わさび(山葵)とは?わさび漬けやわさび丼などレシピご紹介
作成日: 2022/04/20
日本の食卓になじみ深い薬味のひとつであるわさび。さわやかな香りとツンとした辛みが料理のアクセントになります。刺身はもちろん肉やそばなど料理の持ち味を引き出してくれるので、なくてはならない調味料だという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではわさびがどういった植物なのか、種類別の特徴を解説します。合わせておすすめレシピもご紹介しますので、料理にも取り入れてみてくださいね。
わさびとは
まず、本わさびとはどのような植物なのかを解説していきます。
わさびはアブラナ科、ワサビ属で日本原産の多年草植物と言われており、漢字ではわさびの葉が葵という植物に似ていることから山葵と書きます。ツンとした刺激が独特で、日本の料理になくてはならない和のハーブのひとつとして定着しました。
一方、フィンランドが原産といわれるホースラディッシュや山わさびは別名西洋わさびとも呼ばれます。本わさびと同じ辛み成分を持っていますが、属や種が異なる別の植物です。同じわさびという言葉がつくわさび菜は、同じアブラナ属ではありますが「からし菜」から生まれた変異種であり、実はわさびとは関係がありません。
わさびの種類と特徴
本わさびには大きく分けて沢わさびと畑わさびがあります。ここからは沢わさびと畑わさびの特徴についてご紹介していきます。
沢わさび
沢わさびは、主に山間地の湧き水や清流の流れる渓流で栽培されます。
1年を通して水温が8~18℃と冷涼な場所で生育し、最適な温度は12~13℃が良いとされています。
澄んだ豊富な水量が必要で強い日差しを嫌いますが、適度な日照りは必要という自然条件にとても敏感な植物なので日本でも限られた場所でしか栽培できません。収穫にも長い年月がかかり、収穫量が極めて少ないことも特徴です。
畑わさび
畑わさびは名前の通り湿気の多い涼しい土地の畑で栽培されるわさびです。沢わさびよりは少し辛みが弱く品質は沢わさびに劣り取引価格も安いため、普段スーパーなどに並ぶチューブわさびの原料となることが多いです。
沢わさびと違って栽培が比較的簡単で、温度や湿度の管理が整えばどこでも栽培できるのが特徴です。
わさびに含まれている栄養素
では、わさびにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。含まれている栄養素は以下の通りです。
わさび/根茎/生 100gあたりに含まれている栄養素
・カロリー 89kcal
・たんぱく質 5.6g
・脂質 0.2g
・糖質 14.0g
・カリウム 500mg
・カルシウム 100mg
・リン 79mg
・葉酸 50μg
・ビタミンC 75mg
・食物繊維 4.4g
各栄養素の働き
ここではわさびに含まれる各栄養素の働きを解説していきます。
カリウム
人体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調節に働きます。体内のナトリウム排出を手助けする作用があるため、塩分の取りすぎを調節してくれます。
カルシウム
人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を形成しています。体重の1~2%を占め、その99%は骨及び歯に存在し、残りの1%は血液や組織液、細胞に含まれています。
リン
骨や歯を形成したり、細胞膜や核酸の成分としても重要なミネラルの一種です。他にもpHの調整や浸透圧を保つ働きもあります。
葉酸
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAの合成に関与している重要な栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、体内でコラーゲンの生成に関与するほか、抗酸化ビタミンのひとつとしても知られています。
食物繊維
食物繊維とは、食べ物中に含まれ人の消化酵素で消化することのできない栄養素です、整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、「第6の栄養素」と言われています。
美味しいわさびの選び方
美味しいわさびを購入したい時は重みと形、色に注目しましょう。
手に持った時にずっしりとした重みがあり、根元から茎がついている上の方まで同じくらいの太さのものを選びます。わさびは鮮度が落ちるにつれて黄色っぽくなるので、色が鮮やかな緑色のものがよいでしょう。
わさびのすりおろし方
わさびのすりおろし方はこちらを参考にしてください。
わさびの保存方法
わさびをおいしく保存する方法は以下の通りです。
洗ったわさびの水気をふき取り、乾いたキッチンペーパーなどで包んでから野菜用保存袋やポリ袋に入れて密閉します。冷蔵かチルドで保管し1ヶ月をめどに使い切ってください。
わさびが引き立つ食べ方
わさびはさわやかな香りと辛みを生かした食べ方をすると、食材や料理の持ち味をワンランクアップさせてくれます。
・刺身の場合
わさびを醤油に溶かして食べる方も多いかと思いますが、刺身にのせて食べることで刺身の旨味の後にピリッとしたわさびの刺激が感じられ、甘みを引き立たせてくれます。
・そばを食べる場合
つゆにつけずにそばに直接つけて食べることで、つゆ本来の味やそばの繊細な風味を楽しむことができます。
わさびを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからはわさびを使ったおすすめのレシピをご紹介していきます。簡単な一品から丼メニューまで幅広くご紹介していくのでぜひ参考にしてみてくださいね。
わさびドレッシング
少ない調味料でできるわさびがピリッと効いたドレッシングレシピのご紹介です。わさびとしょうゆを使っているので和風のサラダやお魚料理にもおすすめです。ご家庭にある調味料を混ぜるだけで手軽にできますよ。
わさび納豆
いつもは付属のからしで作ってしまう定番の納豆をわさびで作ってみませんか。からしとは違ったさわやかな辛さと香りのよさで納豆の違った魅力を発見できます。マヨネーズやごま油でアレンジもできますよ。
きゅうりのわさび漬け
わさびの風味が香るさわやかな箸休めレシピです。ご飯にはもちろん、副菜やお茶請けなどにもおすすめです。きゅうりはたたききゅうりにすることで表面積が増え、味がしみこみやすくなりますよ。
長いものわさび漬け
シャキシャキ食感の長芋を使ったわさびの香りがアクセントになるお漬物です。保存袋に長芋と調味料を入れて放っておくだけでできるので、手軽にできるのがうれしいですね。昆布の旨味と唐辛子の風味も効いているさっぱりとした一品です。
サーモンとアボカドのわさび漬け丼
こってりとした味わいのサーモンとアボカドをわさびの風味を利かせて食べやすく仕上げました。サーモンのピンク色とアボカドの緑色が映える目にも楽しい丼です。手巻きずしにするのもおすすめ。
ピーマンの肉みそわさび丼
ピーマンで作った肉みそにわさびを加えてさわやかなアクセントに。丼に盛り付けると肉みそのコクとわさびの辛みでご飯がどんどん進んでしまいます。半熟卵を絡めて食べることでまろやかな味わいになりますよ。
さわやかな香りと辛みのわさびを料理に取り入れてみよう
わさびの種類や特徴、おすすめのレシピをご紹介しました。わさびにはさまざまな栄養素が含まれていることも魅力の一つです。おいしさを広げ、食材を引き立てるアクセントとして活用してみましょう。
生のわさびを手に入れた時には今回ご紹介した選び方やおろし方、保存方法なども参考にしてみてください。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「リン」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」(2022/04/20)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』ビタミンC (2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」(2022/04/20)