もやしに栄養はあるの?もやしの特徴やレシピをご紹介
作成日: 2021/09/27
季節を問わずスーパーやコンビニなどに並んでいる「もやし」。
さまざまな料理に使えて、お財布にも優しいので重宝しますよね。ところで、もやしには栄養がない、という話を聞いたことはないでしょうか。しかし実は、もやしには食物繊維やビタミンがしっかり含まれています。
この記事では、もやしの特徴やカロリーをはじめ、栄養についてご紹介します。
もやしについて
まずは、もやしの特徴からご紹介します。
もやしとは
もやしは、大豆や緑豆を冷暗所で発芽、生長させたもので、「もやし」という名前の植物があるわけではありません。
細長い見た目から、植物の茎や根っこのような印象を受けるかもしれませんが、実は大豆や緑豆が成長したものだったのです。
もやしの種類
現在、日本で主に生産されているもやしは「緑豆もやし」「黒豆もやし(ブラックマッペ)」「大豆もやし」の3種類です。
【緑豆もやし】
国内で生産されているもやしのほとんどが、緑豆もやしです。
クセがなく太めのもやしで、炒め物やラーメンのトッピングなどに使われます。
【黒豆もやし(ブラックマッペ)】
ほのかな甘味があるもやしで、緑豆もやしよりも少し細めです。
おひたしのほか、焼きそばやお好み焼きにも向いています。
【大豆もやし】
豆がついたまま流通しているもやしです。
豆がついているため独特な風味があり、ナムルや炒め物、スープなどと相性がよい種類です。
もやしのカロリーと栄養
もやしのカロリーや栄養についても確認してみましょう。
カロリー
生のもやし、可食部100gあたりのカロリーは以下の通りです。
・緑豆もやし…15kcal
・ブラックマッペもやし…17kcal
・大豆もやし…29kcal
もやしは9割以上が水分でカロリーが低いため、摂取カロリーをコントロールしたいときに、いつもの食事に取り入れるのもおすすめです。
また、現代生活で不足しがちな食物繊維も多く含まれているため、噛みごたえがあり早食いの防止にもなります。
食物繊維
食物繊維は食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない栄養素です。
整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、「第6の栄養素」といわれています。
もやしには、水溶性と不溶性の食物繊維がともに含まれています。
水溶性食物繊維は、腸管内で腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。
また、水に溶けやすく粘度を増す性質から、消化管内をゆっくり移動するため、消化吸収を緩やかにする効果もあります。
一方で不溶性食物繊維は、水分を含むことで便のかさを増やし、スムーズな排便を手助けする働きがあります。
生のもやし、可食部100gあたりに含まれる食物繊維は以下の通りです。
《緑豆もやし》
食物繊維総量…1.3g
・水溶性食物繊維…0.1g
・不溶性食物繊維…1.2g
《ブラックマッペもやし》
食物繊維総量…1.5g
・水溶性食物繊維…0.1g
・不溶性食物繊維…1.4g
《大豆もやし》
食物繊維総量…2.3g
・水溶性食物繊維…0.2g
・不溶性食物繊維…2.1g
ビタミンB郡
もやしには、水溶性ビタミンが含まれています。
ビタミンB郡は、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAの合成に関与している重要な栄養素です。
生のもやし、可食部100gあたりに含まれるビタミンB郡は以下の通りです。
《緑豆もやし》
・ビタミンB1…0.04mg
・ビタミンB2…0.05mg
・ビタミンB6…0.05mg
・ナイアシン…0.6mg
・ビオチン…1.7μg
・パントテン酸…0.23mg
・葉酸…41μg
《ブラックマッペもやし》
・ビタミンB1…0.04mg
・ビタミンB2…0.06mg
・ビタミンB6…0.06mg
