パスタの乳化とは?失敗しないコツやレシピをご紹介
作成日: 2022/04/25
更新日: 2022/04/26
パスタを作るとき、「乳化が大事」というのはよく耳にする話です。しかし、「乳化についてよく知らない」「コツがわからない」という人も多いのではないでしょうか。
この記事では乳化とは何なのか、またパスタソースを乳化させる理由などについて解説します。
乳化とは
乳化(エマルション:Emulsion)とは、水分と油のように本来混ざり合わないもの同士が均一に混ざり合う現象のことです。
ドレッシングはそのまま置いておくと油と酢に分かれますが、しっかり振ってから使うことで一時的に混ざり合います。水と油の間にできる境界面が壊れ、酢の中に小さな油の粒が浮かんでいる状態になり、とろみのついた液体になります。この状態が乳化です。
しかし、一度乳化させたドレッシングも時間が経つとまた2層に分かれてしまいます。酢と油が乳化した状態を保つためには、「乳化剤」と呼ばれる物質が必要です。
マヨネーズはドレッシングと同様に酢と油が使われています。しかし卵が酢と油を結びつける乳化剤として作用するため、分離せずなめらかなクリーム状に保たれるのです。
なぜパスタソースを乳化させるのか
パスタソースを乳化させる理由は大きく分けて2つあります。1つは、パスタソースを乳化させることで油っぽさや水っぽさがなくなり、口当たりがなめらかになるからです。
2つ目は、ソースにとろみをつけ、パスタと絡みやすくするためです。パスタソースを作る際は、オリーブオイルとパスタのゆで汁を混ぜることでソースを乳化させます。
パスタに含まれるデンプンが乳化剤の役割を果たし、ソースにとろみがつくのです。オリーブオイルの風味を際立たせたい場合などは、乳化させないレシピもあります。
パスタソースを乳化させる方法
ここからは、パスタソースを乳化させる方法を見ていきましょう。オリーブオイルとにんにくのシンプルなペペロンチーノは、乳化をさせることで味が一気にレベルアップします。
カリカリベーコンのペペロンチーノ
オリーブオイルでベーコンやにんにくなどの材料を炒めたら、火を止めて茹で汁と塩を加えます。フライパンをゆすりながら茹で汁とオリーブオイルを木べらでしっかりと混ぜましょう。ソースが白濁してとろみがついてきたら乳化された証拠です。
オリーブオイルが熱いままで茹で汁を加えると飛び跳ねることがあるので、必ず火を止めて温度が下がってから加えましょう。
乳化のポイント
パスタソースを乳化させる際は、いくつかのポイントをおさえておきましょう。
・茹で上がりに近い茹で汁を使う
パスタソースを作る際、茹で汁に含まれるデンプンが乳化剤として重要な役割をします。茹ではじめてからしばらく経つとパスタからデンプンが溶け出してくるため、茹で上がる3分くらい前の茹で汁を使うようにしましょう。
・茹で汁を一気に入れない
茹で汁は少しずつ加えるのがポイントです。茹で汁を一度に加えてしまうと、上手く乳化せず失敗の原因となってしまいます。
・空気を含ませる
ソースに空気を含ませると乳化が進み、なめらかな口当たりになります。フライパンをゆする、菜箸などでかき混ぜるなどして、しっかり空気を含ませましょう。
DELISH KITCHENのパスタレシピ
ここからは、パスタのレシピをご紹介します。
オイルソースだけでなく、ホワイトソースやトマトソースでも乳化させることで、パスタに絡みやすく味がのりやすくなります。
じゃことねぎのペペロンチーノ
唐辛子のピリッとした辛さがくせになる、シンプルなペペロンチーノです。長ねぎの甘みとちりめんじゃこのうまみがパスタに絡んでたまらないおいしさ。パパッと作れるので時間がないときのランチにおすすめです。
ツナとほうれん草のホワイトソースパスタ
簡単に作れるホワイトソースパスタは、生クリーム不使用とは思えないほど濃厚な味わい。ツナのコクとなめらかなホワイトソースが相性抜群です。ほうれん草を入れることで彩りも鮮やに。
牡蠣と海老のペスカトーレ
牡蠣と海老、イカを使ったトマトソースパスタです。魚介の旨味が凝縮したトマトソースが贅沢な味わい。にんにくと白ワインの香りが味を一層引き立てます。リングイネを使うとソースが絡みやすくなりますよ。
乳化のコツをおさえて美味しいパスタソースを作ろう
パスタソースを乳化させることで口当たりがなめらかになり、ソースにとろみがついてパスタと絡みやすくなります。乳化という簡単なひと手間を加えるだけで、一気にプロの味に近づきますよ。
乳化のコツをしっかり押さえて、本格的なパスタを作ってみてください。