うるめいわしとは?生と丸干しの栄養も解説
作成日: 2021/12/28
スーパーなどで干物として売られているうるめいわし。うるめいわしとめざしは同じものなのか、まいわしや片口いわしとの違いはあるのかなど、と疑問に思っている人も多いかもしれません。
そこでこの記事ではうるめいわしの特徴や、まいわしや片口いわしとの違いを解説します。また、食べ方や栄養についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
うるめいわしについて
ここからは、うるめいわしについて詳しくみていきましょう。
うるめいわしとは
うるめいわしは、ニシン目・ニシン科に分類される魚で、目が潤んだように見えることからその名前がつけられています。旬は秋から春。鮮度が落ちやすいため、鮮魚はなかなか手に入にくく、ほとんどが干物などに加工されています。
めざしとの違い
めざしは、うるめいわしを乾燥させたもので、大型であるほど高級品といわれています。うるめいわしの産地高知県では、一本釣りした大型のうるめいわしを干物にしたものが、名産品として親しまれています。
まいわし・片口いわしとの違い
まいわしは、いわしの中でも一番大きく成長し、体側面に黒色斑点があります。片口いわしは、いわしの中で最も小型で、目が鼻先に近く、下あごが後退していることが特徴です。
うるめいわしは、目が大きく潤んでいるように見えます。いわしの中で最も大きくなる種類で、体長40cmを超えるものもめずらしくありません。
うるめいわしの選び方
いわしは「魚」に「弱い」と書くほど鮮度が落ちやすい魚なので、選び方のポイントをしっかりと抑えておきましょう。
うるめいわしの干物は、脂焼けをしておらず身がふっくらとしていて、表面がきれいなものを選びます。鮮魚の場合は身の硬さと、エラが鮮やかな赤色かどうかで新鮮さが判断できます。触ってやわらかいものや、腹が割れているものは鮮度が落ちてしまっているので、選ばないようにしましょう。
うるめいわしの食べ方
鮮度が落ちやすいうるめいわしは加熱調理向けですが、獲れたてのものは刺身でも食べられます。そのほか、フライやグリル、煮物、塩焼き、ムニエルなど幅広い調理法が用いられています。
うるめいわしの栄養
ここからは、うるめいわしの栄養についてご紹介します。
生
うるめいわし(生)の100gあたりの栄養を見ていきましょう。
・カロリー:124kcal
・糖質:0.3g
・カリウム:440mg
・リン:290mg
・鉄:2.3mg
・ビタミンA:130μg
・ビタミンB12: 14μg
・葉酸:16μg
丸干し
丸干し100gあたりに含まれる栄養は以下の通りです。
・カロリー:219kcal
・糖質:0.3g
・ナトリウム:2300mg
・カリウム:820mg
・カルシウム:570mg
・リン:910mg
・鉄:4.5mg
・ビタミンB12:25μg
・葉酸:44μg
丸干しは生のものと比べて、糖質以外の栄養素が多くなっていることがわかります。
※ビタミンAの数値は、レチノール当量を記載しています
うるめいわしに含まれている栄養の働き
うるめいわしに含まれている栄養には、どのような働きがあるのかをみていきましょう。
カリウム
カリウムは、人の体に必要なミネラルの一種で、細胞の浸透圧を維持する働きがあります。体内のナトリウムの排出を促進する作用があるため、塩分のとりすぎを調節してくれます。
リン
リンは骨や歯の形成に欠かせないミネラルです。また、細胞膜や核酸の構成成分になったり、pHの調整や浸透圧を保つ働きもあります。
カルシウム
カルシウムは、丈夫な歯や骨を作るのに欠かせない栄養素です。人体に最も多く含まれているミネラルで、99%が骨や歯に、残りの1%は血液や組織液、細胞に存在しています。
カルシウムについては、ごちらの記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
鉄
鉄は、人体に必要なミネラルの一種です。鉄が不足すると「鉄欠乏性貧血」を起こします。食品中の鉄はへム鉄と非へム鉄に分けられていて、動物性食品はへム鉄、植物性食品は非へム鉄という形で存在しています。
鉄の働きや含まれる食べ物については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
ビタミンA
人体の機能を正常に保つために必要な脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンAには「視覚機能の健康を保つ」「皮膚や粘膜を正常に保つ」「活性酸素を除去する」といった働きがあります。
ビタミンAについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ビタミンB12
ビタミンB12は、たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる水溶性ビタミンです。また、正常な赤血球の生成に不可欠な栄養素でもあります。
葉酸
葉酸は新しい細胞を合成するとき、細胞の遺伝子情報がつまっているDNAを合成するための補酵素として働きます。そのため、細胞の増殖が盛んな胎児の発達に必要不可欠な栄養素です。妊娠中は積極的に摂取するようにしましょう。
葉酸については、こちらの記事をご覧ください。
うるめいわしを味わってみよう
うるめいわしは鮮度が落ちやすく、めざしとして加工されて出回ることが多い魚です。おいしい魚として知られていて、高知県の1本釣りのめざしは高級品として扱われています。カリウムやリン、鉄、カルシウムなどの栄養も含まれているので、ぜひ食べてみてください。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット カリウム
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット リン
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-038.html)
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』ビタミン B12
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/07.html)(2021/12/28)