メカブの魅力とは?美味しい食べ方やおすすめレシピもご紹介
作成日: 2022/04/20
パックに入った状態で売られていることが多いメカブですが、季節によっては生の状態で購入できることもあるのをご存じでしょうか。
この記事ではメカブの種類や含まれる栄養素を解説していきます。食感や味わいを活かしたおいしい食べ方やおすすめのレシピもご紹介するので参考にしてください。
メカブとは
メカブとはわかめの根元部分にあたり、生殖細胞が集まっている成実葉や胞子葉などの部分のことを指します。つまり、形状や味わいは異なりますがわかめとメカブは同じ食材といえます。
地域によっては「ネカブ」「ミミ」「カブ」「メヒビ」と呼ばれることもあり、主に宮城県、岩手県、徳島県などで収穫され、3~4月に旬を迎えます。同じように身近な存在の海藻といえばもずくも身近な存在ですよね。もずくとの栄養の違いは下記の記事で紹介しています。
メカブの種類
ここでは生・乾燥。パック詰めと売られている状態に分けてメカブの種類と特徴をご紹介していきます。
生メカブ
生のメカブはパック詰めされているものではない採れたての状態で売られているメカブです。何の加工も施しておらず、湯通しすることで茶色から鮮やかな緑色に変化します。パック詰めとは異なるコリコリ食感と磯の香りが特徴です。
乾燥メカブ
乾燥メカブはメカブを乾燥処理したもので水やお湯でもどして使います。生の状態と比べて日持ちし、必要な分だけ使うことができるのでとても便利です。
パック詰めメカブ
パック詰めメカブはメカブをそのまま食べられるよう加工されたメカブです。調味が必要ないのでそのまま食べることはもちろん、料理にも使うことができます。
メカブに含まれている栄養素
では、メカブにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
メカブわかめ/生 100gに含まれている栄養素は以下の通りです。
・カロリー 14kcal
・糖質 0g
・カリウム 88mg
・カルシウム 77mg
・マグネシウム 61mg
・ヨウ素 390μg
・βカロテン 240μg
・ビタミンK 40μg
・葉酸 36μg
・食物繊維 3.4g
メカブに含まれている各栄養素の働き
ここではメカブに含まれている各栄養素の働きをご紹介します。
カリウム
カリウムは人の体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調整に働きます。体内のナトリウムの排出を手助けする作用があるため、塩分の取りすぎを調節してくれます。
カルシウム
カルシウムは人の体に最も多く含まれるミネラルです。体重の1~2%を占め、その99%は骨や歯に存在し残りの1%は血液や組織液、細胞に含まれています。
マグネシウム
マグネシウムはリンやカルシウムとともに骨の形成や筋肉の収縮、神経情報の伝達など体内のさまざまな代謝を助けるミネラルの一種です。人体に必要なミネラルの一種で、体温や血圧の調整にも役立ちます。
ヨウ素
ヨウ素は体内で甲状腺ホルモンを作るために必須の栄養素です。甲状腺ホルモンは体の代謝をはじめとするさまざまな機能の調節を行っています。乳児の成長や妊娠期・授乳期には甲状腺ホルモンが特に重要なので、ヨウ素を摂取することが大切です。
βカロテン
βカロテンは動植物に広く存在する黄色または赤色の色素のことを指します。体内でビタミンAに変わる性質を持ち、活性酸素の発生を抑え取り除く強い抗酸化作用があることで知られています。
ビタミンK
ビタミンKは肝臓で血液を凝固させる因子を活性化することで血液の凝固を促進する働きがあります。骨折を予防するためにも大切で特に高齢者の方には意識した摂取が必要になる場合もありますが、通常の食生活ではビタミンK欠乏症は発症しないと考えられています。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。細胞増殖に必要なDNAの合成や赤血球の合成に関与しているため、男女ともすべての世代の人にとって重要な栄養素です。
食物繊維
食物繊維は食べ物の中に含まれ人の消化酵素で消化することのできない栄養素です。整腸作用のほか、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して体の外に排出するなど身体の中で有用な働きをすることが注目され、「第6の栄養素」と言われています。
