しゃことは?旬の時期や食べ方などをご紹介
作成日: 2022/02/06
江戸前寿司のネタとして知られるしゃこ。しゃこは漢字で「蝦蛄」「青龍蝦」と表し、別名「しゃこえび」「がさえび」とも呼ばれています。その呼び名や見た目が似ていることから、えびと同じ仲間と思う方もいるかもしれませんが、しゃことえびは生態的に別の生き物です。
この記事では、しゃこについて生態やえびとの違い、旬の時期、おいしい食べ方などをご紹介します。
しゃことは
しゃこは、口脚亜綱シャコ目に分類される節足動物で、体長は12~15cmほどです。えびに似た見た目ですが、カマキリの鎌のような脚を持つことや、頭にカナヅチ形の目を持つこと、尾には鋭いトゲがあることが最大の特徴です。えびのような旨味がありながら、あっさりとした風味でやわらかい食感です。
一個体ごとに泥沼に浅いU字型の巣穴を掘って生活しており、貝や魚をエサとしています。近くに来た獲物を、捕脚といわれる強く鋭い前脚で攻撃し、一撃で捕まえて食すほど非常に攻撃性が強い生物です。
しゃこパンチとは
「しゃこパンチ」という呼び名の通り、しゃこはパンチ力が非常に強いということでも知られています。生きた生物を食すことから強くなったといわれていて、あさりなどの硬い貝殻も粉砕するほどの威力があります。
しゃこの旬と産地
しゃこの旬は、5月中旬から7月上旬です。産卵期を迎えてメスは卵を持ち、オスも身が充実する初春の季節が、特においしい時期とされています。
おもな産地は、神奈川県や千葉県などの東京湾、愛知県の伊勢湾、岡山県などの瀬戸内海です。
しゃことえびの違い
しゃことえびは外見が似ていますが、生態的には異なります。しゃこは口脚亜綱シャコ目に分類されるのに対し、えびは真軟甲亜綱エビ上目十脚目に分類されます。節足動物である点はどちらも同じです。
旬に関しては、しゃこは5月中旬から7月上旬ですが、えびは種類によって差はあるものの年中市場に出回っています、えびの養殖は、おもに沖縄県や鹿児島県で行われ、天然のえびは愛媛県や愛知県で獲れます。
しゃこの選び方
購入するときは、前提として生きているものを選びます。しゃこは死んだあと酵素をだして自分自身を溶かし始めてしまうので、生きていてなるべく元気なものがよいでしょう。
しゃこの下処理
新鮮なしゃこが手に入ったときは、なるべく早めに下処理をしましょう。キッチンバサミを活用して行います。
殻のむき方や塩ゆでの方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
むき方
ゆで方
しゃこの食べ方
しゃこは、江戸前寿司には欠かせない代表的なネタのひとつです。生食も可能ですが鮮度が重要なため、生のしゃこの握りは希少です。ボイルされたしゃこの握りが提供されることもあります。
そのほか、天ぷらや唐揚げなどの揚げ物もしゃこの定番料理です。
新鮮なしゃこを味わってみよう
普段、食卓に並ぶ機会があまり多くないしゃこですが、味はしっかりとした旨味や甘味があります。見た目が似ているえびとは節足動物という点は同じものの、分類上は異なる生物です。
鮮度が重要なので、市場にはボイルされた状態で出回ることが多いようですが、生きたしゃこが手に入ったら、ぜひ新鮮なうちに下処理をして味わってください。