桃の旬の時期や食べごろの見分け方・産地をご紹介!
作成日: 2021/10/12
甘くてジューシーなうえに香りがよい桃は、皮をむいているときから幸せな気持ちになりますね。
果物の中でも特に好きという方も多いでしょう。せっかく桃を食べるなら、よりおいしい桃を食べたいものです。
そこでこの記事では、知っているようで知らない桃の旬の時期や、食べごろの見分け方などを解説します。
桃の種類や産地についてもご紹介するので、購入する際の参考にしてみてください。
桃の旬とおもな産地
桃の出荷時期は6月頃~9月末頃までで、品種によっては10月始め頃まで収穫が可能です。
出荷の最盛期は7月~8月くらいなので、桃が旬を迎える季節は夏となります。
桃のおもな産地は山梨県、福島県、長野県、山形県、和歌山県で、特に多く栽培しているのは山梨県や福島県です。
スーパーなどで見かける桃はどれも同じように見えますが、実は生食用の品種だけでも全国で100種類以上あります。
品種ごとに収穫できる期間が短いため、シーズン中に店頭に並んでいる桃は次々と品種が変わっています。購入する際は、品種名も確認してみましょう。
桃の種類を収穫時期で分けると「早生種(わせしゅ)」「中生種(なかてしゅ)」「晩生種(おくてしゅ)」の3種類があります。
桃の種類ごとの旬
桃のタイプは大きく分けると「水蜜桃(すいみつとう)」と呼ばれる一般的な桃のほか、「蟠桃(ばんとう)」「ネクタリン」の3つになります。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
水蜜桃
水蜜桃はスーパーなどで見かける一般的な桃です。
水蜜桃をさらに品種の系統で分けると「白鳳(はくほう)系」「白桃(はくとう)系」「黄桃(おうとう)系」の3種類があります。
・白鳳系
白鳳系は甘味が強く酸味はほとんどありません。
やわらかい果肉と果汁の多さが特徴で、果皮は鮮やかな赤ピンク色です。
白鳳系の桃には早生種と中生種の品種があり、おもに桃が旬を迎える時期の前半に出回ります。
ハウス栽培の桃は5月中旬から、露地物は7月中旬~8月中旬にかけてが収穫のピークです。
山梨県の日川白鳳や八幡白鳳をはじめ、各地で栽培されています。
・白桃系
白桃系は日本の桃の元祖といわれている岡山県発祥の白桃から広がった種類です。
果肉はやや硬めでしまっており、日持ちがよい傾向があるのが特徴です。
果肉の色は白く、果皮は赤みを帯びた濃いピンク色のものや白色のものがあります。
収穫時期のピークは、中生種は多くの産地で7月下旬~8月下旬、晩生種は9月下旬~10月上旬くらいまでです。
桃の旬の時期のなかでも、後半に出回るのが白桃系です。
長野県生まれの川中島白桃、岡山県の清水白桃など、各地に名産があります。
・黄桃系
黄桃系の桃は白桃系よりも果肉が硬めで、多くは缶詰などの加工用として栽培されています。
生食用としてスーパーなどで見かける「黄金桃(おうごんとう)」は、川中島白桃の偶発実生として誕生した品種です。
白桃のような濃厚な味わいが特徴で、山形県や福島県などでも栽培されています。
黄桃の皮が美しい黄色なのは、袋をかけて栽培しているからです。
桃は日光に当たった部分が赤みを帯びるという特徴があるため、袋をかけて日光に当たらないようにすることで美しい色になるのです。袋をかけずに日光を当てたものは、皮が赤くなります。
黄桃は中生種や晩生種で、収穫時期は産地によって異なるものの8月中旬頃~9月下旬頃までです。
蟠桃
蟠桃は桃を上からつぶしたような平べったい円盤状をしており、皮は赤く果肉が白いものが多いのが特徴です。
形は少々いびつですが、果肉はきめが細かく甘味があり、酸味は穏やかです。
中国が原産で歴史が古く、かの有名な「西遊記」にも登場しています。
とはいえ、栽培が難しいため日本ではあまり栽培されておらず、ほとんど出回っていません。
蟠桃は早生種、中生種、晩生種で、おもな収穫時期は7月下旬~9月中旬頃です。
和歌山県や福島県、山形県などの一部で栽培されています。
ネクタリン
