かりんとは?かりん酒やシロップ漬けのレシピなどもご紹介
作成日: 2022/04/05
更新日: 2022/04/18
のど飴やはちみつ漬けでよく食べられているかりんですが、生では食べられないのかなど気になっている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、見た目の特徴や味も踏まえてかりんについて解説します。かりんを使用したおすすめのレシピもご紹介しますので、かりんが手に入ったらぜひ参考にしてみてください。
かりんとは
かりんとは、バラ科カリン属の果物のことです。漢字では「花梨」と書かれるように、美しい花を咲かせた後、梨に似た実をつけることから名前がつけられています。「豊麗」や「優雅」といった花言葉があるのも特徴です。
果物ですが、生のままだと非常にかたく、渋いため食べることはできません。香りを楽しんだり、のど飴やかりん酒などの薬用として用いたり、ジュースやジャムに加工したりして使用します。
かりんの旬・産地
かりんは日本全国に分布している果物のため、収穫される時期が長いのも特徴です。実全体がきれいな黄色に色付き、香りが立ってきたら食べごろのサイン。10〜12月頃に旬を迎えます。
全国で生産されていますが、香川県、愛媛県、山形県が主な産地となっています。
かりんの特徴
かりんの大きな特徴は、独特の芳しい香りです。のど飴やジュース、かりん酒などでは、かりんの香りを活かして加工されています。
かりんの実はパパイヤや洋梨のように縦長の形で、350〜500g程の大きさです。表皮は明るい黄色で、熟した実はつるっとしているのが特徴です。
中心部には種があるため、縦に5本空洞があります。薄い黄色から橙黄色の果肉は生のままだと渋く、繊維質がかたいため口に残ってしまうので、生では食べられません。
マルメロとの違い
かりんとよく似た果物に、マルメロがあります。かりんと同じくマルメロもバラ科の落葉小高木ですが、かりんはカリン属、マルメロはマルメロ属に属している植物です。
かりんは果皮がつるんとしていますが、マルメロは果皮に短いうぶ毛が生えているのが両者の大きな違いといえます。また、かりんが縦長ですっきりとした形であるのに対して、マルメロは少しごつごつしているのが特徴です。
かりんに含まれている栄養素
ここからはかりんに含まれている栄養素についてご紹介します。生のかりん100gに含まれている栄養素は以下の通りです。
・カロリー58kcal
・たんぱく質0.4g
・脂質0.1g
・糖質9.4g
・カリウム270mg
・βカロテン38μg
・ビタミンC 25mg
・食物繊維8.9g
各栄養素の働き
ここからは、かりんに含まれている各栄養素の働きについて解説していきます。
カリウム
カリウムは人体の機能維持に欠かせないミネラルの一種です。主に、体内で浸透圧の調整に働きかけます。体内のナトリウムの排出に働きかける作用があるため、塩分のとりすぎに対し、調節してくれるのが特徴です。
βカロテン
β-カロテンは、強い抗酸化作用があることで知られています。体内でビタミンAに変換されて作用するのが特徴です。
ビタミンC
ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつです。体内でコラーゲンの生成に働きかける以外にも、抗酸化ビタミンとして機能しています。
食物繊維
食物繊維とは食べ物の中に含まれている、人の消化酵素で消化することのできない難消化成分の総称です。整腸作用など、体内で有用な働きをすることが注目されており「第6の栄養素」と言われています。
美味しいかりんの選び方
美味しいかりんは果皮が黄色く色付いているのが特徴です。他にも、実が熟すとフルーティーな芳香を感じられるので、香りにも注目して選んでみてください。
果皮につやがあり、傷や小さな穴がないきれいなものが美味しいかりんです。ふっくらとした形で、持った時にずっしりとしているものがおすすめですよ。
果皮が黄緑色のものはまだ未熟なので、追熟させてから食べるようにしましょう。常温の風通しがよい場所に置いておくと、追熟させることができます。
かりんの下処理方法
かりんの下処理方法については、下記の動画で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
かりんの保存方法
かりんは、冷蔵庫で保存する必要はありません。熟したかりんの場合は冷暗所で保存し、未熟な緑色のかりんは常温で追熟させましょう。
また、果実酒やシロップ漬けに加工することで、長期保存も可能です。
かりんを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからはかりんを使ったDELISH KITCHENのレシピをご紹介します。ご紹介するレシピの中には、アルコールを含む飲料もあります。未成年の方の飲酒は法律で禁止されていますので、注意してください。
・カリン酒の作り方
かりんの芳香を楽しめるかりん酒のレシピです。熟している実は香りが強いので、熟したかりんを使用しましょう。
・かりんシロップ
紅茶に入れたり、お湯で割ったりして楽しめるかりんシロップのレシピです。下ごしらえを丁寧に行うことで、澄んだ茜色に仕上がります。
・かりんジャム
生ではかたくて食べられない実を、ジャムにして楽しんでみてはいかがでしょうか。しゃりしゃりとした食感はパンにつけたり、ヨーグルトと一緒に食べたりと幅広く楽しめます。
・かりんコンポート
かりんの甘酸っぱさを存分に楽しめるかりんコンポートのレシピです。かりん独特の香りと甘酸っぱさでさっぱりといただけます。
・かりんのはちみつ漬け
甘酸っぱさがたまらない、かりんのはちみつ漬けのレシピです。そのまま食べるのはもちろん、飲み物と混ぜたり、お菓子に使ったりしても楽しめますよ。
加工すればさまざまな楽しみ方ができる
かりんは実がかたいので生では食べられませんが、加工することでさまざまな食べ方が可能です。また、芳しい香りもかりんの魅力なので、ぜひ香りをお楽しみください。
かりんは秋から冬にかけてが旬です。今回ご紹介したレシピを参考に、かりんをさまざまな食べ方で楽しんでみてはいかがでしょうか。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」(2022/04/05)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カロテノイド」(2022/04/05)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「ビタミンC」(2022/04/05)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」(2022/04/05)