穴子の旬は2回ある?美味しい穴子の見分け方や食べ方もご紹介
作成日: 2022/09/30
お寿司やてんぷらで欠かせない穴子。ふっくらした食感と淡泊な味わいで人気ですが、実は旬が2回あり、それぞれ特徴が違うことをご存じでしょうか?この記事では穴子の旬をはじめ、美味しい穴子の見分け方や簡単レシピもご紹介します。
穴子の旬の時期
穴子は旬が夏と冬、2回あると言われる珍しい魚です。
夏
一般的に穴子の旬は、夏の6~8月と言われています。この時期の穴子は、「梅雨穴子」「夏穴子」と呼ばれ、脂が少なく淡泊なさっぱりとした味わいです。
魚の旬は脂が一番乗っている時期を意味することが多いですが、穴子は淡泊な味わいが好まれる魚なので、脂の乗らない夏が旬とされています。
また「梅雨穴子」は、梅雨の増水で流れてきた豊富な栄養分を含んだエサを食べています。そのため旬の時期の中でも、特に美味しいと言われています。
冬
穴子も一般的な魚と同じように、春の産卵に向けて栄養を蓄えているため冬に採れるものには脂がのっています。夏の穴子とは違い、冬の穴子はこってりとコクがあることが特徴です。夏の穴子よりも脂がのっているので、ウナギに近い味わいとなります。
穴子について
穴子は旬が2回ある珍しい魚ですが、他にはどのような特徴があるのでしょうか。
特徴
穴子は夜行性で、昼間は岩のすき間などの穴にいることから「穴子」と呼ばれるようになりました。穴子には数十の種類がありますが、日本で流通している穴子の大半は真穴子と言われる種類です。
産地
穴子の水揚げ量が日本で1番多い地域は、長崎県対馬。対馬ブランドの「黄金穴子」でも有名です。また兵庫県明石市も、穴子のよく獲れる産地と知られています。
うなぎとの違い
うなぎと穴子、見た目や食感は似ていますが何が違うのでしょうか。
大きな違いは、生息域です。うなぎは淡水魚なので川に住むのに対し、穴子は海に住んでいます。また、ウナギは背中が黒色に近く尾びれがとがっていますが、穴子は全体的に薄茶色で尾びれは丸い形をしています。
美味しい穴子の特徴
美味しい穴子には5つの特徴があります。
身が白い
穴子は淡泊な魚なので身が白くて分厚いもの、特に身が白くてツヤのあるものがおすすめです。
すらっとしている
穴子の腹が張っていると食べたエサが残っている可能性が高く、傷みやすいです。なるべくすらっとした形の穴子を選びましょう。
白い斑点がある
皮部分に白い斑点が出ているものは、新鮮なあなごの象徴です。穴子が「はかりめ」と呼ばれることがあるのは、この斑点が理由と言われています。
ぬめりがある
ぬめりは、新鮮な魚の証拠です。もし穴子を触れる場合は、穴子のぬめり具合をチェックすると鮮度がわかりますよ。
血が鮮やか
血の色が鮮やかなものは新鮮なものの証です。色がよどんでいる場合は控えましょう。
穴子のカロリーと栄養
気になる穴子のカロリーと栄養素を解説します。
カロリー
穴子の可食部100gあたりのカロリーは146kcalです。
うなぎは228kcalなので、うなぎよりもカロリーが少ないですね。
たんぱく質
穴子の可食部100gには17.3gのたんぱく質が含まれています。
たんぱく質は筋肉や臓器、ホルモン、酵素など身体の構成成分や調節機能成分として存在しています。ヒトの身体の水分を除いた重量の半分以上がたんぱく質ですが、他の栄養素から体内で合成はできません。そのため食べ物から摂取することが必須です。
脂質
穴子の可食部100gには含まれる脂質は9.3gです。
脂質とは炭水化物やたんぱく質と同じく、体内でエネルギーの源となる栄養素です。他にも細胞膜の構成、生理活性物質、脂溶性ビタミンやカロテノイドの吸収促進など多岐にわたって働いています。ただし余った脂質は中性脂肪として蓄えられ、多く摂り過ぎれば肥満や生活習慣病の原因にもなります。
ビタミンA
穴子の可食部100gには500μgのビタミンAが含まれています。
ビタミンAは視覚、聴覚、生殖等の機能維持、皮膚や粘膜等の上皮組織を正常に保つための重要な役割に関与しています。
DHA、EPA
穴子にはDHA、EPAが含まれています。
DHAは必須脂肪酸の一種で、体内で合成できず、食物から摂る必要がある栄養素です。DHAは、脳や網膜などの神経系に含まれている栄養素で神経細胞を活性化させ記憶力や学習能力を向上に役立つことで知られています。
EPAは必須脂肪酸の一種で、体内で合成できず、食物から摂る必要がある栄養素です。EPAは、体内の血液のめぐりをスムーズにし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防するという働きがあることで知られています。IPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれることもあります。
穴子を使ったDELISH KITCHENのレシピ
穴子を使った定番レシピをご紹介します。どれも簡単なのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
煮穴子
穴子は煮ることによって身が崩れにくく、ふっくらと仕上がります。そのままはもちろん、丼やおすしの具にも使えますよ。
アナゴの蒲焼
蒲焼は皮目を先に焼いてから蒸すことで、香ばしい風味がありつつふっくらした食感に仕上がります。お好みで山椒をかけても美味しいですよ。
穴子の白焼き
穴子は蒲焼だけではなく、白焼きもおすすめです。白焼きは、穴子本来の香りや味わいをより一層楽しむことができます。
アナゴ丼
がっつり食べたいときにおすすめしたいレシピがアナゴ丼です。タレをよく絡ませるために、薄力粉をまぶしてから焼くことがポイントです。
ふっくら美味しい穴子を存分に楽しもう!
穴子の旬や栄養素、レシピをご紹介しました。穴子は夏と冬、2回も旬がありますが味に違いがあります。さっぱり淡泊な梅雨穴子や脂がのった冬の穴子、どちらも美味しく楽しんでいきたいですね。今回紹介したレシピは全て30分以内で簡単に作れますので、新鮮な穴子が手に入った際はぜひ試してみてください。
【参考】
・eーヘルスネット:たんぱく質
・eーヘルスネット:脂質
・eーヘルスネット:ビタミン、抗酸化ビタミン
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』オメガ3系脂肪酸(2022/09/30)
【出典】
日本食品標準成分表2020年版(八訂)