
本わさびと生わさびは何が違う?辛みを感じる理由もご紹介!
作成日: 2024/12/24
日本の食卓には切っても切り離せないわさび。刺身はもちろん、肉やそばなど様々な料理のアクセントになってくれます。そんなわさびですが、なぜ辛いのかご存知ですか?
この記事ではわさびの基本知識や辛くなる理由、そして色々なわさびの特徴についてご紹介します。改めてそれぞれのわさびの特徴を知ることで、よりわさびの魅力について理解することができますよ!
ぜひ最後まで読んでみてください。
わさびとは?
わさびはアブラナ科ワサビ属にあたる野菜で、春に旬を迎える山菜です。漢字ではわさびの葉が葵という植物に似ていることから山葵と書きます。
チューブに入っているイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、天然のわさびも採集することができます。天然のわさびはきれいな水辺で適度な日当たりがあるところに生えています。普段食べているのはわさびの根の部分です。
様々なわさびの特徴と違いとは?
続いては様々なわさびの特徴についてご紹介していきます。
本わさびとは?
本わさびと普通のわさびで種類が異なるわけではありません。本わさびは「日本原産のわさび」ということを示しています。ちなみに、日本原産ではありますが、必ずしも「国産」であることを示しているわけではありません。また、国産のわさびには「沢わさび」や「畑わさび」があります。
沢わさび
沢わさびは、主に山間地の湧き水や清流の流れる渓流で栽培されます。
1年を通して水温が8~18℃と冷涼な場所で生育し、最適な温度は12~13℃とされています。
澄んだ豊富な水量が必要で強い日差しを嫌いますが、適度な日照りを必要とする自然条件にとても敏感な植物なので日本でも限られた場所でしか栽培できません。収穫にも長い年月がかかり、収穫量が極めて少ないことも特徴です。
畑わさび
畑わさびは名前の通り湿気の多い涼しい土地の畑で栽培されるわさびです。沢わさびよりは少し辛みが弱く品質は沢わさびに劣り取引価格も安いため、普段スーパーなどに並ぶチューブわさびの原料となることが多いです。
沢わさびと違って栽培が比較的簡単で、温度や湿度の管理が整えばどこでも栽培できるのが特徴です。
西洋わさびとは?
西洋わさびは東ヨーロッパが原産のわさびです。英語で「ホースラディッシュ」または「レフォール」といわれ、日本では「山わさび」とも呼ばれています。本わさびに比べて色が白く、辛味が強いことが特徴です。本わさびと同じくすりおろして使います。スーパーで売られているチューブタイプのわさびのほとんどは西洋わさびです。
西洋わさびについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
生わさびとは?
チューブタイプのわさびに「生わさび」と表記されたものがありますが、言葉通り生のわさびを原料としていることを強調するための表記です。チューブのわさびの中には粉わさびを使った練りわさびも存在しているため区別するために使われるようになりました。
わさびに含まれている栄養素
わさびに含まれている栄養素は以下の通りです。
【わさび/根茎/生 100gあたりに含まれている栄養素】
・カロリー 89kcal
・たんぱく質 5.6g
・脂質 0.2g
・糖質 14.0g
・カリウム 500mg
・カルシウム 100mg
・リン 79mg
・葉酸 50μg
・ビタミンC 75mg
・食物繊維 4.4g
続いて各栄養素の働きについてご紹介します。
カリウム
人体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調節に働きます。体内のナトリウム排出を手助けする作用があるため、塩分の取りすぎを調節してくれます。
カルシウム
人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を形成しています。体重の1~2%を占め、その99%は骨及び歯に存在し、残りの1%は血液や組織液、細胞に含まれています。
リン
骨や歯を形成したり、細胞膜や核酸の成分としても重要なミネラルの一種です。他にもpHの調整や浸透圧を保つ働きもあります。
葉酸
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAの合成に関与している重要な栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、体内でコラーゲンの生成に関与するほか、抗酸化ビタミンのひとつとしても知られています。
食物繊維
食物繊維とは、食べ物中に含まれ人の消化酵素で消化することのできない栄養素です、整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、「第6の栄養素」と言われています。
美味しいわさびの選び方
美味しいわさびを購入したいときは重みと形、色に注目しましょう。
手に持ったときにずっしりとした重みがあり、根元から茎がついている上の方まで同じくらいの太さのものを選びます。わさびは鮮度が落ちるにつれて黄色っぽくなるので、色が鮮やかな緑色のものがよいでしょう。
わさびが辛いと感じる理由とは?
わさびの最大の特徴といえば鼻にツーンとくる辛味です。しかし、そのままかじったり、舐めてみたりしても辛くはありません。実はわさびはそのままでは辛くはなく、すりおろすことで辛くなる食べ物なのです。
わさびの細胞には「シニグリン」という成分と「ミロシナーゼ」という酵素が含まれています。わさびをすりおろすことで、シニグリンとミロシナーゼが合わさり、化学反応を起こして「アリルイソチオシアネート」という成分に変化します。このアリルイソチオシアネートが辛味成分となるのです。
わさびを使ったデリッシュキッチンのレシピ
ここからはわさびを使ったおすすめのレシピをご紹介していきます。簡単な一品から丼メニューまで幅広く掲載しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
わさびドレッシング
少ない調味料でできるわさびがピリッと効いたドレッシングレシピのご紹介です。わさびとしょうゆを使っているので和風のサラダやお魚料理にもおすすめです。ご家庭にある調味料を混ぜるだけで手軽にできますよ。
わさび納豆
いつもは付属のからしで作ってしまう定番の納豆をわさびで作ってみませんか。からしとは違ったさわやかな辛さと香りのよさで納豆の違った魅力を発見できます。マヨネーズやごま油でアレンジもできますよ。
きゅうりのわさび漬け
わさびの風味が香るさわやかな箸休めレシピです。ご飯にはもちろん、副菜やお茶請けなどにもおすすめです。きゅうりはたたききゅうりにすることで表面積が増え、味がしみこみやすくなりますよ。
長いものわさび漬け
シャキシャキ食感の長芋を使ったわさびの香りがアクセントになるお漬物です。保存袋に長芋と調味料を入れて放っておくだけで作れるので、手軽にできるのがうれしいですね。昆布の旨味と唐辛子の風味も効いているさっぱりとした一品です。
サーモンとアボカドのわさび漬け丼
こってりとした味わいのサーモンとアボカドをわさびの風味を利かせて食べやすく仕上げました。サーモンのピンク色とアボカドの緑色が映える目にも楽しい丼です。手巻きずしにするのもおすすめです。
ピーマンの肉みそわさび丼
ピーマンで作った肉みそにわさびを加えてさわやかなアクセントに。丼に盛り付けると肉みそのコクとわさびの辛みでご飯がどんどん進みます。半熟卵を絡めて食べることでまろやかな味わいになりますよ。
さわやかな香りと辛みのわさびを料理に取り入れてみよう
わさびの基本知識や種類ごとの特徴、おすすめのレシピをご紹介しました。わさびにはさまざまな栄養素が含まれていることも魅力の一つです。おいしさを広げ、食材を引き立てるアクセントとして活用してみましょう。
生のわさびを手に入れたときには、今回ご紹介した選び方やレシピなども参考にしてみてください。
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「リン」(2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント」(2022/04/20)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』ビタミンC (2022/04/20)
・厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」(2022/04/20)
【関連】
・わさびのすりおろし方