豚肉に含まれるビタミンとは?おすすめのレシピもご紹介
作成日: 2021/11/02
豚肉は、豚汁や生姜焼きなど、さまざまな料理で楽しむことのできます。いろんな部位があるので、お好みの部位がある人もいるのではないでしょうか。そんな豚肉に含まれる、ビタミンについてご存知でしょうか。
この記事では、豚肉に含まれるビタミンについてご紹介します。ビタミンを効率よく摂取できるおすすめのレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【部位別】豚肉に含まれるビタミン
豚肉にはどんなビタミンが含まれているのでしょうか。豚肉に含まれるさまざまなビタミンを、部位別に解説します。
ビタミンB1
生の豚肉100gあたりに含まれるビタミンB1の量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ばら(脂身つき・生):0.51mg
・ヒレ(赤身・生):1.32mg
・もも(赤身・生):0.96mg
・ロース(赤身・生):0.80mg
・かた(赤身・生):0.75mg
・かたロース(赤身・生):0.72mg
ビタミンB1は、水溶性のビタミンの一種で、糖質をエネルギーに変えるのに必要となります。豚肉は、部位ごとに含まれるビタミンB1の量が異なります。
一番ビタミンB1が含まれているのは赤身のヒレ肉で、その次に赤身のもも肉です。逆に脂身つきのばら肉は、豚肉の部位の中でも一番ビタミンB1の含まれる量が少ないです。このことから、比較的脂身の少ない部位にビタミンB1が多く含まれているのが分かります。
ビタミンB6
次に、生の豚肉100gあたりに含まれるビタミンB6の量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ロース(脂身つき・生):0.22mg
・ヒレ(赤身・生):0.54mg
・もも(赤身・生):0.33mg
・ロース(赤身・生):0.38mg
・かた(赤身・生):0.37mg
・かたロース(赤身・生):0.33mg
豚肉のそれぞれの部位100gあたりに含まれるビタミンB6の量は、それほど差はありません。一番多く含まれる部位は赤身のヒレ肉で、一番含まれる量が少ないのは脂身つきのロース肉です。脂身がつくことで、ビタミンB6の含まれる量が少なくなることが分かります。
ビタミンB6は、水溶性ビタミンの一種です。ビタミンB6とは、たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与する重要な栄養素です。
ビタミンB6はたんぱく質の摂取量に比例して、代謝に必要とされる必要量も多くなります。また、ビタミンB6は皮膚や粘膜の健康維持にも役立つ栄養素です。
ビタミンB12
次に、生の豚肉100gあたりに含まれるビタミンB12の量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ばら(脂身つき・生):0.5μg
・ヒレ(赤身・生):0.5μg
・もも(赤身・生):0.3μg
・ロース(赤身・生):0.3μg
・かた(赤身・生):0.4μg
・かたロース(赤身・生):0.4μg
豚肉100gあたりに含まれるビタミンB12は、部位ごとであまり変化はありません。もも肉やロース肉などに比べて、ヒレ肉やバラ肉がわずかに多く含まれています。
ビタミンB12は、水溶性のビタミンの一種です。ビタミンB12とは、たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に必要な栄養素のひとつです。また、正常な赤血球の生成に欠かせない栄養素でもあります。
ビタミンC
次に、生の豚肉100gあたりに含まれるビタミンCの量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ばら(脂身つき・生):1mg
・ヒレ(赤身・生):1mg
・もも(赤身・生):1mg
・ロース(赤身・生):1mg
・かた(赤身・生):2mg
・かたロース(赤身・生):2mg
豚肉100gあたりに含まれるビタミンCの量は、部位ごとにあまり差はありません。わずかな差ですが、かた肉やかたロース肉が他の部位に比べてビタミンCが含まれています。
ビタミンCについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
豚肉に含まれるその他の栄養
ビタミン以外で、豚肉に含まれる栄養素についても確認していきましょう。
たんぱく質
生の豚肉100gあたりに含まれるたんぱく質の量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ばら(脂身つき・生):14.4g
・ヒレ(赤身・生):22.2g
・もも(赤身・生):22.1g
・ロース(赤身・生):22.7g
・かた(赤身・生):20.9g
・かたロース(赤身・生):19.7g
豚肉100gあたりに含まれるたんぱく質の量は、赤身肉に関してはあまり差がありません。しかし、脂身つきのバラ肉は赤身肉に比べると、たんぱく質の量は少ないようです。
たんぱく質について詳しくはこちらを参考にしてください。
カリウム
生の豚肉100gあたりに含まれるカリウムの量を、それぞれ部位別にみていきましょう。
100gあたり
・ばら(脂身つき・生):240mg
・ヒレ(赤身・生):430mg
・もも(赤身・生):370mg
・ロース(赤身・生):360mg
・かた(赤身・生):360mg
・かたロース(赤身・生):340mg
