関東煮(関東炊き)とおでんは違うもの?レシピもご紹介
作成日: 2021/12/13
寒い季節に食べたくなるおでんは、だしをたっぷり含んだ大根や卵、練り物など、さまざまな具材が楽しめるだけでなく、食べれば体も心も温まる冬の風物詩です。寒さが増す時期になると、ご家庭でおでんを作ることも多いでしょう。
ところで、おでんのことを関東煮と呼ぶことがあるのをご存じですか。この記事では、関東煮の呼び名の由来や、関西と関東でのおでんの違い、バリエーション豊富なおでんレシピをご紹介します。
関東煮について
関東煮とは、どのような料理なのでしょうか。
関東煮とは関西でのおでんの呼び名
おでんは日本全国に共通する料理の名前というわけではなく、関西地方ではおでんのことを「関東煮」または「関東炊き」と呼ぶことがあります。関西におでんという言葉が浸透し始めたのは最近のことです。
この関東煮と関東炊きは同じ料理を指しています。関西では「かぼちゃを炊く」など、具材に煮汁を含ませて煮ることを「炊く」と呼びます。
なぜ関西ではおでんのことを関東煮(関東炊き)と呼ぶのか、それには諸説あります。関東発祥の煮物だからという説や、関東大震災によって移住してきた関東人が関西に広めたという説、また江戸時代に関西を訪れた中国人が広め、「広東煮(かんとんに)」という読み方が変化して関東煮になったという説などさまざまです。
ちなみに、関東煮や関東炊きの読み方は「かんとうに」「かんとだき」となります。
関東煮と関東のおでんの違い
おでんのことを関西では関東煮と呼びますが、関東煮と関東のおでんはいくつか違いがあり、全く同じものではありません。
【だし・味付け】
まず大きく違うのは、だしと味付けです。関東のおでんはかつお節ベースのだしに濃口しょうゆを使った濃いめのだしで具材を煮込み、しっかりと味と色を付けます。
一方、関東煮ではおでんと同じようにかつお節をだしに使いますが、薄口しょうゆを合わせた甘い味付けが特徴です。薄口しょうゆを使うため具材に色が付きにくいこと、またからしなどを合わせることで、具材と一緒にだしの旨味を味わえるような味付けになっていることもポイントです。
【具材】
入れる具材にも違いがあります。関東煮では牛すじ肉を串に刺したものや、「スジ」「さえずり」と呼ばれる鯨肉が入ることが特徴です。また、一般的に関東のおでんに入っている、ちくわぶやはんぺんは関東煮には入っていません。
関東煮のおもな具材は、大根、じゃがいも、牛すじ、ちくわ、こんにゃく、厚揚げ、ごぼう天、卵、餅巾着などです。
甘いだしが染み込んだ大根は旨味たっぷりで、からしとの相性も抜群です。ホクホクとした食感のじゃがいもや、プリッとした食感のこんにゃくも欠かせない具材のひとつです。
また、甘さのあるだしと相性のよい牛すじは、とろける食感が人気です。ちくわやごぼう天などの練り物はだしに魚介の旨味を与え、より深い味わいを引き出します。
DELISH KITCHENのおでんレシピ
おでんは地域によって具材や味付けなど、さまざまな個性があります。ここからは、いろいろなおでんの作り方をご紹介します。
関西風おでん
関東煮、関東炊きとも呼ばれる関西風おでんです。薄口しょうゆや酒のほかに、みりんで甘さを加えただしが大根やじゃがいもに染み込んでたまらないおいしさです。牛すじはしっかり下ゆでして臭みを取ってから煮込みましょう。
関東風おでん
甘辛い味付けのだしで煮込む関東風のおでんです。味が染み込んだ大根や卵は旨味たっぷりです。もちもちのちくわぶと、ふわふわのはんぺんがやみつきになるおいしさです。
味噌おでん
愛知県では八丁味噌で味付けしただしで煮込む、味噌おでんが定番です。レシピでは赤みそを使い昆布茶を加えて、より旨味のある味わいに仕上げます。こってりとしたみそ味がご飯にもよく合います。
串おでん
魚の旨味たっぷりの黒はんぺんなどを、黒いつゆで煮込むのが静岡おでんです。具材を串に刺して煮込むことで取り分けやすく、また食べやすくしています。青のりや粉かつおをかけて食べるのが定番の食べ方です。
関東煮と呼ばれる関西のおでんと関東のおでんは別物だった
関西地方では、おでんのことを関東煮(関東炊き)と呼びます。同じおでんでも関東煮と関東のおでんでは、味付けや入っている具材に違いがあります。関東煮は薄口しょうゆを使った甘いだしを使用し、具材には牛すじなどが入っていることが特徴です。
おでんは各地でいろいろな個性があり、その味わいもさまざまです。ご紹介したレシピを参考に、いつもと違ったおでんを楽しんではいかがでしょうか。