冬至にかぼちゃを食べる意味は?お手軽レシピもご紹介
作成日: 2021/08/17
冬至が近づくと、スーパーなどでは目立つ位置にかぼちゃを並べるなど、「冬至にはかぼちゃ」というイメージが定着しています。
では、なぜ冬至にはかぼちゃを食べるのか、理由を知っているでしょうか。
この記事では、冬至がどのような日なのかについてや、冬至にかぼちゃを食べる理由、おすすめレシピをご紹介します。
冬至には、本来の意味を意識してかぼちゃを準備してみましょう。
冬至とは
冬至は1年のなかで最も昼が短い日で、二十四節気のひとつです。
毎年12月の21日か22日ですが、日付は天文学的に決まるため固定ではありません。
また、この時期に冬至を迎えるのは北半球のみで、南半球では逆に最も昼が長い日となります。
昔の日本や中国では、昼が短い冬至は太陽の力が一番弱い日で、冬至を過ぎると再び太陽の力が強くなると考えられていました。
冬至には無病息災を祈り、かぼちゃを食べたりゆず湯に入ったりする風習があります。
また、地域によってはこんにゃくや、あずき粥を食べるところもあるようです。
食べ物だけでなく、木戸口で火を焚くといった風習がある地域も。
なお、中国では冬至に餃子のほか、ぜんざいのようなものを食べたり、ヨーロッパではクリスマスとまとめて祝ったりします。
冬至は日本に限らず、世界でも特別な日とされているのですね。
冬至にかぼちゃを食べる理由
「冬至にはかぼちゃを食べるもの」というイメージがありますが、かぼちゃの旬は夏です。
なぜ、正反対の季節が旬のものを食べるのでしょうか。
保存がきくため
昔は現在のように保存技術が発達しておらず、野菜をどの季節でも食べるのは難しいことでした。
その点、かぼちゃは長期保存が可能なので、冬至にかぼちゃを食べて厳しい冬を元気に乗り切ろうという目的があったのです。
栄養をとるため
緑黄色野菜であるかぼちゃは栄養をたっぷり含んでいて、風邪を予防する効果があると考えられていました。
そのため、野菜が不足がちになる時期に栄養満点のかぼちゃを食べて、風邪に備えるという意味があったのです。
運気上昇のため
昼の時間が一番短くなる冬至は、運が上昇に転じる日とも考えられていました。
これから運気が上昇する冬至の日は、「ん」が2つつく「運盛りの野菜」を食べると「運」を呼ぶといわれていたのです。
かぼちゃは「なんきん」とも呼ばれ、「ん」が2つつくことから縁起がよいとされています。
ちなみに、春の七草や秋の七草は有名ですが、「冬の七草」と呼ばれる七草もあり、すべて「ん」が2つついています。
《冬の七草》
・なんきん(かぼちゃ)
・れんこん
・にんじん
・ぎんなん
・きんかん
・かんてん
・うんどん(うどん)
なお、古来より黄色は魔除けの色とされており、かぼちゃはもちろん、ゆずも黄色いことから邪気を祓う意味で冬至に使われています。
さらに、ゆずは「融通がきく」という語呂合わせができることも、冬至に使われるようになった理由なのだとか。
【冬至におすすめ】DELISH KITCHENのいとこ煮のレシピ
かぼちゃを使う料理はさまざまですが、冬至にはかぼちゃをいとこ煮で食べる地域が多いようです。
あずきも長期保存が可能で栄養があるだけでなく、赤い色をしていることから悪いものが寄り付かないと考えられていました。
そこで、かぼちゃとあずきの両方を効率よく食べられる、いとこ煮が定番になったといわれています。
ところで、なぜ「いとこ煮」という名前なのか不思議ですよね。
いとこ煮の由来は諸説あり、ひとつは火が通りにくいあずきが煮えたらかぼちゃを加え、最後に味付けをすることから「おいおい(甥甥)煮る」という意味でつけられたという説です。
また、冠婚葬祭で必ず出る料理だったため、兄弟姉妹、従兄弟が集まって食べるから、という説などもあります。
最後に、いとこ煮のおすすめレシピをご紹介します。
かぼちゃのいとこ煮
あずき缶を使って手軽に作れるレシピです。
いちから煮込むと時間や手間がかかりますが、缶詰を使えば時間短縮にもなります。これなら冬至に限らず、普段のおかずにも作りやすいでしょう。
ホクホクのかぼちゃと甘いあずきが絶妙な組み合わせです。
冬至のかぼちゃには大きな意味があった!
1年のなかで、最も昼の時間が短い冬至にかぼちゃを食べるのは、昔の人にとって大きな意味があったようです。
現代では季節を問わずほとんどの野菜が手に入り、なかなか野菜が食べられないという季節はありません。しかし、昔の人が元気に冬を乗り切れるよう願いを込めて食べていたと考えると、これから先も伝え続けたいと感じられる習慣ですよね。
健康や運気上昇を願い、冬至にはおいしいかぼちゃをいただきましょう。