豚肉100gあたりに含まれるミネラルの量は、ばら肉が他の部位に比べると少ないようです。赤身のヒレ肉は、もも肉やロース肉などの他の部位に比べるとカリウムが含まれています。
カリウムとは、人体に必要なミネラルの一種です。カリウムは、体内で浸透圧の調節をしてくれる栄養素のひとつです。また、体内のナトリウムの排出を手助けする作用があるため、塩分を摂り過ぎたときに役立ちます。
【調理別】豚肉に含まれるビタミン
豚肉に含まれる水溶性ビタミンについて、脂身付きのロース肉100gあたりともも肉100gあたりを、それぞれ焼きとゆでの調理方法別にみてみましょう。
ロース(脂身つき)100gあたり
・焼き ビタミンB1:0.90mg
ビタミンB6:0.33mg
ビタミンB 12:0.5μg
ビタミンC:1mg
・ゆで ビタミンB1:0.54mg
ビタミンB6:0.32mg
ビタミンB 12:0.6μg
ビタミンC:0mg
もも 100gあたり
・焼き ビタミンB1:1.19mg
ビタミンB6:0.43mg
ビタミンB 12:0.5μg
ビタミンC:1mg
・ゆで ビタミンB1:0.82mg
ビタミンB6:0.38mg
ビタミンB 12:0.4μg
ビタミンC:1mg
ビタミンB1に関しては、脂身つきのロース肉ともも肉ともに、焼きよりも茹でることで減ってしまいます。
ビタミンB6に関しては、脂身つきのロース肉は焼いても茹でてもさほど変化はありません。しかし、もも肉の場合はわずかですが焼きに比べて茹でると減ってしまうようです。
ビタミンB12は、脂身つきのロース肉ともも肉ともに調理法で変化はないようです。ビタミンCに関しては、脂身つきのロース肉は茹でることで、なくなってしまいます。一方で、もも肉の場合は調理法で変化はありません。
このように同じ豚肉であっても、調理法で水溶性ビタミンの量に違いがあることが分かります。
※ももは皮下脂肪なしで栄養価を算出
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・日本人の食事摂取基準(2020 年版)
・「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書 ビタミン B1
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「ビタミンB6」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/15.html
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 ビタミン B12
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/07.html
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
豚肉の栄養を効果的に摂取するためのポイント
豚肉を食べるときに、なるべく栄養を逃さない調理をして食べたいですよね。豚肉に含まれるビタミンB1とビタミンB6は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすい性質があります。そのため、茹でたりすると茹で汁にビタミンB1とビタミンB6が流れ出てしまいます。
豚肉に含まれる水溶性ビタミンを効率よく摂取するためにも、茹で汁ごといただけるスープなどがおすすめです。また、茹でて調理する代わりにレンジで加熱したり、ゆで汁も捨てずに活用すると豚肉の栄養も逃すことなく摂取できます。
豚肉を使ったDELISH KITCHENのレンジで作るレシピ
豚肉に含まれるビタミンを効率よく摂るために、レンジを使った簡単に作れるレシピをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
レンジで豚こま生姜焼き
フライパンを使って作ることの多い生姜焼きですが、レンジで火を使わずに作ることができます。材料と調味料を混ぜ合わせてレンジで加熱するだけなので、忙しいときにも簡単におかずを用意することができます。
豚バラもやしの重ね蒸し
豚バラ肉ともやしを交互に重ねて、レンジで加熱することで簡単に蒸し料理を楽しめます。たっぷりのもやしを使うことで、あっさりといただけます。蒸し汁はポン酢をかけることで、あますことなく楽しむことが可能です。
ねぎ塩レンジチャーシュー
手間のかかるチャーシューも、レンジで簡単に作れます。ポイントは、加熱後粗熱がとれるまで置くことです。そうすると豚肉がしっとりとした食感に仕上がります。レモン汁の効いたねぎ塩だれがよく合い、ご飯によくあうおかずになります。
豚肉とキャベツの塩昆布あえ
包丁を使わずにあっという間に一品完成します。味付けは塩昆布のみで、昆布と豚肉のうま味がよく合うおかずです。ごま油を使用することで、風味も豊かになって食欲がそそられ、ご飯のすすむ一品になります。
豆苗ともやしの柚子胡椒豚巻き
豆苗ともやしを豚肉で巻き込み、さっぱりといただけるおかずに仕上げます。味のアクセントに使用するのは柚子胡椒のみです。柚子胡椒の風味が香り、美味しくいただけます。シンプルな材料で、素材のうま味を堪能できる一品です。
豚肉をレンジ調理で、簡単に美味しくいただこう!
豚肉に含まれる水溶性ビタミンのビタミンB1とビタミンB6は、水に溶けやすい性質があります。そのため、茹でる調理をする際は、レンジを活用したり、茹で汁をスープにしたりさまざまな工夫を行うのがいいでしょう。
今回ご紹介したレシピを参考に、レンジを活用して豚肉に含まれる水溶性ビタミンを効率よく摂取できる料理を行いましょう。