キムチの塩分量とは?メリットや適正な量についても解説
作成日: 2022/03/23
ピリッとした辛さとコクのある味わいがくせになるキムチ。よく食べるという方も多い漬物のひとつですが、含まれている塩分の量はどのくらいなのでしょうか。
この記事では、キムチの塩分量やほかの漬物との比較のほか、食べるときの適正な量、キムチを食べるメリットなどもご紹介します。
キムチの塩分量
キムチ、100gあたりの塩分量(食塩相当量)は、2.9gです。1食分(約40g)に換算すると、1.2gとなります。
ほかの漬物の塩分量
ほかの漬物、100gあたりの塩分量(食塩相当量)は以下の通りです。
・野沢菜(塩漬)…1.5g
・たくあん漬(干し大根漬)…2.5g
・べったら漬…2.8g
・かぶ(根 皮なし 塩漬)…4.3g
・福神漬…5.1g
・ザーサイ…13.7g
同じ重量で比較すると、キムチよりも野沢菜の塩漬やたくあん漬、べったら漬の方が塩分量が少なく、かぶの塩漬けや福神漬、ザーサイは多いことがわかります。
キムチの適正量
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2019」によると、高血圧の方は1日の塩分摂取量を6g未満にするのが目標とされています。世界保健機関(WHO)による一般成人向けのガイドラインでは、1日あたり5g未満が食塩の目標値とされおり、この基準は世界全体の目標となっています。
また「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による1日の塩分量の基準は、成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満です。
このことから、約1食分の量のキムチであれば塩分量(食塩相当量)が1.2gであるため、適正範囲に収まります。ただし、塩分は1日のうちに食べるほかの料理にも含まれています。その塩分量もふまえて、キムチの摂取量も調整することが重要です。
キムチを食べるメリット
キムチを食べることによって、さまざまなメリットが得られます。
腸内細菌を増やす働きがある
発酵食品であるキムチは「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸内の善玉菌の割合を増やす働きがあります。善玉菌が増えて腸内が酸性になると、腸が活発に動くようになります。
代謝を促す働きがある
キムチに含まれている唐辛子の「カプサイシン」という成分によって、代謝が促進されます。カプサイシンは消化管から吸収されて血中に入ります。その後、感覚神経から中枢神経系に至り、副腎からアドレナリンを分泌するよう促します。アドレナリンは、脂肪をエネルギーに変換するなどのエネルギー代謝や発汗を促進します。
キムチを食べすぎるデメリット
食べることでさまざまなメリットがあるキムチですが、食べすぎは禁物です。
細胞内液のバランスがくずれる
キムチを食べすぎることで塩分の摂取量が増えるため、細胞内液のバランスがくずれてしまいます。食塩に含まれるミネラルであるナトリウムは、細胞外液の浸透圧を調節したり、細胞外液量を保ったりと、さまざまな役割を担っています。このように重要な働きをする一方で、摂取量が多いとむくみや口の渇きなどが起こるので注意しましょう。
高血圧のリスクが高まる
キムチを食べすぎるとナトリウムを過剰摂取することになり、高血圧のリスクが高まってしまいます。多くの研究によって指摘されているので、高血圧を防ぎたい方は食べる量に気をつけるようにしましょう。
キムチの食べ方
キムチを食べるときは、食塩に含まれるナトリウムの過剰摂取によるデメリットをできる限り軽減できるよう、カリウムを含む食材も一緒に食べるのがおすすめです。カリウムは、ナトリウムを排出する作用があるため、塩分のとりすぎによる影響を軽減できるでしょう。カリウムは野菜や果物などに多く含まれるので、ぜひ取り入れてください。
DELISH KITCHENのキムチを使ったレシピ
キムチを使ったレシピをご紹介します。
野菜たっぷりキムチ鍋
キムチと豚バラ肉のコクがたまらないキムチ鍋です。最初にキムチを炒めることで、旨味がギュッと凝縮するだけでなく、香ばしい香りもプラスされますよ。食感を楽しめるように、豆もやしを使うのがおすすめです。
キムチのカロリーと糖質について
キムチのカロリーや糖質について、詳しくはこちらで解説しています。あわせて、キムチを使ったバリエーション豊富なレシピもご紹介しています。
キムチの塩分量を知って適正な量を楽しもう
キムチを食べることによって腸内細菌が増えたり、代謝が促進されたりといったメリットが得られます。一方で、食べるすぎると細胞内液のバランスがくずれたり、高血圧になったりするリスクが高まってしまうため、過剰な摂取には注意しましょう。
含まれている塩分量を知っておくと参考になりますよ。キムチは適度な量を楽しむようにしてください。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書 高血圧
(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586583.pdf)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット ナトリウム
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-024.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット カリウム
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html)
・農林水産省 カプサイシンに関する情報
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/capsaicin/)
・農林水産省 カプサイシンに関する詳細情報
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/capsaicin/syousai/)
・農林水産省 みんなの食育
(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics2_04.html)(2022/03/23)