カツオの旬とは?初ガツオと戻りガツオの違いやレシピご紹介
作成日: 2021/11/15
刺身やたたきだけでなく、かつお節や缶詰の材料に使われるなど、食卓になじみのあるカツオ。スーパーでもよく見かける魚ですが、カツオの旬はいつなのでしょうか。
この記事では、カツオの旬や、初ガツオと戻りガツオについて解説します。また、カツオの選び方や保存方法、レシピもご紹介するので参考にしてください。
カツオの旬は春と秋の年2回
カツオは温帯から熱帯海域に分布している回遊魚で、日本近海では太平洋側に広く分布しています。黒潮の流れに沿って春先に北上し、秋に南下していくという季節性の回遊をしています。
3月頃に九州南部から北上を始め、5月頃に本州南部、8月から9月頃には三陸沖あたりまで北上します。その後、三陸沖で黒潮と親潮がぶつかりUターンをして、11月頃まで九州南部に向かって南下します。
カツオには春と秋、年2回の旬があります。北上している4月から5月に獲れるカツオは「初ガツオ」と呼ばれ、南下を始める8月から9月に獲れるカツオは「戻りガツオ」と呼ばれています。
旬の時期には、高知県幡多郡黒潮町や千葉県の勝浦市で獲れる「日戻りガツオ」を楽しむこともできます。
日戻りガツオとは、釣った日に水揚げされたものを、その日のうちに食べるカツオのことです。鮮度が抜群でモチモチした食感が味わえます。
カツオの水揚げ量が最も多いのは静岡県、カツオの消費量が最も多いのは高知県です。
また、カツオは刺身やたたきとして食べるだけでなく、かつお節や缶詰の原料としても使われています。かつお節は鹿児島県の枕崎市が最も多い生産量を誇っています。
春の初ガツオ
4月から5月にかけて獲れるものを、初ガツオといいます。
初ガツオはえさを求めて北上しているので、脂が少なめであっさりとしています。身の色は鮮やかな赤色で、身が引き締まっているため弾力があり、ぷりっとした食感です。
その味わいから、たっぷりの薬味とポン酢しょうゆで食べるたたきに向いています。カツオのたたきは別名「土佐造り」ともいわれています。
北上から南下に転じる宮城県で獲れる初ガツオは、えさを食べて北上してきたので脂がのっています。一方、西日本で獲れる初ガツオはえさを求めて北上している途中なので脂が少なくなっています。初ガツオは獲る地域によっても味わいが異なります。
秋の戻りガツオ
8月から9月にかけて獲れるものを戻りガツオといいます。高知県の戻りガツオの旬は、9月から11月です。
戻りガツオは、えさをたっぷり食べていることと低い海水温の影響から、脂がのっていて濃厚な味わいです。マグロのトロのような味わいを楽しめることから「トロガツオ」や「脂カツオ」とも呼ばれています。
身の色は初ガツオとは異なる、深みのある赤色をしています。その味わいから刺身に向いており、また、脂がのっているため火を通してもパサつきにくく、焼き物などの加熱料理にもおすすめです。
初ガツオと戻りガツオの栄養
生の初ガツオと戻りガツオ、可食部100gあたりのカロリーと栄養をご紹介します。
《初ガツオ(春獲りカツオ)》
・カロリー…108kcal
・たんぱく質…25.8g
・脂質…0.5g
《戻りガツオ(秋獲りカツオ)》
・カロリー…150kcal
・たんぱく質…25.0g
・脂質…6.2g
カロリーや脂質は、戻りガツオの方が多くなっています。また、カツオはDHAやEPAを含んでおり、特に脂ののった戻りガツオには豊富に含まれています。
DHAとEPAは必須脂肪酸の一種で、体内で合成できないため食物からとる必要がある栄養です。
DHAは、脳や網膜などの神経系に含まれている栄養で、神経細胞を活性化させて記憶力や学習能力の向上に役立つことで知られています。
EPAは、体内の血液のめぐりをスムーズにし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防するという働きがあることで知られている栄養です。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』オメガ3系脂肪酸
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/10.html)(2021/11/15)
カツオの選び方
カツオの選び方をみていきましょう。鮮度のよいカツオの切り身の見分け方と、背と腹の違いについてご紹介します。
鮮度
身が赤く透き通っているように見え、血合いの部分がはっきりしているものは鮮度がよいものです。血を含んだ水気(ドリップ)が出ていないものを選びましょう。また、皮目が白っぽいものは脂がのっています。
