アボカドは野菜?果物?野菜と果物の分類もご紹介!
作成日: 2021/10/27
果物といえば、バナナやぶどうなど甘い果実を想像しませんか?今回ご紹介するアボカドはバナナやぶどうのような甘みがある果実ではないので、ブロッコリーやキャベツなどと同じように、野菜だと思っている方も多いようです。
しかし、アボカドが木の枝に実をつけている様子を見ると、果物にもみえてきます。そこで今回は、アボカドは野菜なのか、果物なのかについて考えてみましょう。
アボカドは果物
アボカドには一般的な果物のような甘みがないだけでなく、カットしてそのままわさびしょうゆにつけて食べたり、サラダの具材として使ったりするため野菜のイメージがありますよね。
サラダに果物を加えるレシピはありますが、果物をわさびしょうゆにつけて食べるなんて何だか少し信じられません。しかし実は、アボカドは果物といえます。アボカドが果物といえる理由を、いくつかの視点から解説します。
野菜と果物の定義の違い
アボカドに限らず、野菜なのか果物なのか迷ってしまう食べ物はいくつかあります。そこで、野菜と果物の定義について確認してみます。
そもそも野菜と果物の定義は統一されていない?
農林水産省所管の独立行政法人である「農畜産業振興機構」の「野菜の定義について」を確認すると、野菜の分類・定義は各省庁などが発表する表や統計によって異なり、共通点や統一的なものはありません。
例えば、農林水産省の「生産・出荷の統計」に記載されている野菜の定義は、食料になる草本性の植物、かつ大きく加工をしなくても副食物として食べられるものです。
野菜といわれたり果物といわれたり、アボカドのように実際はどちらなのか迷ってしまう方も多いいちごやメロン、すいかを確認すると、果実的野菜に分類されています。理由は、苗を植えて1年で収穫する一般的な野菜と栽培方法が同じだからです。
また、厚生労働省の国民健康・栄養調査では、「日本食品標準成分表」の分類を基礎として該当の食べ物の調理方法や摂取方法に着目して分類しており、いちごやメロン、すいかは果実類に分類されています。総務省の家計調査でのいちご、メロン、すいかは果物(生鮮果物)の分類です。
このように、それぞれで分類の基準が異なり、全体で統一されているわけではないのです。
果実を食用とするものを果樹または果物という
農林水産省によると、草本植物や木本植物のなかで概ね2年以上栽培して果実を食用とするものを果樹または果物、果実としています。
この定義に着目してみると、アボカドは2年以上栽培する必要のある樹木で、果実を食用とします。アボカドは農林水産省が定義している果物の条件と一致しているため、果物といえるのです。
食品成分表でアボカドは果実に分類
文部科学省の「日本食品標準成分表」におけるアボカドの分類は「果実類」です。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の「果実類」には、アボカドが中央アメリカやメキシコ南部原産の果物と記載されています。
ちなみに、原則として木本植物から収穫されるものや、通常の食生活で果物と考えられているもの(いちご・メロン・すいか)を果実類とする説明もあります。文部科学省でもアボカドは果物類として分類されていることから、野菜のように食べられている果物といえるのです。
【参考】
・独立行政法人 農畜産業振興機構「野菜の定義について」
https://www.alic.go.jp/content/000093223.pdf
・農林水産省「果樹のページ」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
アボカドは果物といえる!
野菜と果物の定義は各省庁などによって異なり、それぞれを考慮するとアボカドは果物といえることが分かりました。アボカドについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事で情報やレシピをご紹介しています。