・ナイアシン…0.8mg
・ビオチン…2.7μg
・パントテン酸…0.43mg
・葉酸…42μg
《大豆もやし》
・ビタミンB1…0.09mg
・ビタミンB2…0.07mg
・ビタミンB6…0.08mg
・ナイアシン…1.2mg
・ビオチン…0μg
・パントテン酸…0.36mg
・葉酸…85μg
※ナイアシンの数値は、ナイアシン当量を記載しています
ビタミンC
水溶性ビタミンのひとつで、体内でコラーゲンの生成に関与するほか、抗酸化ビタミンのひとつとしても知られています。
生のもやし、可食部100gあたりに含まれるビタミンCは以下の通りです。
・緑豆もやし…8mg
・ブラックマッペもやし…10mg
・大豆もやし…5mg
カリウム
もやしには、カリウムが含まれています。
人体に必要なミネラルの一種で、体内で浸透圧の調節に働きます。
体内のナトリウムの排出を手助けする作用があるため、塩分のとりすぎを調節してくれます。
生のもやし、可食部100gあたりに含まれるカリウムは以下の通りです。
・緑豆もやし…69mg
・ブラックマッペもやし…65mg
・大豆もやし…160mg
アスパラギン酸
もやしには、その原料である豆のたんぱく質から生成されたアミノ酸が含まれており、たんぱく質の素となるアミノ酸のひとつである、アスパラギン酸が豊富に含まれています。
アスパラギン酸は、たんぱく質の合成材料となるほか、アンモニアを体外に排出する働きがあります。
生のもやし、可食部100gあたりに含まれるアスパラギン酸は以下の通りです。
・緑豆もやし…460mg
・ブラックマッペもやし…490mg
・大豆もやし…860mg
アスパラギン酸は、野菜のアスパラガスから発見されたアミノ酸で、アスパラガスに含まれる成分として知られていますが、アスパラガスが100g中にアスパラギン酸を440mg含んでいるのに対して、大豆もやしは2倍、ブラックマッペは1.1倍、緑豆もやしは1倍、多く含まれていることがわかります。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html)(2021/09/27)
・これは効く!食べて治す最新栄養成分辞典 / 中嶋洋子 / 主婦の友社 2017
もやしを使ったDELISH KITCHENのレシピ
最後に、もやしを使ったおすすめレシピをご紹介します。
水菜ともやしのナムル
シャキシャキ食感のナムルはいかがですか。
もやしや水菜、にんじんを使い、味も食感も両方満喫できるサラダ感覚のナムルです。ごま油の香りと鮮やかな彩りが、食欲をそそります。
豚バラもやしの重ね蒸し
火を使わずに作れる重ね蒸しです。
豚バラ肉から染み出た肉汁が調味料とマッチした、旨味たっぷりの一品です。パパッと作れるのも嬉しいポイントですね。
豆腐ともやしのツナチャンプルー
相性のよい食材を組み合わせて作った炒め物です。
ふわふわの卵や豆腐のなかに感じる、もやしの歯ごたえが絶妙なアクセントになります。どのお家の冷蔵庫にもあるような材料で作れますよ。
サンラータン春雨
酸味のきいた春雨のサンラータンメンです。
もやしや豚バラ肉を加えるので、春雨でも十分満足感があります。後味さっぱりのサンラータンメンは、朝食やランチにもどうぞ。
揚げない春巻き
揚げ物のカロリーを気にせず食べられる、揚げない春巻きです。
もやしを入れて噛みごたえをアップさせました。油を使わないのにパリッとした食感で、おかずはもちろん、お弁当にもおすすめです。
もやしは低カロリー!でも食物繊維やビタミンが含まれていた
もやしは植物の名前ではなく、緑豆や大豆を発芽させたものということが分かりました。
日本で主に生産されているもやしは3種類あるため、いろいろと使い分けてみると楽しいかもしれません。
ひょろっとした印象のもやしは、栄養がないと思われがちですが、食物繊維やビタミンが含まれています。
また、カロリーを意識している人にもおすすめの食材なので、今回ご紹介したレシピを参考に、日々の食事に取り入れてみてください。