【解説】初めての人でも安心!魚の三枚おろしの方法
作成日: 2023/10/31
更新日: 2023/11/17
丸ごとの魚を買ったときに、魚のさばき方がわからずに困ったという経験がある方も多いのではないでしょうか。魚のさばき方の中でも、基本となるのが三枚おろしです。三枚おろしを覚えれば、刺身やフライなどさまざまな魚料理を楽しむことができますよ。
この記事では、魚の三枚おろしについて解説します。最初は難しいかもしれませんが、慣れれば簡単にできます。ぜひ三枚おろしの方法を覚えてくださいね。
そもそも魚を三枚におろすって?
そもそも魚を三枚におろすとはどういうことなのでしょうか。まずは、魚の三枚おろしについて解説します。
魚の三枚おろしとは
魚の三枚おろしとは魚の頭や内臓、うろこを除いた後に右身・左身・中骨の三つの部分に切り分けることです。
三枚におろすと何がいいの?
魚を三枚におろすと中骨を取り除くことができるので、身の部分だけを調理したいときにおすすめです。丸ごと買った魚を刺身にして食べたい場合は、魚の種類にもよりますが基本は三枚おろしにします。刺身にする場合は血合いを取る、皮を剥がす、小骨を取るなどの処理が必要です。
そのほか三枚おろしにおすすめの調理方法は、フライやムニエルなどもあります。アジ、サバ、サンマ、ブリなどが三枚おろしに向いています。
魚を「開く」とは違う処理?
魚を開くのは、中骨を取り除くまでは三枚おろしと同じです。身を三枚にするのではなく右身と左身がつながったままの一枚の状態にすることを「開く」といいます。うなぎやあなごなどの細長い魚をさばくときに使ったり、干物を作ったりする際に使います。
魚の開きには腹開きと背開きがあります。腹開きとは魚の腹から包丁を入れる方法で、背開きは魚の背から包丁を入れる方法です。
ちなみにおろすとは元々解体するという意味があります。
三枚おろし以外のおろし方もある?
三枚おろし以外にも魚のおろし方はあるのでしょうか。
実は魚のおろし方は色々ある!
魚のおろし方は三枚おろし以外にも種類があります。ここからは、二枚おろしと大名おろしについてご紹介します。
二枚おろし
二枚おろしは魚の頭や内臓、うろこを除いた後に骨がついた身とついていない身に分けることです。三枚おろしと同じぐらいよく使われる処理方法です。骨がついていない方が食べやすいのでは?と思われるかもしれませんが、骨がついたまま調理するメリットもあります。
・メリット①
魚の骨は、加熱することで骨に含まれたエキスが溶け出し、旨味になります。魚の骨が出汁を取るのに使われているように、骨付きの魚は魚のおいしさを引き出すことができるのです。
・メリット②
中骨があることによって身が縮むのを防いでくれます。身崩れしにくいので、焼き魚や煮魚にする場合は二枚おろしにするのがおすすめです。
大名おろし
大名おろしは三枚おろしを簡単にしたおろし方です。三枚おろしは背側と腹側の両方から包丁を入れて三枚におろしますが、大名おろしの場合は背側から包丁を入れて、背と腹を一度に切り離して三枚にします。
このおろし方は三枚おろしよりも簡単なのですが、中骨に身が多く残ってしまいます。三枚おろしよりも贅沢なおろし方ということから大名おろしといわれています。主に小アジ、小イワシ、キスなどの小魚などに使います。
手早く処理できるのがメリット。大量にさばくときにも便利です。
他にも魚のおろし方はありますが、この記事では割愛させていただきます。
魚を三枚におろしてみよう!
前置きが長くなりましたが、いよいよ魚を三枚におろしていきましょう!料理に慣れていない方でも安心してさばけるように画像も加えて解説します。
今回ご紹介する内容は動画でもご覧いただけますので、じっくり見ながらおろしたいという方は動画でもご確認ください。三枚おろしの定番であるアジを使って解説していきます。
まずどんな包丁で捌くといい?
