お盆にお供えする料理とは?ご家庭で作れるレシピもご紹介
作成日: 2022/06/17
更新日: 2022/06/18
お盆の時期になると、どんな料理を作ろうかと悩む方も多いのではないでしょうか。そもそも、お盆の由来や一般的にどんな料理が食べられているのかについて、知っていますか?
この記事では、お盆における日本の伝統と、お盆に食べられる「精進料理」が持つ意味について解説します。また、ご家庭で手軽に作れるレシピも併せてご紹介します。
お盆について
お盆の主な伝統や風習、由来について見ていきましょう。
お盆とは
お盆とは、日本に古くから伝わる風習の一つで、年に一度この世に帰ってくるご先祖様や故人をお迎えする夏の行事のことです。お供物をして、再び戻っていくあの世での幸せを祈る機会でもあり、日本古来の先霊信仰と仏教が結びついてできたものです。
全国的には8月13日から16日がお盆の期間とされていますが、地域によって異なる場合も多く、東京などの都心部では7月13日から16日の間で行われるのが一般的です。
故人が亡くなって四十九日の忌明け後、初めて迎えるお盆を「新盆(にいぼん)」とも言います。
お盆の由来
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」や「盂蘭盆(うらぼん)」と言います。これはインドのサンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」からきていると言われています。
ある時お釈迦様の弟子の一人が、神通力で母親が地獄で逆さ吊りにされて苦しんでいることを知りました。そのことをお釈迦様に相談したところ、「7月15日に心から供養すれば、苦しみから救えるだろう」と伝えられたことが始まりとされています。
お盆は仏教行事の一つで、始めは宮中の行事として行われていましたが、鎌倉時代頃から一般的な家庭にも広がっていき、今でも残る日本の伝統の一つとなりました。
お盆に食べる精進料理
一般的に、お盆に食べる料理と言えば「精進料理」を指します。精進料理は、僧侶特有の食事で、動物性の食材やにおいの強い食材を使わないという特徴があります。主に季節の野菜や、山菜、海藻、穀類などを使って作ります。
お盆は、ご先祖様と共に生きてきた動物たちや生き物に感謝をするという期間でもあります。また、仏教の教えの一つでもある「五戒(ごかい)」の中には、動物や生き物の殺生を禁じる内容が含まれることから、霊を供養し感謝する意味も込めて精進料理を食べるようになりました。
定番のお盆のお供え料理
お盆の定番のお供え料理とレシピをいくつかご紹介します。
そうめん
夏の食べ物の代表でもあるそうめんは、元々は手に入りづらい上等品であったため、特別なものとしてお盆の料理に取り入れられるようになりました。
また、あの世へとまた戻っていく際の精霊馬の荷物をくくる縄として、さらに身内の健康や安全を祈るために食べられるようになったなどの言い伝えもあります。
DELISH KITCHENのそうめんのレシピ
茹でたそうめんをつゆに付けて食べる、シンプルなそうめんの定番レシピです。そうめんは、沸騰しているたっぷりのお湯の中で対流させながら茹でることと、茹であがったら冷水でぬめりを取るようにしっかり洗うことがポイント。お好みで大葉やみょうがなどの薬味を乗せて食べるのもおすすめです。
精霊馬(きゅうりとなす)
精霊馬とは、きゅうりやなすなどを使って作るお供物です。それぞれに割り箸を指して、きゅうりを馬に、なすを牛に見立て、精霊棚に飾りとしてお供えをします。
足が早い馬は「早く帰ってきてください」という意味で、ゆっくり歩く牛には「ゆっくりあの世へ帰ってください」という意味が込められています。
迎え団子・送り団子
迎え団子とは、ご先祖様をお迎えするためにお供えする団子のことです。あん団子やみたらし団子など、味を付けた団子で帰ってくるまでの道中の疲れが癒えるようにという意味が込められています。
一方送り団子は、あの世に戻る際のお土産としての役割があるため、一般的には白い団子をお供えします。
DELISH KITCHENのみたらし団子のレシピ
和菓子の定番でもあるみたらし団子を、ご家庭にもある調味料で手軽に作れるレシピです。上新粉と白玉粉を同量ずつ混ぜることで、程よい弾力ともちもち感がある団子に仕上がります。団子にしっかり絡むように、とろみがついた甘じょっぱいタレがくせになる美味しさです。
天ぷら
信州や東北地方では、お盆に天ぷらをお供えする風習があります。お供えする精進料理ではたくさんの野菜を使うため、野菜中心の天ぷらを家族や親戚に振る舞ったことが由来とも言われています。そうめんと一緒に食べるという地域もあります。
DELISH KITCHENの天ぷらのレシピ
DELISH KITCHENの天ぷらのレシピは、以下のページでご紹介しています。基本の天ぷらや野菜の天ぷら、キスの天ぷらや、それぞれのレシピでのポイントもご紹介しているので、参考にしてください。
おはぎ
おはぎに使われる小豆には、魔除けの効果があると言われています。また、同じくおはぎに使われるもち米には、「五穀豊穣(ごごくほうじょう)」という農作物が豊作になることを願う意味があると言われています。
おはぎは仏壇にお供えをしたあとに、ご先祖様へ感謝をしながら美味しく食べるのが良いとされています。
DELISH KITCHENのおはぎのレシピ
炊飯器で炊いて作る、おはぎのレシピです。米ともち米を炊く時に、少量の塩を入れることで、あんことの馴染みが良くなりより甘さを感じられるようになります。炊きたてのご飯から手作りするおはぎは、絶妙なモチモチ感と程よい甘さが口の中に広がり絶品です。
お盆には気持ちの込もった料理とお供物で♪
お盆というと、年に一度改めてご先祖様や故人を想う夏の風物詩の一つ。日本においては、古くからの伝統や風習があり、様々な意味合いを持つ精進料理やお供物を用意するのが一般的です。
精進料理の意味やそれぞれのお供え物に込められた思いを知ることで、お盆の期間をより充実した意味のあるイベントとして過ごしていけそうですね。ご紹介した定番の料理やレシピも、ぜひ参考にしてください。