小麦粉と薄力粉の違いとは?種類や特徴を解説
作成日: 2020/03/12
料理やお菓子を作るとき、レシピには「小麦粉」と書かれている場合や、「薄力粉」などと書かれている場合があります。両者に違いはあるのか、疑問に感じたことがある人もいるのではないでしょうか。また、「強力粉」や「中力粉」との違いも気になるところです。そこで今回は、小麦粉の種類や特徴について詳しく解説し、それぞれの特徴を生かした料理を紹介します。
小麦粉の種類と特徴
小麦粉とは小麦を製粉したもので、薄力粉、中力粉、強力粉などを総称した呼び名です。これらの分類は、小麦粉特有のたんぱく質である、「グルテン」の量や性質によって決められています。グルテンとは、パンなどの生地の弾力やコシを作る網目状の物質。この量の違いによって生地の硬さや食感が異なります。では、それぞれの種類による特徴の違いをみていきましょう。
薄力粉は、グルテンの含有量が7%前後と比較的少なめの、「軟質小麦」から作られます。グルテンが少ないので粘りができにくく、水分を加えてこねるとふんわりとした生地になるのが特徴です。粒子が細かく、ダマになりやすいので、良くふるうことで生地に混ざりやすくなります。
中力粉は、グルテンの含有量が9%前後で、「中間質小麦」と「軟質小麦」から作られます。水分を加えてこねると、ふんわりとした食感だけでなく、適度な弾力とコシが生まれるのが特徴です。主にうどんなどの麺類に使われることから、「うどん粉」という名前で売られていることもあります。
強力粉は、グルテンの含有量が12%前後と最も多い、「硬質小麦」が原料。粘りや弾力性に優れ、こねるほどに生地の伸びが良くなり、もちもちとした食感に仕上がります。粒子は3種のなかで一番粗く、手で握るとサラサラとした感触です。
薄力粉、中力粉、強力粉はそれぞれ代用ができる?
結論から言うと、もともとは同じ「小麦粉」なので、それぞれ代用することは可能です。しかしながら、それぞれの粉の特徴が食感に大きく影響するため、おいしく出来上がるかどうかというと、「その料理による」としか言いようがありません。例えば、スポンジケーキには通常グルテンの少ない薄力粉を使いますが、強力粉で代用して作ると、グルテンの力が強すぎてあまり膨らまないのです。食感も硬めになってしまい、ふんわりとはいえない仕上がりになってしまいます。ところが、カレーやシチューなど料理のとろみづけに少量使う小麦粉であれば、どの種類の小麦粉を使っても料理自体にはそれほど大きな影響を及ぼしません。
そういったことから、膨らみや食感など、小麦粉の特徴に左右されやすいパン、菓子類などは、なるべくレシピ通りの種類の小麦粉を使うことが望ましいといえます。
ただし、中力粉に関してはグルテンの少ない薄力粉と、グルテンの多い強力粉を混ぜて使うことで、中力粉の食感に近づけることが可能です。中力粉はお店でも手に入りにくいことがあるので、いざという時覚えておくと役立つでしょう。
薄力粉、中力粉、強力粉、それぞれの粉に適した料理
薄力粉、中力粉、強力粉の違いは、小麦特有のたんぱく質であるグルテンの含有量によるものであることが分かりました。ここでは、それぞれの粉に適した料理を紹介します。薄力粉は、ふんわり、サクサクした食感を生み出すのが得意。ケーキやクッキーなどの洋菓子類や、天ぷらなどの揚げ衣に適しています。お菓子のレシピで小麦粉とだけ記載されている場合は、だいたい薄力粉を指す場合が多いので、覚えておきましょう。薄力粉を扱う際の注意点は、「混ぜすぎないこと」です。良く混ぜるほどグルテンによる粘りが出てしまい、食感も硬めになってしまいます。ケーキなどの生地はゴムベラで底からすくうように、さっくりと混ぜることがポイントです。
薄力粉を使ったレシピはこちら
中力粉は、柔らかさと弾力を併せ持った特徴があります。適した料理はうどんや手打ちパスタなどの麺類のほか、お好み焼き、餃子の皮など。うどんなどの麺類を作る際は、水分を加えたら良く練ってグルテンを形成させることで、独特のシコシコとした食感が生まれます。中力粉を使ったレシピはこちら
グルテンが最も多い強力粉は、粘りや弾力に優れているのが特徴です。適した料理は何といってもパンやピザなどが筆頭に挙げられるでしょう。また、一部ラーメンなどの中華麺にも強力粉が使われることがあります。強力粉を使った生地を扱う際は、表面が滑らかになるまでしっかりこねることが大事です。特に、パンはこの工程がしっかりできていることで、良く膨らみ、伸びのある生地に仕上がります。強力粉を使ったレシピはこちら
薄力粉、中力粉、強力粉。小麦粉の違いを理解すれば、料理はもっと楽しくなる!
小麦粉とは、薄力粉、中力粉、強力粉などを総称した呼び名です。レシピに小麦粉とだけ書かれていた場合、作る料理がどんなものなのかをまず考えてみましょう。お菓子のようにさっくり、またはふんわりした食感を目指すなら薄力粉、コシのある麺を作るなら中力粉、もちもちとした弾力性を求めるなら強力粉が適しています。それぞれの粉の違いや特徴を押さえれば、料理がもっと楽しいものになるのではないでしょうか。