から栽培されていた、長い歴史をもつ食べ物ということが分かりました。
とはいえ、現在のように麺状になったのは室町時代になってからのこと。さまざまな変化を経て、いまのそばがあると考えると感慨深いですね。

また、普段何気なく食べている「もりそば」「ざるそば」「かけそば」の違いを知ると、一層楽しく食べられそうです。
お店ごとに違う味はもちろん、呼び方の違いも確認してみましょう。

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