はたはたとはどんな魚?食べ方やおすすめレシピもご紹介
作成日: 2022/01/24
更新日: 2022/05/09
はたはたという名前を聞いたことがあるでしょうか。はたはたは、秋田県などの日本海側でよく食べられている魚のひとつですが、見たことがないという方もいるかもしれません。
この記事では、はたはたについて特徴や名前の由来、おすすめの食べ方などをご紹介します。
はたはたについて
はたはたとは、どのような魚なのでしょうか。
はたはたとは
はたはたは、スズキ目カジカ亜目ハタハタ科の深海魚で、うろこや浮袋がないのが大きな特徴です。体長は15〜20cmの手のひらくらいの大きさで、腹と背のあたりが出っ張っています。背の部分には「斑斑(はんぱん)」といった、まだら模様があります。
はたはたの名前の由来
はたはたはおもに、秋田県や新潟県などの北日本各地での呼び名です。冬に海が荒れて雷が鳴るような天候のときに獲れることが多いことから、別名「カミナリウオ」とも呼ばれています。
現代の雷の鳴る擬音語「ゴロゴロ」が、古語だと「はたたく」と表現され、これがはたはたという名前の由来といわれています。漢字では「鰰」と表し、これは雷の古語である「はたたがみ」が由来となっているようです。
はたはたの旬・産地
日本海側で獲れるはたはたは、産地ごとに旬の時期が異なります。鳥取県などの山陰地方では9月から翌年5月あたりまで、秋田県は11月末から1月頃、北海道は11月から2月頃が旬といわれています。
はたはたの味
はたはたはたんぱくな味わいですが甘味があり、ご飯のおかずやおつまみにしてもおいしく食べられます。生臭さなどのくせもないため、塩焼きや煮付け、鍋などさまざまな料理に合わせやすいでしょう。
メスのはたはたには卵がついており、ひとつひとつの粒がしっかりとしていて食べごたえがあります。プチプチと口の中ではじける食感に加えてネバネバとしているのが、ほかの魚卵と異なる大きな特徴です。
はたはたの食べ方とDELISH KITCHENのレシピ
はたはたの食べ方やレシピをご紹介します。はたはたは冬から春の寒い時期においしく食べられる魚です。
【寿司】
秋田県には「はたはた寿司」という郷土料理もあります。はたはたを長時間熟成させ、にんじん、しょうが、米麹と一緒に漬け込みます。
はたはた寿司は、郷土食だけではなく保存食としても重宝されている料理です。子持ちのはたはたを使用したものもあり、プチプチとした卵の食感がたまりません。
【焼き物】
はたはたをシンプルに味わうには塩焼きがおすすめです。塩焼きにするときは内臓を取り除きます。ただし卵つきのメスの場合は、内臓を取るときに卵も一緒に取れてしまうので、内臓は取らずにそのまま塩を振って焼くほうがよいでしょう。
塩は腹やヒレの部分に強めに振ることで旨味を逃さず、ヒレも焦げずに見た目もきれいに仕上がります。
【揚げ物】
はたはたを揚げると外はカリカリ、中の身はふっくらと仕上がります。
ハタハタの唐揚げ
はたはたにしっかりと下味を付けて唐揚げにします。れんこんも一緒に揚げて食感の違いを楽しみましょう。ご飯にもお酒にも相性抜群です。
ハタハタの南蛮漬け
香ばしく揚がったはたはたを、たっぷりの野菜と一緒に南蛮酢で漬けます。はたはたは熱いうちに漬けるのがポイントです。揚げ物が苦手でもさっぱりと食べられるでしょう。
【鍋】
寒い時期にぴったりの鍋料理をご紹介します。
しょっつる鍋
秋田県の名物である、しょっつるという魚醤を使った秋田の郷土料理です。しょっつるとは、はたはたなどの魚に塩を加え熟成させたもので、しょうゆとはひと味違う独特な風味があります。はたはたを豪快に丸ごと入れるため、鍋スープにもだしが出ていて絶品です。
【汁物】
寒い時期には、汁物ではたはたを楽しむのもよいでしょう。
ハタハタと豆腐のすまし汁
身に甘味があるはたはたは、すまし汁にもぴったりです。旨味を楽しむためにも、ほかの具材はたんぱくな味わいのものにしましょう。はたはたから出るだしがたまらないおいしさです。
【ご飯】
はたはたの旨味をご飯と一緒に味わえるレシピをご紹介します。
ハタハタの炊き込みごはん
はたはたの干物を具材にした炊き込みご飯です。干物はより旨味が凝縮されているので炊き込みご飯にはぴったりです。ごま油やのりの風味がきいていて香りのよい一品です。
旬の時期にはたはたを味わってみよう
はたはたはスズキ目カジカ亜目ハタハタ科の深海魚で、手のひらくらいの大きさの魚です。くせのないたんぱくな味わいと甘味があり、子持ちのはたはたの場合はしっかりとした粒のプチプチした食感も楽しめます。
焼き物や揚げ物のほか、鍋や汁物などさまざまな料理に使うことができます。寒い時期に旬を迎えるので、見かけたらぜひご家庭でも味わってはいかがでしょうか。