リエットとは?パテやテリーヌとの違いについても解説
作成日: 2020/05/06
フランス料理店で目にすることが多い「リエット」。前菜としてバゲットにつけて食べることが多い人気の一品です。こちらの記事では、そんなリエットがどのように作られるのかをご紹介し、パテやテリーヌなどとの違いについても解説します。
リエットとはどんな料理?
「リエット」とは、主に豚肉を長期保存するために生み出されたフランス料理です。
リエットをフランス語に訳すと「豚肉の塊」という意味になり、基本的には豚肉を使って作られたものを指します。作り方はさまざまですが、カットした豚肉に塩とラードを加え、弱火でじっくりと肉に火を通してから調味し、容器に入れて固めます。加える塩の量によって保存期間が異なるのが特徴です。
中には、豚肉を煮込んだ後にフードプロセッサーなどで塊をペースト状にしてから容器に入れる方法もあり、このようにして作ったリエットは食感がなめらかでとても食べやすく仕上がります。
本来リエットは豚肉で作られますが、鶏肉や魚などを材料に作られるリエットもあります。そのため、豚肉で作られたリエットのことを「ポークリエット」と呼んで区別されるようになりました。
リエットはバゲットやその他のパンにつけて食べるのが一般的です。リエットの塩気を生かして、調味料代わりに温野菜などにつけて食べるのも良いでしょう。肉の旨味と野菜の甘味を同時に味わうことができます。
また、リエットをソース代わりにしてパスタと和えるのもおすすめです。フライパンで軽くリエットを温め、茹でたてのパスタを加えて和えれば完成です。そのままでおいしいリエットをソースにすれば、新たに味付けする必要もありません。
気になるパテやテリーヌとの違いは?
リエットと似ている料理に「パテ」と「テリーヌ」があります。
パテはもともと、ミンチ肉や野菜をパイ生地で包みオーブンで焼いた料理のことを指し、フランス語でパイ生地を意味する「pâte(パート)」が語源になったといわれています。
煮込んで作るリエットとは調理法がまったく異なりますが、近年ではペースト状の料理をパテと呼ぶことから、両者の違いは曖昧なものとなっているようです。本来、パテはパンにつけて食べるものではなく、焼きあがったものを冷まし切り分けて食べる料理でした。
一方のテリーヌとは、肉や魚、野菜などのさまざまな食材をミンチ状もしくはペースト状にし、四角い「テリーヌ型」に詰めて調理したものです。
もともと、テリーヌはフランス語で「陶製の蓋つき容器」を指し、蓋つき容器で作ったものであれば丸型や楕円、長方形とどのような形でもテリーヌと呼ばれます。具材を刻んだりすりつぶしたりする点がパテとよく似ていますが、テリーヌには加熱せずに冷やし固めるものも含まれます。野菜や果物をゼラチンで固めたものやデザートなどにもなるテリーヌは、断面の美しさを楽しむのが特徴です。
もともとは作り方が異なる料理でしたが、現在では3者の定義や区別が曖昧になっている場合もあるので気をつけましょう。
リエットを使ったDELISH KITCHENレシピ
ワインと一緒に楽しみたいリエット!
肉や魚の旨味が凝縮された濃厚なリエットは、バゲットなどにそのままのせて食べるのがおいしい一品です。ワインとの相性も良く、おもてなし料理にもぴったりでしょう。
素材を煮込む時間はかかりますが作り方はシンプルなので、いろいろなレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。