くちなしの実とは?特徴や料理での使い方をご紹介
作成日: 2022/02/24
くちなしの実は、昔から染料や料理の色付けに使われているものです。鮮やかな黄色に色を付けることができますが、実際に使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、くちなしの実について特徴や使い方、くちなしの実を活用したレシピなどをご紹介します。
くちなしとは
くちなしは日本全国に自生しています。アカネ科の多年生常緑樹で、白い花を咲かせた後に濃いオレンジ色の実をつけます。くちなしの果実は熟れても割れないのが特徴で、そのことから「口が開かない」という表現に転じ、くちなしと名付けられたといわれています。
くちなしの実とは
くちなしの実は、くちなしの果実を乾燥させたものです。くちなしの果実は11月から12月になると収穫されます。
サフランの色素の成分と同じ「クロシン」という黄色い色素が含まれているのが特徴です。水に溶ける色素のため、くちなしの実を割って煮出すことで煮汁が鮮やかな黄色に色付きます。
昔から染料や料理の色付けに使われているだけでなく、漢方薬としても効能があるとされている果実です。漢方薬に使われる際は「サンシシ(山梔子)」と呼ばれています。
くちなしの実が手に入る場所
くちなしの実は、スーパーや製菓材料店などで手に入ります。店頭ではスパイスが陳列されている棚に並んでいることが多くなっています。また、通信販売でも購入が可能です。
くちなしの実の効果や使い方
くちなしの実の使い方をみてみましょう。どのような料理に使われるのかや、色を出す方法もご紹介します。
料理をきれいな黄色に染める
くちなしの実を料理に使うと食材がきれいな黄色に染まります。香りや味がほとんどないため、風味を損ねることがなく色付けにぴったりです。
静岡県、愛知県、大分県には、ご飯をくちなしの実で黄色く色付けした郷土料理があります。静岡県では「染飯(そめいい)」、愛知県では「黄いないおこわ(きいないおこわ)」、大分県では「黄飯(おうはん)」と呼ばれています。
また、おせち料理の栗きんとんの色付けにも使われます。スイートポテトやたくあん漬けに利用されることもあるため、くちなしの実はさまざまな料理に使われているものといえるでしょう。
色を出す方法
色を出す際は、くちなしの実をたたいて割ります。お茶パックに入れ、めん棒などでたたいて軽くつぶすと、煮出している間に実が散ってしまうのを防げます。
鍋に色をつけたい食材と水、くちなしの実を入れて加熱します。色が食材にしっかりついてから実を取り出しましょう。下記のレシピでもご紹介しているので参考にしてください。
DELISH KITCHENのくちなしの実を使ったレシピ
くちなしの実を使った、鮮やかな黄色が美しいレシピをご紹介します。
栗の甘露煮
くちなしの実を使うことで黄色い色合いが鮮やかな栗の甘露煮です。最初に栗を熱湯につけておくと皮がむけやすくなります。そのまま食べるだけでなく、お菓子やパンなどに使うのもおすすめです。
本格栗きんとん
くちなしの実で色付けする本格的な栗きんとんです。くちなしの実はお茶パックに入れてからめん棒などでたたくと、煮汁に散らばってしまうのを防げます。お正月に自家製の栗きんとんを作って食卓を彩りましょう。
くちなしの実を料理に使ってみよう
くちなしはアカネ科の多年生常緑樹で、乾燥させた果実は料理の色付けに使われます。くちなしの実で色付けすると、料理が鮮やかな黄色に仕上がります。
使用する際は実をつぶす必要がありますが、お茶パックに入れてめん棒などでたたくとよいでしょう。くちなしの実は味や香りがほとんどないため、食材や料理の風味を損ねることなく色付けすることができますよ。
【参考】
クチナシ果実から抽出される黄色天然色素の品質及び市販品の実態
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/26/2/26_2_150/_pdf)(2022/02/24)