棒鱈とは何?特徴やおせち料理として食べる意味をご紹介
作成日: 2023/11/20
おせち料理に使われることの多い「棒鱈」。地域によってはあまり食べることのない食材のため、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、棒鱈について詳しく解説していきます。また、合わせておせち料理で棒鱈が食べられる意味や、棒鱈を使ったレシピもご紹介します。
棒鱈とは?
棒鱈とは真鱈を尾がついたまま3枚におろし、そのまま干して乾燥させた保存食のことです。真鱈は非常に鮮度が落ちやすい魚で、北海道や東北沿岸で漁獲された真鱈を遠方の地域に流通さするために、このような加工が施されたといわれています。
棒鱈は江戸時代に生まれ、今でもおせち料理や煮物などで使用されている食材です。基本的に棒鱈とは食材のことを指しますが、地域によっては料理名として棒鱈と呼ぶこともあります。
どこの地域で食べられる?
棒鱈は主に関西地方や北陸地方などでよく食べられています。関西地方だと、棒鱈は特に京都でおせち料理によく使われる食材です。京都の郷土料理の一つに、京野菜の海老芋と棒鱈を一緒に煮込んだ「いも棒」があります。
また、北陸地方では砂糖や醤油で甘辛く棒鱈を味付けした、「棒鱈煮(棒鱈の炊いたん)」という郷土料理があります。現在のように流通が発達していなかった頃、北陸地方などの積雪が多い地域では、肉や魚などのタンパク源は貴重でした。
棒鱈なら乾燥状態で保存がきくため、貴重な食材として棒鱈が重宝されていたと考えられています。
「炊いたん」という意味について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
棒鱈の特徴
棒鱈は数か月かけて乾燥させるため、「棒鱈で釘が打てる」といわれるほど身が固いのが特徴です。
棒鱈は加工するのにも時間がかかる棒鱈ですが、調理にも時間がかかります。3日から1週間ほど水に浸し、身を戻すことで調理が可能です。水で戻す際はアク抜きの意味もあるため、毎日水を取り換える必要があります。
こうして時間をかけて戻すことで、乾燥状態では固い身も調理後はほろっと柔らかい食感が味わえるようになるのです。また、乾燥させて水分を抜くことで旨味が凝縮された、深い味わいを楽しめます。
おせち料理に棒鱈を食べる意味
おせち料理に使われる棒鱈には、「たら(鱈)ふく食べられる」という語呂合わせで、「一年間食に困りませんように」といった願いが込められています。主に関西地方や北陸地方でおせち料理に棒鱈が使われています。
他にもおせち料理には、料理ごとにそれぞれ込められた意味があります。他のおせち料理に込められた意味を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
棒鱈の選び方
市販の棒鱈には「凍干」と「素干し」の2種類があります。
凍干しとは、生のまま凍らせて陽を当てて融かすことで、水分を抜いて乾燥させる製法です。凍干しで作られた棒鱈は、水で戻す時間が短かったり臭みが少なかったりするメリットがあります。しかし、急速に水分を抜くため、素干しに比べ旨味が少ない傾向にあります。
一方、素干しとは、そのまま長い時間をかけて天日干しすることで乾燥させる製法です。素干しの棒鱈はじっくり乾燥させるため、凝縮された旨味を楽しめます。しかし、水で戻すのに1週間ほどかかったり、生臭さがあったりなどのデメリットがあるのも特徴です。
メリット・デメリットを踏まえて選ぶようにしましょう。
DELISH KITCHENの棒鱈を使ったレシピ
ここでは、棒鱈を使ったDELISH KITCHENのレシピをご紹介します。凝縮された旨味が味わえる、棒鱈の煮付けのレシピです。おせち料理にはもちろん、おかずやおつまみとしてもおすすめですよ。
おせち料理だけでなく棒鱈を楽しもう
棒鱈は真鱈の旨味がぎゅっと凝縮された保存食です。関西地方や北陸地方で馴染みのある食材ですが、今では全国で購入できます。
戻すのに時間がかかるのが難点ですが、年に一度のおせち料理であれば、「たらふく食べられますように」と願いを込めて作るのもいいですよね。手間に感じる場合は、すでに戻した状態の「もどし棒鱈」を使えば手軽に使えます。
今回ご紹介したレシピも参考に、おせち料理だけでなくおかずやおつまみとして棒鱈を楽しんでみてはいかがでしょうか。