だしの種類で旨味も変わる!料理に合わせて使い分けがおすすめ
作成日: 2020/03/31
料理に欠かせない「だし」。料理の味や風味の要となるので、こだわってみたいところ。いつも同じものを使いがちですが、料理に合わせただしを選んで、味や風味の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。今回はだしの種類やそれぞれのとり方をご紹介します。
1.だしとは?
料理によく使う「だし」とは、かつお節や昆布、煮干し、干ししいたけ、野菜、肉類等を煮出して旨味成分を抽出した汁のことです。料理に合わせて使い分けられ、フランス等西洋料理で使われる「ブイヨン」や中華料理の「湯(タン)」も肉類と野菜から取っただしのことです。
2.だしの旨味成分
だしを取る食材にはそれぞれ旨味成分があります。
イノシン酸:かつお節、煮干し、肉類等動物性の旨味成分
グルタミン酸:昆布、海苔、トマト等の旨味成分
グアニル酸:干ししいたけ等の旨味成分
コハク酸:ほたて、あさり等の旨味成分
これらの旨味成分を組み合わせることで相乗効果が期待できます。「イノシン酸×グルタミン酸」「グルタミン酸×グアニル酸」の組み合わせはそれぞれ単一のものよりも旨味が強く感じられます。「合わせだし」というだしを聞いたことはありませんか?この合わせだしも旨味の相乗効果を期待したものです。
3.だしの種類
かつおだし
かつおだしは、かつお節から取っただしのことです。和食でよく使う一般的なだしで、使うかつお節により風味も少しずつ変わってきます。かつおをかつお節にする工程で旨味成分のイノシン酸が増えていき数十倍になります。
かつおを煮て燻し、乾燥させたものを荒節といい、この荒節を削ったものがかつお節になります。荒節をさらに乾燥、カビ付けし熟成させたものを本節といい、本節を削ったものがかつおのかれ節となります。かつお節も種類や削り方によってだしの風味や味が変わります。
【花かつお】
薄く大きく削ったもの。どのかつお節でだしを取るか迷ったときはアクの出にくい花かつおを使うのがおすすめです。
【厚削り】
花かつおより厚く削られたもので、旨味の強いだしが取れます。
【糸削り】
糸状に削られたふわふわのもの。サラダ等トッピングとしても使われます。
【粉末】
粉末状になったもので急いだだしを取りたいときにおすすめです。お好み焼きにふりかけられることもあります。
だしを取る時は、沸騰させすぎるとかつお節からえぐみが出てくるので注意しましょう。すまし汁や茶碗蒸し等に使うのがおすすめです。
昆布だし
昆布だしは、昆布から取っただしのことです。上品な旨味と風味が広がり、かつおだしと同じように和食でよく使います。昆布の種類だけでなく、産地や収穫年度によっても味や風味が変わります。
だしを取る時は、沸騰させすぎると昆布からぬめりが出てくるので沸騰直前に昆布を取り出すようにしましょう。お吸い物、野菜料理、精進料理等に使うのがおすすめです。
煮干しだし
煮干しだしは、煮干しから取っただしのことです。関西ではいりこだしともいわれています。かたくち煮干しを使うことが多く、香りが強く感じられます。だしを取る時は頭や腹わたを取り除き、弱火でじっくりと煮出してアクを取り除き、生臭さが残らないようにしましょう。みそ汁、麺類のだし、煮物等に使うのがおすすめです。
合わせだし
合わせだしは、かつお節と昆布から取っただしのことです。旨味の相乗効果を期待できるかつお節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸の組み合わせで、いろいろな料理に使えます。
かつお節と昆布を使った合わせだしにはさらに「一番だし」と「二番だし」があります。
【一番だし】
昆布を水から煮て沸騰直前に取り出し、かつお節を加えてかつお節が鍋の底に沈むまで待ったものをこします。透明度の高いだしなのでお吸い物や薄味に仕上げたい料理におすすめです。
【二番だし】
一番だしを取った後のかつお節と昆布を使い、新しいかつお節を加えてさらにだしを取ったものです。煮物やみそ汁などに使うのがおすすめです。
しいたけだし
しいたけだしは、干ししいたけから取っただしのことです。水に浸けた干ししいたけを一晩置き、こしてだしを取ります。かつおだしや昆布だしと合わせて使うことも多いです。
干ししいたけを水に浸けるときは、干ししいたけについた汚れを取り除いてから水で戻しましょう。高温で戻すと苦味が出てしまうので、干ししいたけをつける水は低温でじっくり戻すのがおすすめです。味をしっかりつけたい炊き込みごはん、精進料理等に使うことが多いです。
だしを使い分けて料理を楽しく!
今回はだしの種類についてご紹介しました。かつお節専門点に行くといろいろなかつお節が並んでいるのを見たことはありませんか?同じかつお節でも種類はいろいろ。それと同じように昆布や煮干しもいろいろな種類があります。だしにこだわって料理をするのも楽しいですよ。