ネクタリンは桃の変種とされている桃の一種です。
日本のスーパーではあまり見かけませんが、海外では一般的に栽培されています。
表面に桃特有の産毛がなく、赤くてやや硬めの果肉は甘酸っぱいのが特徴です。
ネクタリンにも早生種、中生種、晩生種の品種があります。
おもに長野県や福島県、山梨県で栽培されており、旬の時期は7月下旬~9月頃です。
桃の選び方
桃の選び方にはいくつかのポイントがあります。
まず形は、上から見たときになるべく左右均等に丸い形をしているものを選びましょう。
色は一般的な赤ピンク色の桃の場合、全体的に赤みが強く鮮やかな色のものがおすすめです。色がついている部分に、果点とよばれる白い斑点があると糖度が高いといわれているので意識してみましょう。
全体的に色がぼやけていたり、黒ずんでいたりするものは避けます。
また、手に取って確認できるのであれば枝についていたほうの皮の色を見て、きれいな白い色のものを選ぶこともポイントです。
緑がかってるものはまだ熟しておらず、黄色みを帯びてきているものは鮮度が落ちてきたものの可能性が高いからです。
さらに、桃は傷や強く押された部分が茶色く変色するので、茶色っぽい部分があるものは避けましょう。
桃の食べごろの見分け方
桃は軽く触れたときにやわらかみを感じ、甘い香りがあれば食べごろです。
桃は追熟するため、硬い場合は常温で数日間保存をすれば、追熟してやわらかくなります。
ちなみに、ネクタリンも追熟するので、まだ食べごろになっていないようでしたら追熟するのがおすすめです。
ただし、熟した桃は傷みやすいため、早めに食べ切りましょう。
桃の食べ方
ここで、桃のむき方や切り方をご紹介します。
桃は切る前に水でやさしく洗い、産毛を取っておきます。
硬めの桃の場合は、割れ目に包丁を入れて種に沿って切れ目を入れたら、両端を持ちひねって2等分にしてから切りましょう。
2等分からさらに小さく切り分け、種を取ったら皮をむいていきます。
やわらかめの桃の場合も、割れ目に沿って包丁を入れるところまでの工程は同じです。
それから種に沿って包丁を入れ、ひと切れずつ種から切り離し皮をむきます。
なお、ひねらず最初に皮をむいてから切り落とす方法や、最初に種に沿って切り分けてから皮をむく方法もあります。
詳しい桃のむき方や切り方は、こちらのそれぞれのページにて動画で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
むき方
切り方
桃の保存方法
桃を最後までおいしくいただくためにも、正しい方法で保存をしましょう。
ここからは、桃の保存方法をご紹介します。
常温保存
桃は傷がつきやすいため、新聞紙でふんわりやさしく包んでから日光の当たらない涼しい場所で保存します。
冷蔵保存すると追熟せず、風味が落ちるため常温で保存しましょう。
また、冷やしすぎると甘味を感じにくくなるので、食べる直前に冷やすのがおいしくいただくポイントです。
詳細は、こちらの動画をご覧ください。
冷凍保存
一度に食べ切れない場合は、冷凍保存も可能です。
丸ごと冷凍する場合は、ひとつずつラップで包み冷凍用保存袋に入れたら、空気を抜くように口を閉じて冷凍室で保存します。流水で解凍すると皮がツルっと簡単にむけますよ。
切ってから冷凍する場合は、最初に皮をむいてお好みの大きさに切り分けます。
ボウルに水とレモン汁を入れたら切り分けた桃をくぐらせ、水気を取り除いて保存容器に入れて冷凍しましょう。
詳しくは、こちらをご覧ください。
実は種類豊富!甘くてジューシーな桃を楽しもう
スーパーの店頭に並んでいる桃の品種は複数あり、時期によって異なることがわかりました。
また、よく知られている水蜜桃のほかに、蟠桃やネクタリンといった種類があります。蟠桃やネクタリンはあまりお目にかかれないものの、運よく見かけたら実際に食べて味わってみましょう。
せっかく桃を購入するなら、よりおいしい桃を選びたいものです。
今回ご紹介した選び方や保存方法を参考に、甘くてジューシーな桃をお楽しみください。