ポタージュとは?スープとの違い知っていますか?
作成日: 2020/05/25
とろとろの食感がおいしいポタージュ。じゃがいもから作るヴィシソワーズや、鮮やかな黄色が目にも美しいかぼちゃのポタージュなど、野菜を楽しむことができる料理です。しかし、ポタージュとスープ、シチューの違いについて説明することができますか。
こちらの記事ではポタージュの特徴や、スープ、シチューとの違いについて解説します。
ポタージュとは?
「ポタージュ(potage)」とは、フランス語でブイヨンスープ全般を指します。
フランス語の「pot」には「鍋」という意味があり、「収集する」という意味の「-age」と組み合わせてpotageとなるのです。語源は鍋で食材を煮込んでブイヨンを作ったことに由来します。そのため、フランスではコンソメやヴィシソワーズ、ブイヤベース、ポトフなどはすべてポタージュに分類されます。
特にとろみの強いものは「ポタージュ・リエ(potage lié)」、澄んだものは「ポタージュ・クレール(potage clair)」と呼ばれています。「リエ(lié)には「つなぐ」という意味があり、ブイヨンのベースに米や小麦粉、卵黄などをつなぎとして加えた濃厚なポタージュです。一方、澄んだスープのコンソメはポタージュ・クレールの一種となります。
一般的に、日本では食材をミキサーにかけたとろみのあるスープのことを「ポタージュスープ」と呼びますが、フランス語では「スープスープ」となり間違った使い方となるようです。日本でいうところのポタージュは、玉ねぎをベースにさまざまな野菜を加えて煮込み、ミキサーにかけてとろとろのスープに仕上げます。
ポタージュスープの定番といえば、じゃがいもを使ったヴィシソワーズではないでしょうか。冷製スープのヴィシソワーズですが、寒い季節には温めて食べるのもおいしい人気の料理です。
ヴィシソワーズの作り方は、まずバターを熱した鍋で玉ねぎ、じゃがいもを炒め水を加えて煮込みます。じゃがいもがやわらかくなったらミキサーで撹拌し、さらに牛乳を加えて塩で味を調えたら完成です。
また、かぼちゃのポタージュやにんじんのポタージュなど、素材を変えさまざまなアレンジをして楽しむことができます。
ポタージュと「スープ」、「シチュー」との違いは?
ここでは、ポタージュとよく似ているスープやシチューとの違いについて見ていきましょう。
日本ではスープの中の一種がポタージュとされ、特に具材をミキサーなどで撹拌した濃度の高いものを指します。
フランス料理においては汁物全般のことをポタージュと呼びます。
イギリスでは「スープ(soup)」とポタージュの明確な区別がありません。英語では鍋のことを「ポット(pot)」と呼ぶことから、イギリスでは15世紀頃から鍋で複数の食材を煮ただしのことをポタージュと呼ぶようになったといいます。ちなみに、スープとはもともと煮込み料理やワイン、果実酒などにパンを浸しふやかして食べる料理のことを指していました。
一方、「シチュー(stew)」とは、肉や魚介類、野菜などをソースやだしで煮込んだ料理です。
ポタージュとシチューの違いは曖昧ですが、シチューは大きく分類するとスープの一種とされています。中でも食材を大きめにカットして煮込み、具として楽しむものをシチューとするようです。シチューは英語ですが、その語源となったのはフランス語の「エテュベ(éstuver)」だといわれています。これは「煮込む」「蒸し焼きにする」という意味の言葉で、シチューにはルウでとろみをつけているのも特徴です。
ポタージュのDELISH KITCHENレシピ
さまざまな野菜で作って楽しめるポタージュ
普段何気なく口にしていたポタージュに、さまざまな種類があることを知らなかった人は意外と多いのではないでしょうか。国によって定義や語源が異なるのですね。野菜をたっぷりと食べられるポタージュスープを家庭でも作って、季節ごとの野菜を楽しんでみてはいかがでしょうか。