血合いが黒っぽくなっているものや、切り口が虹色に光っているものは避けるようにします。
背と腹
背中側は脂が少なくしっかりとした食感で、さっぱりとした味わいです。刺身やたっぷりの薬味とともに食べるたたきによく合います。
腹側は脂がのっており柔らかな食感で、濃厚な味わいを楽しめます。刺身はもちろん焼き物、煮物、揚げ物にもおすすめです。
カツオの保存方法
カツオの保存方法をご紹介します。カツオは冷凍保存も可能です。
冷蔵保存
冷蔵保存をするときは柵ごと保存しましょう。切り分けるのは食べる直前にします。
カツオの水気をキッチンペーパーでしっかりふき取り、ラップでぴったりと包んでチルド室で保存します。当日中にお召し上がりください。
冷凍保存
カツオの水分をキッチンペーパーでふき取ります。柵の場合は解凍後の調理がしやすいように食べやすい大きさに切ってから冷凍保存します。保存期間の目安は2週間です。
冷凍のままや、自然解凍をしてからの調理が可能です。冷凍した場合は生食を避けてください。再冷凍はできないので注意しましょう。
カツオを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからはカツオを使ったレシピをご紹介します。
【たたき・刺身】
初ガツオはさっぱりとしているため、たたきにしてポン酢しょうゆであっさりと食べるのがおすすめです。戻りガツオは脂がのっているので、刺身にしたり濃いたれと合わせてもその味わいを楽しめます。
どちらのカツオでも作れるので、お好みで選んでみましょう。
かつおのたたきピリ辛韓国風だれ
カツオのたたきはピリ辛のたれとの相性も抜群です。ごま油で香ばしく焼いたカツオは風味豊かで食欲をそそります。ごはんはもちろん、おつまみにもおすすめですよ。箸が止まらなくなるおいしさです。
カツオのたたきサラダ
野菜をたっぷりと使ったカツオのたたきサラダです。カツオの表面を香ばしく焼き上げました。さわやかな香りのみょうがとポン酢しょうゆでさっぱりといただきます。カリカリに焼いたにんにくがアクセントになっています。
カツオとアボカドのおかずサラダ
一口大に切ったカツオとアボカドを、にんにくとごま油が香る調味料に漬け込んだボリュームたっぷりのおかずサラダです。シャキシャキの野菜とクリーミーなアボカドがカツオを引き立てます。彩りも鮮やかで、食卓の主役になる一品です。
かつおの漬け丼
カツオの刺身をしょうがのきいた漬けだれに漬け込んで、ごはんにたっぷりとのせた食べごたえのある丼です。風味豊かな大葉とみょうがとともにいただきます。刺身の代わりにたたきを使ってもおいしいですよ。
【焼き物・煮物・揚げ物】
カツオを使った焼き物、煮物、揚げ物のレシピをご紹介します。
火を通してもパサつきにくい、脂ののったカツオがおすすめですが、さっぱりとしたカツオでも楽しめます。
カツオのしょうが焼き
おかずの定番であるしょうが焼きをカツオで作りました。カツオを調味料に漬け込んで焼くだけの簡単レシピです。刺身やたたきとは違ったおいしさで、ごはんによく合います。
かつおのガーリックステーキ
にんにくの香りがたまらないカツオのガーリックステーキはいかがですか。カツオに薄力粉をまぶして焼くことで旨味を閉じ込め、香ばしい焼き色がつきます。カツオを焼いたあとのフライパンでソースを作るので、旨味を余すとこなく味わえますよ。
かつおと大根の煮物
カツオと大根を使ったシンプルな煮物です。カツオからだしが出るのでだし汁を使わなくてもおいしく仕上がります。カツオの旨味たっぷりの煮汁が染み込んだ大根は絶品です。
カツオのレアカツ香味だれ
カツオに衣をつけてカツにして、香味野菜をたっぷり使ったたれをかけました。サクサクの衣とみずみずしいカツオの異なる食感を味わえます。カツオは火を通し過ぎるとかたくなってしまうので、高温でさっと揚げてレアにするのがポイントです。生食できるカツオならではの揚げ物です。
カツオの旬は年2回!それぞれの違いを味わおう
カツオの旬は春と秋、年に2回あります。初ガツオと戻りガツオでは味も食感も異なるので、食べ比べてお好みのカツオを見つけるのもおすすめですよ。
カツオはおいしく食べられる時期が多い魚です。普段、カツオを刺身やたたきで食べているという方も、今回ご紹介したレシピを参考にいろいろなカツオ料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。