金時人参とは?西洋人参との違いや栄養・おすすめレシピ4選ご紹介
作成日: 2022/01/30
更新日: 2024/06/13
金時人参といえば、お雑煮やお節など正月料理を連想する方も多いかもしれません。普段よく食べているオレンジ色の西洋人参とは、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では金時人参の特徴や西洋人参の違い、含まれている栄養、金時人参を使ったレシピなどをご紹介します。
金時人参について
まずは、金時人参についてご紹介します。
金時人参とは
日本で栽培されている人参には豊富な種類があり、金時人参はその中のひとつです。鮮やかな紅色が特徴で、お節料理やお雑煮に欠かせない食材のひとつとして知られています。
別名「京にんじん」ともいわれており、京都府のブランド京野菜にも指定されています。細長く中心まで鮮やかな紅色の金時人参は、美しい京料理に重宝されています。
金時人参の旬・産地
金時人参は12月から1月に旬を迎え、需要が高まる時期と重なっています。江戸時代から栽培が続けられている野菜で、現在は香川県がおもな産地として知られています。
金時人参と西洋人参との違い
金時人参と西洋人参を比較すると、金時人参の方が柔らかく甘みが強いのが特徴です。しかし、金時人参は種まきから収穫までにかかる時間が長く、日本の気候では収穫時期が冬場に限定されます。
また、気温や土壌環境の変化に弱く、栽培の途中で根が割れやすいなどの理由から、現在は栽培しやすい西洋人参が主流となっています。
金時人参の栄養
金時人参のおもな栄養は下記の通りです。
金時人参/根/皮つき 100g
・カロリー…39kcal
・たんぱく質…1.8g
・糖質…5.7g
・脂質…0.2g
・カリウム…540mg
・リン…64mg
・βカロテン…4800μg
・葉酸…110μg
・食物繊維…3.9g
※βカロテンの数値は、βカロテン当量を記載しています
金時人参に含まれる栄養の働き
金時人参に含まれている栄養の働きについて解説します。
カリウム
人の体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調整に関わります。体内のナトリウムの排出を手助けする作用があるため、塩分のとりすぎを調節する働きがあります。
リン
骨や歯を形成したり、細胞膜や核酸の成分としても重要なミネラルです。ほかにも、pHの調整や浸透圧を保つ働きなど人体に不可欠なミネラルの一種です。
βカロテン
β-カロテンは、強い抗酸化作用を持つことで知られています。
食物繊維
食物繊維は食物中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない栄養です。整腸作用など体中で有用な働きをすることが注目され、「第6の栄養素」ともいわれています。
葉酸
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAの合成に関わる重要な栄養です。
詳しくはこちらで解説しています。
金時人参の選び方
金時人参を選ぶときは表面に傷がないものを選びましょう。また、皮に張りがありみずみずしく、色味が鮮やかなものは新鮮です。
金時人参の保存方法
金時人参は西洋人参と同じように保存することができます。冷蔵での保存期間の目安は2週間ほどです。
詳しくはこちらをご覧ください。
DELISH KITCHENの金時人参を使ったレシピ4選
金時人参を使ったおすすめのレシピをご紹介します。
金時人参の煮物
梅の形に飾り切りした金時人参を柔らかく煮ました。お節料理の飾りや煮しめの彩りに重宝しますよ。型抜きがない場合は金時人参の大きさに合わせて型紙を作ると切りやすくなります。
金時人参の塩きんぴら
金時人参の鮮やかな色が引き立つように塩で味付けしたきんぴらのご紹介です。輪切りの唐辛子で辛みをプラスして、箸休めもぴったりな味わいです。金時人参の風味が楽しめる一品です。
金時人参のかき揚げうどん
金時人参と桜えびで紅色に仕上げたかき揚げを、あつあつのうどんにのせました。かき揚げの紅色とうどんの白のコントラストが美しく、お正月にもぴったりな一品です。サクッと揚がったかき揚げをお楽しみください。
あんもち雑煮
香川県で食べられている、あんこを包んだ餅が入った白味噌の雑煮です。煮干しからじっくりと取った上品なだしがお正月にぴったり。白味噌とあんこの絶妙なハーモニーが味わえる一品です。
金時人参は柔らかく甘みが強い
金時人参は柔らかく甘みが強い特徴があり、冬場に旬を迎える人参です。お節料理やお雑煮に華を添える食材のひとつです。
市場に出回る時期が非常に短いですが、きんぴらやかき揚げなどいろいろな食べ方ができるので、旬の時期にぜひ金時人参を楽しんでみてください。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット カリウム
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット リン
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-038.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット カロテノイド
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 食物繊維
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html)(2022/01/30)