アカガイ(赤貝)とは?おすすめのレシピもご紹介!
作成日: 2022/09/30
お寿司屋さんのネタなどでおなじみの赤貝ですが、実際にどのような貝なのかご存じですか?詳しくは知らないという人も多いのではないしょうか。この記事ではアカガイについて解説します。簡単なレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
アカガイについて
さっそくアカガイについてみていきましょう。
基本情報
アカガイは二枚貝綱翼形亜綱フネガイ目フネガイ科アカガイ属に分類される二枚貝です。北海道南部から九州に広く生息しています。
アカガイの大きさは殻長10~12㎝ほどで、殻の表面は放射線状の縦溝が42~43本ほどあります。全体的に茶色い毛でおおわれており、味は甘味が強いのが特徴です。
名前の由来
アカガイと呼ばれるようになった由来は、血液に赤い色素のヘモグロビンが含まれており、貝をあけると身の色合いが赤色をした珍しい貝だからだと言われています。
アカガイは英語で、ark shell、Bloody clam 、などと呼ばれています。
アカガイとサルボウガイとの違い
アカガイには見た目のよく似たサルボウガイという貝があります。サルボウガイとの違いについて見ていきましょう。
サルボウガイはアカガイと同じフネガイ科の二枚貝ですが、アカガイよりかは小さく殻の色は白っぽいのが特徴です。甘みのある味わいが赤貝と似ています。
殻の表面に入っている縞模様の本数もサルボウガイが30本前後とアカガイよりも少ないです。また、サルボウガイのことをアカガイと呼ぶ地域もあり、缶詰のアカガイの煮つけはサルボウガイを使用していることもあります。
しかし、水揚げされた場合には産地で加工や消費されるため、アカガイほど一般に流通はしていません。
アカガイの産地と旬
次に主な産地と旬について見ていきましょう。
アカガイの主な産地は宮城県名取市閖上で、その地区で漁獲されるアカガイは「閖上赤貝」と呼ばれ、お寿司屋さんなどで高い値段がつくブランドアカガイとして知られています。
かつては関東で多く獲れていましたが、現在は全体的に漁獲量が非常に少なくなっています。
そのほかにも宮城県三陸、愛知県、三重県、長崎県などでも獲られていますが、中国や韓国から輸入されたものも流通しています。
アカガイの旬の時期は主に秋から春にかけてとなり、具体的には9〜6月ごろとなります。特に冬から初春にかけての寒い時期が旨味が多く美味しいとされています。
アカガイの栄養
アカガイも主な栄養についてみていきましょう。
アカガイ 生 可食部100gあたり
・カロリー 70kcal
・たんぱく質 13.5g
・脂肪 0.3g
・食物繊維 0g
・炭水化物 3.5g
・鉄 5.0mg
・ナトリウム 300mg
・亜鉛 1.5mg
・ビタミンB1 0.20mg
次に赤貝と同じように刺身や寿司にもよく使われる、ほたて貝の栄養と比較してみましょう。
ほたて貝 生 可食部100あたり
・カロリー 66kcal
・たんぱく質 13.5g
・脂肪 0.9g
・食物繊維 0g
・炭水化物 1.5g
・鉄 2.2mg
・ナトリウム 320mg
・亜鉛 2.7mg
・ビタミンB1 0.05mg
アカガイの主成分はたんぱく質であることが分かります。ほたて貝に比べてアカガイはカロリーが低めですが、鉄やナトリウム、ビタミンB1の量は多く含まれています。
アカガイにも含まれているビタミンB群は、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。
鉄は人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在しています。鉄が不足してしまうと貧血につながるため、注意しましょう。また食品中に含まれる鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2つが存在し、ヘム鉄はレバーや赤肉、赤みの魚などに含まれており、非ヘム鉄は野菜や卵、牛乳などに含まれています。
ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いは体内での吸収率で、非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が吸収率は高いです。
アカガイの仲間は非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が多く含まれていると報告されています。その理由として、アカガイはヘモグロビン系の血液を持っているためです。
アカガイの選び方
アカガイを選ぶときは、殻が薄く、持った時にしっかりと重みを感じるものを選ぶと良いでしょう。殻が開いているものは死んでいる可能性もあるため、選ぶのはやめておきましょう。
また、新鮮なものは海の香りがしますが、古いものは泥臭く匂うので匂いを確かめるのも良いです。剥き身のものを選ぶときは、はじいた時に身が盛り上がるようなものを選びましょう。
アカガイの食べ方
アカガイは、スーパーなどでは刺身用として捌いてあるものが多いです。主にアカガイは、身の部分と貝柱を食べます。
アカガイは寿司や刺身で食べるのはもちろんですが、煮物や酢の物にしたりぬたなどの和え物にしていただくのもおすすめです。ヒモの部分も食べられるため、炊き込みご飯や珍味として和え物に使っていただくのもいいでしょう。
赤貝を使ったDELISH KITCHENのレシピ
アカガイを使った簡単なレシピをご紹介します。
赤貝とねぎのぬた
アカガイとネギで作る簡単なぬたのレシピです。砂糖とお酢と味噌で簡単に和えタレが作れるので、あと一品欲しい時におすすめです。
赤貝とみょうがのおろし和え
アカガイにみょうがを合わせ、大根おろしとポン酢で簡単に仕上げた一品です。味付けはポン酢のみなのでとても手軽に作ることができます。
赤貝ときゅうりの甘酢和え
アカガイときゅうりの色合いも綺麗な甘酢和えです。シャキシャキとした食感も楽しめ、箸休めとしてもぴったりな一品です。
赤貝の煮付け
アカガイを殻ごと使用して作る煮つけです。アカガイをふっくら仕上げるためにも、煮込み過ぎには注意しましょう。
アカガイは赤い血を流す二枚貝!
アカガイはフネガイ科アカガイ属に分類される二枚貝で、北海道南部から九州に生息しているということが分かりました。大きな特徴は血液にヘモグロビンを含むことから、貝を開くと身が赤く染まっているということです。身が赤いことからアカガイと呼ばれる由来になったとも言われています。アカガイは寿司や刺身以外にも、煮つけや和え物にして楽しめる貝です。手に入った際は、ぜひ色々な調理法で楽しんでみてください。
【参考】
厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」
厚生労働省 e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」
厚生労働省e-ヘルスネット「ビタミン」(2022/09/30)
【出典】
日本食品標準成分表2020年版(八訂)