モンブランの意味とは?由来や発祥を徹底解説
作成日: 2023/03/29
栗の濃厚な味わいを楽しめるモンブラン。ケーキの定番商品であり、日本でもなじみ深い洋菓子です。しかし、モンブランの名前の由来や意味を知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、モンブランの意味や、名前の由来・発祥について詳しく解説していきます。また、合わせてフランスとイタリア、日本のモンブランの違いや、DELISH KITCHENのモンブランレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「モンブラン」の由来
「モンブラン=栗のケーキ」と単純に思っている人も少なくありませんが、実はモンブランは実際にある山の名前から名づけられたケーキです。
モンブランはフランス語で「Mont=山」「Blanc=白い」で、「白い山」という意味になります。
モンブランの正式名称はフランス語で「Mont Blanc aux marrons(モン・ブラン・オー・マロン)」で、「栗を使った白い山」という意味です。実際にフランスとイタリアの国境には、「モンブラン(Mont Blanc)」と呼ばれる山があり、これがモンブランの名前の由来となっています。
モンブランは、モンブラン山周辺にあるフランスのサヴォア地域と、イタリアのピエモンテ地域で生まれました。もともとは「モンブラン」「モンテビアンコ」という名前で、生クリームにマロングラッセのペーストを添えただけのお菓子だと伝えられています。
その後、モンブランの山に見立てたフォルムに発展し、現在の「モンブラン」になったとされています。
日本のモンブラン
フランスとイタリアで生まれたお菓子であるモンブランが日本で広まったのは、ある2つのきっかけがあるとされています。ここからは、日本にモンブランを広めたとされる洋菓子店を2店舗ご紹介します。
東京・自由が丘にある洋菓子店「モンブラン」
東京都の自由が丘にある「モンブラン」という1933年創業の老舗菓子店は、日本の黄色いモンブランの発祥とされています。黄色いモンブランが生まれたきっかけは、創業者である「迫田千万億(さこた ちまお)」さんが、1933年に登山のためにフランス東部を訪れたことです。
迫田さんはフランスへ旅行に行った際に、実際のモンブラン峰とマロンケーキに感銘を受け、自分の店に「モンブラン」と名前をつけました。
迫田さんが食べたマロンケーキは茶色いものだったそうですが、日本人の馴染み深い栗の甘露煮からマロンペーストを作ったことで、黄色いモンブランが誕生したといわれています。
「モンブラン」店で販売されているモンブランは、黄色いマロンペーストの上に、降り積もった雪を表現した白いシャンティクリームが絞られているのが特徴です。現在でもお店の定番商品として販売されているので、気になる方はぜひ食べてみてください。
パリの老舗カフェ「アンジェリーナ」の銀座出店
モンブランが日本に広まったもう1つのきっかけが、パリの老舗カフェである「アンジェリーナ」が1984年に日本に出店したことです。
これまで日本で食べられていたモンブランは、栗の甘露煮を使った黄色いペーストのものでした。しかし、アンジェリーナで販売されたのは茶色いペーストのモンブランだったことが注目を浴び、看板メニューになったのです。
すでに日本で浸透していた黄色いモンブランとは違った味わいが人気に火をつけ、日本中に広まったと考えられています。
フランス・イタリア・日本のモンブランの違い
フランス・イタリア・日本で食べられているモンブランは、それぞれ少しずつ形や色、味などに異なる特徴があります。
ここからは、フランス・イタリア・日本それぞれのモンブランの特徴について解説していきます。
フランスのモンブラン
フランスのモンブランは、栗本来の茶色いペーストが特徴です。メレンゲの上に生クリームをのせ、マロンペーストを麵のように絞り込んで作られています。
形は日本のモンブランと大きく変わらず、なだらかな丸い形をしているのが特徴です。これは、フランス側からみた「モンブラン山」が比較的丸みを帯びたなだらかな形をしているためといわれています。
イタリアのモンブラン
イタリアのモンブランも、フランスのモンブランと同様栗本来の茶色いペーストが使用されています。フランスのモンブランと異なるのは、その形です。
イタリアのモンブランはスポンジなどで作った土台に栗のペーストを絞り込み、その上からホイップクリームをのせてとがらせているのが特徴です。これはイタリアからみた「モンブラン山」が、崖が多く急斜の激しい形をしているのが理由とされています。
日本のモンブラン
先述した通り、日本のモンブランがフランス・イタリアと大きく異なるのはペーストの「色」です。これは、栗の甘露煮を使用してペーストを作っているため、黄色いモンブランに仕上がります。
その他にも、日本のモンブランはマロンペーストの絞り口金が、ヨーロッパのものより細いとされているのも特徴です。日本で洋菓子用の広い口金が広まる前に、和菓子用の細い絞り口金でモンブランを作ったためだといわれています。
DELISH KITCHENのモンブランのレシピ
ここからは、DELISH KITCHENのモンブランのレシピをご紹介します。
モンブラン
甘栗を使用する、本格モンブランのレシピです。マロンクリームにラム酒を加えることで、奥深い大人の味わいに仕上がります。工程は多いですが、材料は身近にあるもので作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
モンブランタルト
サクサク香ばしいタルト生地に、濃厚なモンブランクリームをたっぷりのせた贅沢なタルトレシピです。アーモンドクリームとモンブランクリームがマッチし、濃厚な味わいを楽しめますよ。
モンブランプリン
モンブランとプリンを同時に楽しめる贅沢デザートレシピです。どこか懐かしい味わいのプリンと、濃厚なマロンクリームは相性も抜群でとろける美味しさです。マロンクリームは甘栗を使うことで、お手軽に作れます。
生チョコモンブラン
栗を使わず、チョコで作るモンブランのレシピです。口に入れた瞬間、チョコのほどけるような甘さを楽しめるケーキは、バレンタインにもぴったり。少ない材料で簡単に作れるのも嬉しいポイントです。
モンブランは山から名づけられたお菓子だった
栗の濃厚な味わいを楽しめるモンブランはもともとフランスとイタリアの国境にある「モンブラン山」が由来のお菓子です。現在では定番の茶色いペーストのモンブランをはじめ、栗の甘露煮を使用した黄色いモンブランや、かぼちゃやチョコなどのモンブランなど、さまざまな味わいを楽しめるお菓子となりました。
何気なく食べていたモンブランも、その由来や歴史を知ればさらに楽しめますね。今回ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでもモンブランを楽しんでみてください。