コーヒー豆の保存方法は常温・冷蔵庫・冷凍庫?保存期間や注意点も解説
作成日: 2022/09/30
コーヒーを豆から挽いて楽しんでいる人も多いかもしれません。そこで気になるのがコーヒー豆の保存方法。
コーヒー豆は正しく保存できていないと、すぐに劣化してしまいます。
コーヒーの風味や香りを長く楽しむためには、どのように保存すればいいのでしょうか。
この記事では、おいしさを長持ちさせるコーヒー豆の保存方法や保存期間、注意点などについて詳しく解説します。
コーヒー豆が劣化する理由
コーヒー豆が劣化する理由はさまざまですが、ここでは代表的なものについてご紹介します。
酸化
コーヒー豆が劣化する原因の一つ目は酸化です。コーヒー豆には油分が含まれており、焙煎したコーヒー豆の15%を占めるといわれています。
焙煎をすると豆の内側から外へと水蒸気の圧力が加わります。圧力によって豆の組織が破壊され、体積が1.5倍ほどに膨張。コーヒー豆の表面に細かな亀裂が生じ、内部に閉じ込められていたコーヒーオイルが表面へと滲み出します。焙煎した豆にテカリがあるのはこのためです。
コーヒーだけではありませんが、油脂分は空気に触れることで酸化し味の劣化を招きます。
また、空気に触れることで香りも失われやすいため、焙煎したらできるだけ早めに飲むのがおすすめです。
コーヒーの劣化が進むスピードは「挽いた粉>焙煎した豆>生豆」。とくに粉は表面積が大きく空気と触れやすいので、酸化による劣化が進みやすくなります。
鮮度にこだわるなら、焙煎したてのものを購入するのがポイントです。コーヒーを自家焙煎している店では焙煎日が明記されている場合もあります。コーヒー豆を購入する際は、焙煎日を確認するようにしましょう。
さらに、現在流通しているもののほとんどは、焙煎した豆を梱包したもの。市販のコーヒー豆は、真空パックやアルミ加工など、できるだけ鮮度を保つ工夫が施されています。
自宅で香りや味わいを長持ちさせたいなら、保存方法や容器などに注意してなるべく酸化しないように保存することが大切です。
直射日光
コーヒー豆は、太陽光や蛍光灯などの紫外線に当てると劣化の速度が早まってしまうといわれているので、保管場所には注意が必要です。
高温多湿
温度が高いほどコーヒー豆の酸化が加速すると言われています。
また、湿気を吸着すると水滴がついてカビが生える恐れもあります。
コーヒー豆・粉の賞味期限
スーパーなど販売されている市販のコーヒー豆や粉には、美味しく飲むことができる期限である「賞味期限」が記載されています。未開封の場合は、賞味期限を目安に飲み切るようにしましょう。
コーヒー豆は酸化や湿度などの影響を受けやすいため、一度開封してしまったものは賞味期限が一気に短くなります。
美味しく飲める保存期間の目安は次の通りです。
・賞味期限が記されていない場合【未開封(豆)】:90日
・開封済みの豆の場合【美味しく飲む保存期間の目安】:30日
・開封済みの粉の場合【美味しく飲む保存期間の目安】:1週間
上記の目安は焙煎日からなので注意が必要です。
美味しさを長く保ちたい場合は、冷蔵庫や冷凍庫に入れるなど保存方法を工夫しましょう。
コーヒー豆の保存方法と保存期間
続いては、保存方法と保存期間について解説します。
豆のまま保存【常温・冷蔵・冷凍】
まずは、豆のまま保存する方法についてみていきましょう。
コーヒー豆の保存方法
未開封の場合は高温多湿や直射日光が当たる場所を避け、風通しのいい15℃以下の場所で保管するといいでしょう。
豆のまま保存する方法については、以下の動画で詳しく紹介しておりますので合わせてご覧ください。
コーヒー豆を常温保存する場合の注意
湿気や紫外線による劣化を防ぐために、コーヒー豆は密閉性と遮光性がある容器に入れて保管するのがおすすめです。風通しがよく、日が当たらず、温度変化の少ない場所に置いておきましょう。
開封後は、常温で1週間程度保存できます。
コーヒー豆を冷蔵保存する場合の注意
