はっさく(八朔)とは?含まれる栄養素や食べ方・レシピをご紹介
作成日: 2022/04/07
更新日: 2022/04/18
はっさく(八朔)は柑橘系の果物の一種です。名称は聞いたことがあるけれど、他の柑橘系の果物との違いなど、詳しいことは分からないという方も多いかもしれません。この記事では、はっさくの特徴や含まれる栄養素、食べ方やおすすめのレシピなどをご紹介します。
はっさくについて
江戸時代に広島県で発見された「はっさく」。漢字では「八朔」と書きます。これは、はっさくが発見された寺の住職が「八朔(旧暦の8月1日)には食べられる」と言ったことが由来であるといわれています。発見されたのは広島県ですが、現在の主な生産地は和歌山県。特に紀の川市や有田川町などで多く生産されています。
はっさくは300~400gほどの大きさ。橙黄色の厚くて固い果皮を持つため、手だけでは剥きにくい柑橘です。房の薄皮も固いため、薄皮まで剥いて食べる必要があります。食べるまでには少し手間がかかりますが、さっぱりとした甘さと爽やかな酸味、ほろ苦さはクセになる味わいです。
はっさくの収穫が始まるのは12月頃ですが、通常は1~2ヶ月ほど貯蔵されてから市場に出回ります。そのため、1月頃から市場に出回り2~4月頃が最盛期となります。また、木に成ったまま完熟させたものは3月中旬頃に収穫時期を迎えます。
はっさくの栄養
はっさくに含まれる栄養素について見ていきましょう。
はっさくのカロリーと糖質
はっさく100gあたりのカロリー・糖質は以下の通りです。
・はっさく(可食部100gあたり)
カロリー:47kcal
糖質:10.0g
はっさくのカロリー・糖質は、よく食べられている果物と比べて大きく違うのでしょうか。
・うんしゅうみかん(可食部100gあたり)
カロリー:49kcal
糖質:11.0g
・バナナ(可食部100gあたり)
カロリー:93kcal
糖質:21.4g
・りんご(可食部100gあたり)
カロリー:56kcal
糖質:14.3g
はっさくのカロリー・糖質は、バナナやりんごと比べると低くなっていますが、同じ柑橘系のうんしゅうみかんとはほぼ同等であることが分かります。
ビタミンC
はっさくにはビタミンCが含まれています。よく食べられている果物のビタミンC含有量と比較してみましょう。
・はっさく(可食部100gあたり)
ビタミンC:40mg
・うんしゅうみかん(可食部100gあたり)
ビタミンC:32mg
・バナナ(可食部100gあたり)
ビタミンC:16mg
・りんご(可食部100gあたり)
ビタミンC:4mg
これらの果物の中でビタミンCが一番多いのは、はっさくのようですね。
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつです。体内でコラーゲンの生成に必須の成分であるほか、抗酸化作用を持つビタミンのひとつとしても知られています。
アスパラギン酸
はっさくには、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が含まれています。アスパラギン酸はたんぱく質の構成成分となるほか、体内でつくられる有毒なアンモニアを排出する働きがあります。
・はっさく(可食部100gあたり)
アスパラギン酸:170mg
・うんしゅうみかん(可食部100gあたり)
アスパラギン酸:74mg
はっさくには、うんしゅうみかんの2倍以上のアスパラギン酸が含まれているのですね。
カリウム
はっさくには、ミネラルの一種であるカリウムが含まれています。カリウムは、体内でナトリウムとともに浸透圧を調節する働きを担うほか、体内の余分なナトリウムを排出する作用があります。そのため、摂り過ぎた塩分を排出することに役立つ栄養素です。
・はっさく(可食部100gあたり)
カリウム:180mg
・うんしゅうみかん(可食部100gあたり)
カリウム:150mg
はっさくは、うんしゅうみかんより多くのカリウムを含んでいます。
はっさくの選び方
はっさくを選ぶ際のポイントは「ハリとツヤのある果皮」「緑色のヘタ」「ずっしりとした重み」。この三つのポイントを満たすはっさくは、美味しいはっさくであるといえます。また、爽やかさの中にも甘味の感じられる、良い香りを持つものを選びましょう。
はっさくの保存方法
はっさくは、冷暗所で保存すれば2~3週間は日持ちします。気温の高い時期や冷暗所に該当する場所がない場合は、冷蔵庫での保存がおすすめです。冷蔵保存する場合は、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れて野菜室で保存しましょう。
はっさくの食べ方
皮が厚くて固いはっさくは、ナイフなどで切り込みを入れると剥きやすくなります。このような方法で剥くと皮の形がきれいなまま剥けるため、皮を利用したマーマレードやピールづくりにもおすすめです。また、じょうのう(房の部分の薄皮)も固いため、取り除いてから食べましょう。
さっくりとした食感のはっさくは、やわらかい食感のゼリーと好相性。また、絞った果汁をジュースやドレッシングに活用したり、さっぱりとした甘さと爽やかな酸味を活かしてサラダに入れたりするのもおすすめです。意外なところでは、白餡との相性のよさ。白餡を使った甘酸っぱい「はっさく大福」や「はっさく饅頭」もぜひ試してみてください。
はっさくを使ったDELISH KITCHENのレシピ
はっさくをそのまま味わうのも美味しいのですが、料理に活用するのもおすすめです。ここでは、はっさくを使ったレシピをご紹介します。
はっさくマーマレード
はっさくの皮から身まで、丸ごと使った贅沢なマーマレードのレシピです。煮詰めるだけととても簡単。パンに塗って食べるほか、お菓子づくりや料理の隠し味に活用することもできますよ。
はっさくピール
マーマレード同様、お菓子づくりなどにも活用できるピールをご紹介します。はっさくの風味の特徴であるほろ苦さが残るピールは、甘すぎないのでつい食べ過ぎてしまいそうです。
はっさくとアボカドのナッツサラダ
程よい甘さと爽やかな酸味を持つはっさくは、おかずにもアレンジ可能です。こちらのサラダは、アボカドのまろやかさとナッツの旨味、はっさくの風味が絶妙な味わい。食感もさまざまで、満足できる一品です。
はっさく(八朔)を味わってみよう
日本原産のはっさくは、爽やかな甘さと酸味、ほろ苦さがクセになる柑橘です。果皮や薄皮が固く、剥いて食べるのに少し手間がかかりますが、そのまま食べるだけではなくサラダに入れても美味しい果実。果皮はお菓子作りにも活用できるマーマレードやピールにアレンジ可能なはっさくを、ぜひ味わってみてくださいね。
【参考】
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「ビタミンC」(2022/04/07)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」(2022/04/07)