かすべとは?おすすめの食べ方やレシピをご紹介
作成日: 2021/11/25
かすべという名前を聞いたことがあるでしょうか。あまりなじみのない言葉かもしれませんが、ある魚類を指す方言なのです。
この記事では、かすべとはどのようなものか、名前の由来や産地などについてみていきましょう。また、かすべの食べ方やレシピもご紹介します。
かすべについて
かすべとは、どのようなものでしょうか。
かすべとは
かすべは、北海道の方言で魚の「えい」を表す言葉です。えいは、大きなヒレをたなびかせて泳ぐ平べったい体が特徴の軟骨魚類です。
えいというと、あまり食用のイメージがないかもしれませんが、居酒屋などで提供されているエイヒレもえいを使った料理のひとつです。
おもに食用として食べられている種類には、一般的なえいとしてよく知られている「あかえい」、北海道だけでなく東北などでもかすべとして知られている「こもんかすべ」、価格が手頃で下ごしらえも簡単な「そこがんぎえい」、サイズが大きめな「どぶかすべ」などがあげられます。
日本ではたんぱくな白身魚として、煮物や煮こごりなど和食に使われることの多いえいですが、フランスなどの海外でも食用とされています。
かすべの名前の由来
かすべとは「役に立たない」という意味を持つ「カス」が転じてできた言葉といわれています。鮮度が落ちたえいは、独特のきつい匂いがするため食べにくかったことから、カスと呼ばれていたようです。
匂いの原因は、全身の骨格が軟骨で構成された軟骨魚類の一種であるためです。えいのほかには、さめなどがこの軟骨魚類にあたり、まぐろなどの一般的な魚は硬骨魚類といいます。
軟骨魚類は体内の水分量を維持するために、体内で生成されたアンモニアを尿素に変え、体の中にため込んでいます。そのため、食用のものは鮮度が落ちると体内にため込まれた尿素が、微生物によってアンモニアに戻ってしまい、独特の匂いを生み出してしまいます。
昔は、ほかの一般的な魚と違って匂いが強く、食用にしづらいえいなどは敬遠されたことから、「カスの魚」で「かすべ」といわれるようになったようです。
かすべの旬・産地
かすべは一年中とれる魚ですが、おもな漁獲時期は10月〜6月頃です。その中でも、旬の時期は冬といわれています。
北海道の方言ということもあり、おもな産地は北海道ですが、南は九州まで幅広い地域に生息しています。
かすべの食べ方とDELISH KITCHENのレシピ
かすべは、白身魚に似たたんぱくな味わいで、さまざまな料理に活用できます。一般的によく調理される方法には、煮付けや唐揚げ、煮こごりなどがあります。
ここからは、かすべの食べ方やおすすめレシピをご紹介します。
煮付け
たんぱくなかすべは煮付けによく合います。
・カスベの煮付け
かすべを使った煮付けです。軟骨部分のコリコリとした食感と、身のふっくらとした食感が同時に楽しめますよ。煮付ける際に薄切りのしょうがを加えることで、臭みを取ることができます。
揚げ物
かすべを使ってカリッと香ばしい唐揚げを作ってみましょう。
・かすべの唐揚げ
かすべを使った唐揚げはカリカリとした食感で、おつまみにもおすすめです。揚げ衣には片栗粉を使うことで、より食感を引き出すことができますよ。2度揚げすると、さらにカリッと仕上がります。
焼き物
たんぱくな味わいのかすべは、シンプルに塩焼きにしてもおいしく食べられます。かすべは鮮度が落ちると独特のアンモニア臭が出てくるので、なるべく鮮度のよいものを使うようにしましょう。
また、かすべであるえいはフランスなどの海外において、ムニエルとしてもよく食べられています。くせが少ないかすべの身とバターの香りは、相性のよい組み合わせです。
煮こごり
骨まで食べられるかすべは煮こごりにするのもおすすめです。煮こごりとは、魚や肉などを煮たあとの煮汁を冷やしてゼリー状に固めた料理です。
食材に含まれるゼラチン質の作用で凝固しますが、しっかりと固めたい場合は寒天などを加えて作ります。
鍋
寒い時期におすすめのかすべの食べ方として、鍋があげられます。たらやふぐといった白身魚を使った鍋と同じように調理できますよ。かすべは骨ごと食べられるので、下処理が簡単なのもポイントです。
かすべとはえいを表す北海道の方言!
かすべは北海道の方言で、えいを指します。普段あまり調理することはないかもしれませんが、たんぱくな味わいで軟骨部分も食べることができます。
煮付けや煮こごりのほか、焼いて食べたり唐揚げなどにしてもおいしくいただけますよ。コリコリとした軟骨の食感が楽しめて、おつまみにもぴったりです。ご紹介したレシピを参考に、かすべが手に入った際にはぜひ試してはいかがでしょうか。