家庭で一般的に使われている三徳包丁でも魚はおろせますが、出刃包丁がおすすめです。出刃包丁は刃が厚く、重量があるので魚をさばくのに適しています。魚の頭や骨も簡単に切ることができますよ。また出刃包丁は片刃なので魚の身がくっつきにくく、きれいにさばくことができます。
ちなみに三徳包丁は野菜、肉、魚などさまざまな食材をそつなく切ることができる包丁です。
手順ごとに解説
それでは、三枚おろしを手順ごとにみていきましょう。
①うろこを取る
アジは頭を左にして腹を手前にしておき(表身)、尾から頭に向かってうろこをこそげとる。
裏側(裏身)のうろこも同様に取る。
【ポイント】
細かいうろこがたくさんあるので背びれの周りなども丁寧にとりましょう
②ぜいごを取る
表身、裏身とも尾から包丁の刃を寝かせて入れ、ぜいごをとる。
【ポイント】
ぜいごとは尾側の側面にあるとげ状のうろこのことです。硬く口当たりが悪いので取り除きましょう。
包丁は上下に大きく動かすと刃が入りやすいです。
③頭を取る
頭を左上、腹を手前にして斜めにおき、胸びれと腹びれの後ろから包丁を少し寝かせて斜めに中骨に当たるまで切る。
裏返し、頭を左下にして斜めにおき、胸びれと腹びれの後ろから包丁を少し寝かせて斜めに中骨に当たるまで切る。
包丁を立てて一度包丁を引いてから中骨を突くように切り、頭を切り離す。
④内蔵を取る
頭の方を右、腹を手前にしておき、腹側から包丁を寝かせて入れ肛門まで切る。内臓をかき出す。
【ポイント】
内臓は傷付けないように切りましょう。
⑤血合いを取る
包丁の先で血合いの膜に切り込みを入れる。
血合いをこそげながら洗い、キッチンペーパーで水気をふきとる。
【ポイント】
血合いとは魚の背身と腹身の間にある赤黒く固まった部分のことです。血合いは苦味の原因になるので取り除きましょう。
⑥裏身を取る
頭の方を右上、腹を手前にして斜めにおき、頭の方から尾に向かって中骨の上を滑らせるように切り込みを入れる。
裏返して頭の方を左下、背を手前にして斜めにおき、背びれの上に包丁を寝かせて入れ、中骨に沿って手前に引くように切る。
包丁の刃を外に向けて尾の付け根に刃先を入れ、身と中骨を切り離す。
包丁の向きを戻し、左手で尾の付け根を持ち、中央の太い骨の上に包丁の刃を沿わせて身を切り離す。
⑦表身を取る
裏返して頭の方を左下、腹を手前にしておく。尾から中骨に沿って切り込みを入れ、裏身と同様に切る。
⑧腹骨と血合い骨を取る
表身、裏身どちらも腹骨側を左におき、腹骨の付け根の右側から包丁を当てて骨を立たせ、浮いた骨に包丁を寝かせて入れ骨だけをすくうように薄くそぎ取る。
⑨最後に細かい小骨を取る
身の中央にある太い骨を骨抜きで抜く。
【ポイント】
抜こうとする血合い骨の付け根の身をつまむようにしておさえながら抜くと上手に抜けます♪
三枚におろした後はどうすればいい?
三枚におろした後の中骨や使い切らない身の部分はどうすればよいのでしょうか。
中骨の使い道
先ほども説明したように骨には旨味がギュッと詰まっているため、味噌汁などの出汁を取るのに使います。コクが深まりいつもとは違う出汁が味わえますよ。また、中骨を揚げて骨せんべいとして食べるのもおすすめです。魚の骨を捨てずに有効活用ができる、エコなおやつです。
骨せんべいのレシピはこちら
中骨に塩を振り、キッチンペーパーで水気をふきとり低温の油でじっくり揚げていきます。最後に高温にすることでカリカリに仕上がりますよ。ぜひお試しください。
使い切らない身の部分は保存する
使い切れなかった身は軽く下処理をした後、保存袋に入れて冷凍室で保存しましょう。食品衛生上、鮮度が良いうちに冷凍保存するようにしてください。保存期間の目安は2〜3週間です。解凍時は冷蔵室に入れて自然解凍します。
詳しい保存方法はこちらの記事をご覧ください。
アジ以外の魚の三枚おろしをご紹介
アジ以外の魚の三枚おろしの方法をご紹介します。
料理の基本!サバの3枚おろし
サバは身が柔らかくてほぐれやすいので、よく切れる包丁を使ってください。血合い骨を抜くときは付け根の身をつまむようにして、抑えながら抜くと上手に抜けますよ。
料理の基本!さんまの3枚おろし
さんまは細長い身なのでおろすのも簡単です。さんまといえば塩焼きが定番ですが、三枚おろしにすれば蒲焼きや竜田揚げなどさまざまな料理で楽しめますよ。
料理の基本!小アジのさばき方
小アジの下処理はぜいごを取り除いてから内臓を取るだけ。内臓は手で取ることができます。骨ごと食べられるので骨を取る手間がありません。南蛮漬けや唐揚げなどでお召し上がりください。
三枚おろしに挑戦してみよう
三枚おろしは魚の頭や内臓、うろこを除いた後に右身・左身・中骨の三つの部分に切り分けます。魚のさばき方は他にも二枚おろしや大名おろしなどもあります。三枚おろしを覚えれば、魚料理の幅が広がりご家庭でも三枚おろしに挑戦してみませんか。