充填豆腐とは?特徴やほかの豆腐との違いを解説
作成日: 2021/09/17
木綿豆腐や絹ごし豆腐など、豆腐にはいくつか種類がありますが、「充填豆腐」がどのような豆腐かご存じですか。
見かけたことがないと思っている人も多いかもしれませんが、もしかすると気が付かないだけで、普段購入している豆腐は充填豆腐かもしれません。
この記事では、充填豆腐の特徴や木綿豆腐、絹ごし豆腐との違いについてご紹介します。
充填豆腐とは
充填豆腐の「充填」の読み方は「じゅうてん」で、「隙間や空いている部分に、ものをつめてふさぐこと」という意味があります。
その言葉通り、充填豆腐のパックには隙間なく豆腐がつまっていて、通常の木綿豆腐や絹ごし豆腐のように水は張られていません。
分かりやすいのは、コンパクトサイズの豆腐が3個パックで販売されているタイプのものです。確かに、3個パックの豆腐には水が張られていませんよね。
また、充填豆腐の場合は、名称欄に「充填豆腐」や「充填絹豆腐」と記載されています。
判別しにくい場合は、水の有無や名称欄を確認してみましょう。
充填豆腐は柔らかく、絹ごし豆腐のようになめらかな食感が特徴です。
そして、一般的な木綿豆腐や絹ごし豆腐とは、作り方や賞味期限が異なります。
充填豆腐の作り方
充填豆腐は、冷やした豆乳と凝固剤を一緒にパックに充填(注入)し、密封してから加熱をして固めます。
ちなみに、冷やした豆乳を使う理由は、温かい豆乳を使うと固まりやすくなり、充填しにくくなってしまうからです。
戦後に機械化が発展したことでこの製法が誕生し、豆腐を大量生産できるようになりました。その結果、豆腐を手頃な価格で購入できるようになったのです。
充填豆腐の賞味期限
一般的な豆腐は冷蔵保存で賞味期限が数日程度なのに対して、充填豆腐は長期保存が可能です。
冷蔵庫で保存が必要になるのは一般的な豆腐と同じですが、充填豆腐のなかには10カ月以上保存が可能なものも。
長期保存が可能な理由は製造方法にあります。
充填豆腐は豆乳と凝固剤を直接パックに充填したら、そのまま密封してしまうため空気や水に触れないうえに、パックごと加熱して固めることで加熱殺菌が行われるからです。
実は、この作り方の手順は、缶詰とほとんど同じなんですよ。
なお、こちらのページでは豆腐の賞味期限について解説しているのでチェックしてみてください。
充填豆腐の保存方法
充填豆腐もほかの豆腐と同じように保存することができます。
ただし、豆腐は基本的にパックのまま保存するのが望ましく、賞味期限内に食べきることが前提です。
こちらの保存方法は、もしも使い切れずに残ってしまった場合の保存方法になります。残ってしまった豆腐も、なるべく早く食べきりましょう。
詳しくは、こちらのページでご紹介しています。
ほかの豆腐との違い
充填豆腐は、木綿豆腐や絹ごし豆腐と何が違うのでしょうか。
また、作り方が少し違う木綿豆腐と絹ごし豆腐は、栄養の違いも気になりますよね。
こちらのページでは、豆腐の栄養について解説しています。
木綿豆腐
木綿豆腐の歴史は古く、平安時代末期に奈良春日大社の神主が書いた日記にはすでに、神様に豆腐(唐符)をお供えしたことが書かれているのだとか。
木綿豆腐は加熱した豆乳に凝固剤を加え、しばらく置いて固まったら1度崩し、木綿の布を敷いた型に流し入れて重しを乗せて作ります。
できあがったら、水にさらしてから切り分けてパックにつめます。
木綿豆腐の表面がザラザラしているのは、製造過程で木綿の布を使っているからです。
充填豆腐はなめらかな食感ですが、木綿豆腐は崩れにくく食感もしっかりしています。
絹ごし豆腐
絹ごし豆腐が誕生したのは江戸時代の中期です。
絹ごし豆腐は木綿豆腐に使う豆乳よりも濃い豆乳を加熱し、豆乳と凝固剤を一気に型に流し込みます。
一気に流し込むことで豆乳と凝固剤が均一になるため、そのまま置いて固めればできあがりです。
その名の通り、絹のようになめらかで優しい舌触りが特徴です。
食感やツルンとした見た目は充填豆腐とよく似ているものの、充填豆腐はパックに直接材料を流し込んで作るのに対し、絹ごし豆腐は木綿豆腐と同様に、できあがったら水にさらして切り分けてからパックづめされます。
充填豆腐をおいしく食べるコツ
充填豆腐の使い方や、おいしく食べるコツをご紹介します。
豆腐の水切り方法
充填豆腐をおいしく食べるコツは、水切りをしっかり行うことです。
豆腐は重しをして水切りをする方法がオーソドックスですが、充填豆腐は柔らかいため重しを乗せると崩れてしまいます。
そこで、おすすめなのが、レンジを使った水切りです。
耐熱皿に乗せた豆腐をキッチンペーパーで包み、ラップをかけずにレンジで加熱するだけで簡単に水切りができますよ。
こちらのページでは、レンジで水切りをする方法もご紹介しています。
充填豆腐の使い方
充填豆腐は、絹ごし豆腐と同じような使い方が可能です。
例えば、冷奴や白和え、サラダといった手軽に作れるものから、肉豆腐やグラタンなどにも使えます。
また、パンケーキやカップケーキ、ドーナツといったスイーツに使うこともできます。
充填豆腐はとても身近な豆腐だった!
充填豆腐は木綿豆腐や絹ごし豆腐とは作り方が異なり、豆乳と凝固剤をパックに直接流し込んで作る豆腐ということが分かりました。
3個パックで売られていることも多く使い勝手がよいので、普段からよく使ってるという人もいるのではないでしょうか。
また、充填豆腐は賞味期限が長いことも特徴です。
なめらかな食感で絹ごし豆腐のような使い方ができるため、さまざまな使い方をして楽しんでみましょう。