カレーにとろみがつかないのはなぜ?とろみをつける方法もご紹介
作成日: 2022/03/15
幅広い年代に人気のカレーはご家庭で食べることも多いメニューですね。ただ、市販のカレールウを分量通り使っているのになぜかとろみがつかない、好みのかたさにならないといった経験はありませんか。
この記事では、カレーにとろみがつかない原因を詳しく解説します。また、とろみをつける方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
カレーのとろみとは
カレーのとろみは、材料の中に含まれるでんぷんが加熱により変化して生まれるものです。でんぷんは水分を含んで一定時間、60〜65℃以上の温度で加熱されることで、糊のようなとろっとした状態に変わります。
この現象は「糊化(こか)」と呼ばれており、カレーはルウの原料に含まれている小麦粉のでんぷんによってとろみがつきます。
カレーにとろみがつかない原因
手順の通りに作っていてもカレーにとろみがつかない場合があります。
水分の多い食材を使っている
まずは使っている材料を確認します。具材に水分の多い新玉ねぎや冷凍野菜、シーフードミックスなどを使うことで、全体の水分量が多くなってしまう場合があります。
これらの食材を用いるときは、水の量を少なめにするとうまくとろみがつきます。パッケージの裏などに書かれているレシピには、食材の水分まで考慮されていないので注意しましょう。
火を止めずに沸騰した状態でルウを入れている
ルウは入れるタイミングに気をつける必要があります。鍋が沸騰している状態で加えると、ルウが煮汁に溶ける前にでんぷんの糊化が進んでしまうため、ダマになりとろみがつかない場合があります。
加える際は沸騰が収まった状態で入れ、溶けきってから再び火にかけて煮込むようにしましょう。
ふたをしたまま煮込んでいる
カレーを作るとき、鍋にふたをしたまま煮込んでいませんか。基本的にカレーはふたをしなくても問題ありません。ふたをして煮込むと水分の蒸発量が少なくなり、とろみがつかないことがあります。
ふたをすることで熱を逃さず短時間で仕上がるという利点もありますが、煮込むときはふたを少しずらすか、あらかじめ加える水の量を減らしてみましょう。
煮込む時間が足りない
野菜や肉に火が通っているからといって、ルウを入れて煮込まずに調理を終えている場合も注意が必要です。溶けたルウに熱が加わることでとろみが生まれるため、ルウを加えた後はしっかりと煮込むことが大切です。
煮込む時間はパッケージに記載されている時間を守るようにしましょう。ルウを入れたのにとろみがつかないことから分量以上のルウを追加しないように気をつけてください。
アミラーゼを含む調味料を使っている
カレーの隠し味の代表的な調味料といえばはちみつですが、はちみつには「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。このアミラーゼには、カレーのとろみをつきにくくしてしまうという働きがあります。
アミラーゼの働きを止めるには75℃以上の加熱が必要なため、最後の仕上げにアミラーゼを含む調味料を加えると、すでについていたとろみが弱くなってしまう場合があります。
アミラーゼははちみつだけでなく、豆類や味噌などの調味料や人の唾液にも含まれています。隠し味に使う調味料を加えるタイミングや、味見をしたときに口をつけたスプーンを鍋に戻してしまうことで、少しの量であってもカレーのとろみをなくしてしまうことがあるので気をつけましょう。
はちみつなどを入れるときは、ルウの前に加えて20分以上は煮込むようにします。また、味をみるときは小皿に移し、口をつけた食器は鍋に戻さないことが大切です
カレーにとろみを出すための方法
ここでは、カレーにとろみをつけるための方法をご紹介します。
沸騰してから10分以上は煮込む
カレーにとろみをつけるためには煮込む時間が大切です。ルウを溶かしきってから軽く沸騰した状態で10分以上、ときどきかき混ぜながら煮込みましょう。
ルウの中の小麦粉に含まれるでんぷんは、60〜65℃以上の加熱でないと糊化が始まりません。一度冷めてしまうと再び糊化するまで時間がかかり、再加熱してもとろみがつかないことがあるので、ルウを加えた後はすぐ火を止めずに10分程度は煮込むようにします。
水溶き小麦粉・片栗粉を加える
鍋にルウを溶かした後、軽く沸騰した状態で10分以上、煮込んでもとろみがつかない場合は水で溶いた小麦粉や片栗粉でとろみをつける方法もあります。
沸騰が収まったところに少しずつ加え、全体に広がるようにゆっくりと混ぜましょう。弱火でしばらく煮込むととろみがついてきます。一度に入れすぎるとダマになってしまうので、少量ずつ加えて調整するようにします。
すりおろしたじゃがいもを加える
水で溶いた小麦粉や片栗粉でとろみをつけるほかに、じゃがいもを使った方法もあります。ルウを溶かして火を止めた状態の鍋に、皮をむいてすりおろしたじゃがいもを汁ごと加えてよく混ぜます。
その後、再び火にかけて弱火で10分以上かき混ぜながら煮込むと、じゃがいもに含まれるでんぷんが糊化することによってとろみがつきます。じゃがいもの量はカレーの状態によって異なるため、様子を見ながら調整してください。
チーズやバナナを使う
この方法は、チーズやバナナなど粘度のある食材を加えることでとろみをつけるというものです。小麦粉や片栗粉、じゃがいもとは違ってどちらも味がしっかりとある食材です。入れすぎると甘くなったり塩辛くなったりするなど味が変わってしまう可能性があるので、少しだけ足すくらいに留めておきましょう。
DELISH KITCHENのカレーレシピ
最後におすすめのカレーのレシピをご紹介します。
基本のポークカレー
豚肉を使った基本的なポークカレーです。具材を切って炒めて煮込むだけでできるので、献立に迷ったときにもおすすめです。隠し味にソースとケチャップを入れることで深い味わいに仕上がります。
基本のビーフカレー
定番の牛肉を使った基本のビーフカレーです。牛肉は薄切り肉を使うことで煮込み時間を短縮できます。あめ色の玉ねぎの甘味、赤ワインの渋みや酸味が複雑な味わいの本格的なカレーです。
シーフードカレー
いつもと違ったカレーが食べたいときにおすすめのシーフードカレーです。魚介の旨味がきいており、肉を使ったカレーとは異なる魅力があります。ほかの野菜やきのこを足してもおいしく仕上がります。
カレーにとろみがつかない原因はいくつかある
カレーのとろみは、ルウに含まれているでんぷんが加熱されることで生まれます。とろみがつかない原因はいくつかあり、具材に使う食材やルウを入れるタイミング、煮込み時間などが関係しています。また、仕上げにアミラーゼを含む調味料を加えることでもとろみはつきにくくなります。
とろをつけるには、ルウを溶かした後に10分以上は煮込むことが大切です。それでもとろみが足りない場合は、ご紹介した方法を参考にしましょう。