夏場など気温や湿度が高い時期や保存期間を伸ばしたい場合は、冷蔵保存がおすすめです。コーヒー豆は密閉できる保存袋に入れ、中の空気を抜いてチャックを閉めて冷蔵庫で保存しましょう。
ただし冷蔵庫で保存するときは、他の食品のニオイや水滴がつかないように注意が必要です。
コーヒー豆を冷凍保存する場合の注意
1か月以上など長期保存をするのであれば、冷凍庫で保管することをおすすめします。気密性の高い冷凍用保存袋にコーヒー豆を入れ、空気をしっかり抜いた状態で冷凍庫に入れましょう。
ただし冷凍保存の場合、外気の温度と冷凍庫内の温度差により水滴がつきやすく、カビには注意しましょう。
コーヒー粉を保存【常温・冷蔵・冷凍】
ここからは、コーヒー粉の保存方法についてみていきましょう。
コーヒー粉の保存方法
コーヒー粉は、豆と比べて劣化のスピードが早いため適切に保存することが大切です。コーヒー粉の保存方法については、以下の動画で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
コーヒー粉を常温保存する場合の注意
コーヒー粉が未開封で数日のうちに飲み切る場合は、常温で保管しておいても問題ありません。直射日光や高温多湿を避け、15℃以下の冷暗所に置いておきましょう。
開封後の場合は、密閉性と遮光性がある清潔な容器で保存します。未開封の場合と同様に風通しのいい冷暗所で保存し、1週間以内に飲み切るのがおすすめです。湿度が高くなる梅雨や夏の時期は、乾燥剤を入れて保存するのもいいでしょう。
コーヒー粉を冷蔵保存する場合の注意
コーヒー粉を保存袋に入れ、空気を抜いて袋の口をしっかり閉め、冷蔵庫で保存します。冷蔵保存の場合は、1週間から10日を目安にできるだけ早く飲み切るようにしてください。コーヒーをいれるときは冷蔵庫から取り出し、そのままの状態で使用します。
コーヒー粉を冷凍保存する場合の注意
コーヒー粉を使いきるまでに1週間以上かかる場合は、冷凍保存がおすすめです。コーヒー粉を1度に使う分量ごとに小分けしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気をよく抜いてから封をします。小分けにして保存することで、使いたい分だけを取り出せます。
ただし、冷凍庫は外との温度差が大きく、結露が発生しやすいため注意しましょう。コーヒーをいれるときは事前に冷蔵庫に移して徐々に温度を下げていくと、水滴がつきづらくなります。
パッケージのまま冷凍庫に入れる場合は口を閉じ、保存袋に入れて空気をよく抜いて冷凍庫で保存します。温度変化は劣化の原因になるので取り出した後は常温に放置せず、素早く冷凍庫へと戻しましょう。
コーヒー豆の保存容器
最後に、コーヒー豆の保存に適した容器についてご紹介します。
容器選びのポイント
保存容器は、密閉性が高いものを選ぶのがおすすめです。遮光性の高さも重要なポイントになります。光が当たる場所で保存する場合は、透明なガラスや袋などは避けましょう。
入れる量に対して容器が大きすぎると空気に触れて劣化が進んでしまうため、適切なサイズの容器を選びましょう。
おすすめの容器
コーヒーキャニスターの場合、缶やブリキなどの金属製や透明以外のプラスチック製、陶器製など、遮光性の高いものがおすすめです。透明なガラスやプラスチックは光を通しやすいので避けるようにしましょう。また、フタがしっかり閉まる密閉性の高さも大きなポイントです。
袋で保存する場合は、空気に触れないよう袋の口を閉じてからキャニスターに入れると美味しさをキープできます。袋は、空気をしっかり抜けるジップタイプがおすすめ。ただし、透明の冷凍用保存袋は遮光性が低いため、解凍した後は袋ごとキャニスターに入れるといいでしょう。
コーヒー豆を正しく保存しよう
美味しいコーヒーを飲むためには、コーヒー豆を適切に保存することが大切です。劣化の原因である酸化や高温多湿、紫外線などを避けて鮮度をキープしましょう。保管方法は、飲み切るまでの日数によって使い分けます。保存方法のポイントや注意点をおさえて、美味しく飲み切るようにしましょう。