生メカブの選び方
生のメカブを選ぶ際には色とヒダに注目しましょう。ヒダが大きく光沢があるもの、色は濃い茶色のものを選びましょう。色が濃いと、湯通ししたときに鮮やかな緑色になりますよ。
メカブの下処理
メカブの下処理方法についてはこちらを参考にしてください。
生メカブの下処理
メカブの保存方法
メカブは基本的に日持ちしないので生のものは早めに使い切るか冷凍することをおすすめします。茹でて刻んでおくと使い勝手がよいですよ。ここからはメカブの冷凍保存方法をご紹介します。
・方法1:そのまま保存する
まずは生のメカブを何も加工せずに冷凍保存する方法です。生のメカブを洗いチャック付きの保存袋に入れ、空気をできるだけ抜いてから封をして冷凍します。使いたい時は解凍してから好みの大きさに切り、湯通しして食べましょう。
・方法2:ゆでてから冷凍する
次にご紹介するのは熱湯でゆでてから冷凍する方法です。生のメカブを好みの大きさに切ってゆで、粗熱がとれたら水分を切ってチャック付き保存袋へ入れて空気をできるだけ抜いて冷凍します。ゆですぎるときれいな色が出ないので緑色になったらすぐにお湯から上げ、氷水で冷やしましょう。解凍するだけで食べられるので便利ですよ。
・方法3:とろろメカブにしてから冷凍する
最後にご紹介するのはとろろメカブにしてから保存容器に入れて冷凍する方法です。細かく切ったメカブは熱湯で色が変わるまで茹でてから水気をよく切り、粗熱をとった後に包丁でさらに細かく叩きます。そのまま保存容器へ入れて冷凍しておけば、解凍後すぐに食べることができますよ。
メカブを使ったDELISH KITCHENのレシピ
つるんとした食感のメカブは味にくせがないので食べやすいですよね。ここではメカブを活用したおすすめのレシピをご紹介します。
ミニトマトとメカブのねばねば冷奴
メカブと納豆を和えて冷やした豆腐にかけた暑い日にもうれしいさっぱりとしたレシピです。彩りにミニトマトを加えることで色鮮やかな見た目になります。豆腐だけではなくご飯や麺類ともよく合いますよ。
メカブとイカの梅肉和え
しゃきとろっとしたメカブとコリコリ食感のイカを梅とめんつゆで和えたレシピのご紹介です。梅のまろやかな酸味でそのまま食べるのはもちろん、ご飯にかけてもおいしくいただけますよ。
メカブの和風オムレツ
メカブと半熟のとろとろ卵の食感を楽しむ手軽にできる和風のオムレツです。混ぜて焼くだけでできるので朝食のメニューにもぴったり。ポン酢しょうゆとかつお節の風味がより和風の味わいを演出してくれますよ。
メカブ納豆の温玉丼
納豆、メカブ、なめたけの3つのねばねばを合わせてご飯にかけるだけの簡単に作れるレシピです。味付きのメカブや納豆のたれを使うので味付けがいらないのもうれしいポイント。半熟卵を絡めてさらっと食べてください。
メカブと油揚げの味噌汁
メカブの旨味と油揚げの味わい深い味噌汁レシピです。程よいとろみとメカブのしゃきっとした食感がおいしいです。メカブは火を通しすぎないことでとろっとした口当たりの良い味噌汁に仕上がりますよ。
生のメカブは色や食感が魅力!旬の時期はぜひ楽しんで
メカブの種類や含まれる栄養素、食感を活かしたおすすめのレシピをご紹介しました。3月~4月の1か月だけ旬を迎える生のメカブはパック詰めとは違った鮮やかな色やコリコリの食感を楽しむことができます。
スーパーなどで見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参照】
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「マグネシウム」(2022/04/20)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』ヨウ素 (2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「カロテノイド」(2022/04)
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書 脂溶性ビタミン (2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」(2022/04/20)