メリケン粉とは?名前の由来や小麦粉との違いをご紹介
作成日: 2021/10/08
「メリケン粉」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
関西地方では耳にすることがあっても、なじみのない方にはどのようなものか分からず、薄力粉や強力粉のように小麦粉の一種というようなイメージを持つかもしれません。
この記事では、メリケン粉について名前の由来や歴史、小麦粉との違いなどをご紹介します。
メリケン粉について
ますは、メリケン粉についてご紹介します。
メリケン粉とは
メリケン粉は、小麦粉の別名にあたります。
小麦粉とは、薄力粉、中力粉、強力粉などの総称です。
小麦粉であるメリケン粉は、うどんやパン、お好み焼き、天ぷらなどの料理から、ケーキやクッキーなどのお菓子まで、さまざまな場面で使われています。
メリケン粉という名称は、明治時代から大正時代にかけてよく使われていた言葉でしたが、次第に小麦粉を薄力粉や強力粉といった種類ごとに呼び分けるのが主流となり、関西地方や沖縄など一部の地域でしか呼ばれなくなりました。
メリケン粉の名前の由来・語源
メリケン粉の名称の由来は、アメリカと関係しています。
昔は現在ほど海外との交流が盛んでなく、その頃の日本ではアメリカ人のことを「メリケン人」と呼んでいました。
「メリケン」という言葉は、アメリカのものやアメリカ産のものを指す「アメリカン(American)」を聞き損ねたことから生まれました。
ネイティブスピーカーがアメリカンを発音した際に、英語を聞き慣れていない場合、メリケンと聞こえたようです。
このことから、輸入されてきたアメリカ産の小麦粉のことを、メリケン粉と呼ぶようになったのです。
メリケン粉の歴史
メリケン粉という言葉が生まれたのは、小麦粉の輸入が盛んになった明治時代です。
もともと日本でも小麦粉が作られていましたが、アメリカなどの海外から輸入されるようになったのは明治時代からです。
当時の日本の小麦粉は、石臼を使って小麦を精製していましたが、アメリカ製のものは機械で精製されており、精製技術などの違いから日本製のものと比べて品質が高いという特徴がありました。
日本の小麦粉の精製技術の発展に伴い、国産の小麦粉の品質も上がったことから、輸入品との区別の必要もなくなり、次第にメリケン粉という言葉は使われなくなっていきました。
現在でも、関西地方では小麦粉をメリケン粉と呼ぶことが多いですが、粉物文化の特色が強いことや、港町の神戸があることが理由という説があります。
小麦粉との違い
メリケン粉とは小麦粉の別名のため、メリケン粉と小麦粉は同じものです。
もともとメリケン粉は、小麦粉の輸入が盛んになったとされる明治時代に、アメリカから輸入された小麦粉と、当時は「うどん粉」と呼ばれていた日本製の小麦粉とを区別するための呼び方でもありました。
その頃、アメリカ製の小麦粉は日本製のものと比べて、しっかりと精製されていて色が白くキメも細かかったため、同じ小麦粉でも品質が大きく異なっていたといわれています。
メリケン粉はどの小麦粉のことか
メリケン粉は小麦粉のことを指しますが、小麦粉には代表的な3つの種類があります。
クッキーやケーキなどのお菓子作りによく用いられる「薄力粉」、うどんなどの麺類に用いられる「中力粉」、パンやピザ生地などに用いられる「強力粉」です。
このうち、明治時代のメリケン粉は、中力粉か強力粉であった可能性が高く、薄力粉であった可能性は低いとされています。
当時輸入されていた小麦粉は、日本での主な小麦粉の使用方法だった、うどんなどの麺類に使える中力粉や、パンを作るのに用いられていた中力粉や強力粉であったからです。
なお、小麦粉については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
メリケン粉とは小麦粉のことだった!
メリケン粉とは、小麦粉の別称です。
名前の由来にはアメリカが関係しており、アメリカ人のことをメリケン人と呼んでいたことから、アメリカから輸入されていた小麦粉のことをメリケン粉と呼ぶようになったようです。
次第に一般的には使われなくなりましたが、現在でも関西地方などではメリケン粉という言葉を使うことがあります。