節分の食べ物にはどのようなものがある?意味やレシピをご紹介
作成日: 2022/01/13
日本の伝統行事である節分。節分の食べ物といえば、豆まきのあとに食べる豆や恵方巻きが有名ですが、ほかにも節分に食べると縁起がよいといわれているものがあるのはご存じですか。それぞれ地域によって違いがあり、さまざまな料理が食べられています。
この記事では、節分の食べ物についてどのようなものがあるのかをみていきましょう。食べる意味やレシピもあわせてご紹介します。
節分とは
節分は、各季節の始まりである立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを指しています。節分には「季節を分ける」という意味もあります。
二十四節気では立春は新年の始まりとして重要視されていたため、現在では節分といえば立春の前日と認識されるようになりました。節分は2月3日のイメージがありますが、立春は年によって変わるので節分の日付がずれることもあります。
季節の変わり目には邪気が入りやすいと考えられており、邪気を追い払って幸運を招くために節分には豆まきが行われています。豆をまくのは一家の主人の役割でしたが、今では家族全員で豆をまくことも多くなりました。「鬼は外、福は内」といいながら豆をまき、最後に厄除けを願いながら自分の年齢よりもひとつ多く豆を食べます。
豆まきには煎った豆が使われます。これは邪気を追い払うためにまいた豆から芽が出るのは縁起がよくないとされるからです。
また、節分の夜に恵方巻きを食べる習慣もあります。その年の恵方を向き、無言で願い事を考えながら食べると願い事が叶うといわれています。
節分の日に食べられているもの
節分の日には縁起のよいものを食べる風習があります。時代や地域によってさまざまな料理を食べる風習があり、ご家庭によっても節分に食べるものは違うでしょう。
ここからは、節分に食べられているものの中から一部をご紹介します。また、食べる意味や食べ方、レシピもみていきましょう。
【恵方巻き】
恵方巻きはもともと関西の一部で行われていた風習でした。1989年にあるコンビニエンスストアが、広島県内で節分に食べる太巻きを「恵方巻き」と名前をつけて販売を開始し、これをきっかけに徐々に販売エリアを拡大して全国に広まりました。
節分の夜に巻き寿司を手に持ち、その年の恵方を向いて無言で食べることで幸運や無病息災などを願います。巻き寿司を切らずに一本丸ごと食べるのは、縁を断ち切らないようにするためです。食べ終わる前にしゃべってしまうと福が逃げてしまうといわれています。恵方は毎年変わるので確認しましょう。
恵方巻きの具材は、七福神にちなんで7種類入れるとよいといわれていますが特に決まっておらず、さまざまな具材が使われています。また恵方巻きは福を巻き込むともいわれ、縁起がよいそうです。
スーパーやコンビニエンスストアなどで、いろいろな恵方巻きが販売されていますがご家庭でも作れます。定番の恵方巻きのレシピをご紹介します。
恵方巻き
三つ葉、しいたけ、かんぴょう、卵焼きで作る恵方巻きです。具材はお好みのものをお使いください。焼きのりの端に酢飯をのせずに残しておくと、巻き終わりがきれいに仕上がります。簡単にできるのでぜひ挑戦してみましょう。
【豆】
豆まきのあとには邪気を追い払って健康を願い、自分の年齢よりひとつ多く食べます。年齢を重ねてくると年齢の数の豆を食べることが難しくなるので、豆を食べる代わりに福茶を飲むのがおすすめです。
福茶は無病息災を願って飲むお茶のことで、大晦日、元日、節分などに飲まれています。節分に飲む福茶は塩昆布、梅干し、大豆に熱湯を注いで作ります。
福茶の作り方は下記のレシピを参考にしてください。
福茶
一年の無病息災を願って福茶を飲みましょう。大豆は煎ることで香ばしくなります。豆が三粒なのは縁起がよいといわれる数字だからです。熱湯の代わりに緑茶にしてもおいしくいただけますよ。
【イワシ】
関西地方では、魔除けとして柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る風習があります。柊鰯とは、焼いたイワシの頭を柊の枝に刺したものです。鬼はイワシのにおいと柊の棘が苦手とされており、イワシを焼くときに出る煙と柊の葉の棘で鬼を追い払うという意味があります。
また、関西地方の一部では節分にイワシを食べる習慣があります。イワシは漢字で「魚へんに弱い」と書くこと、傷みやすい魚ということから弱さを表した魚です。弱いといわれるイワシを食べることで、体内の陰の気を消して無病息災を願うという意味があります。
節分にイワシを食べるときにおすすめのレシピをご紹介します。
イワシの塩焼き
フライパンに油をひいてイワシの両面をこんがりと焼くだけの簡単レシピです。皮はパリパリ、身はふっくらとした焼き上がりになりますよ。大根おろし、すだちでさっぱりといただきましょう。
【しもつかれ】
しもつかれは栃木県や埼玉県で食べられている縁起物です。正月の残りの塩鮭の頭、節分の残りの豆、鬼おろしでおろした大根やにんじん、油揚げ、酒粕を煮込んで作られています。
2月の初午の時期に五穀豊穣や無病息災を願うため、赤飯とともに稲荷神社にお供えする行事食です。魔除けや厄除けなど縁起のよい意味があり、正月や節分に食べられるようになりました。
塩鮭の頭や節分の豆を使わずに、ご家庭でも簡単に作れるしもつかれのレシピをご紹介します。
しもつかれ
塩鮭の頭の代わりに塩鮭の切り身を使い、鬼おろしでおろす大根やにんじんをみじん切りすることで手軽に作れるようにアレンジしました。味付けはしょうゆと塩でシンプルに仕上げます。酒粕独特の香りが特徴です。
【鬼除け汁】
鬼除け汁の由来ははっきりしていませんが、豚肉と根菜を使ったみそ汁に蒸した大豆を入れたもので、食べると厄除けになるといわれています。別名で「節分汁」とも呼ばれています。
恵方巻きのお供に食べたい、鬼除け汁のレシピをご紹介します。
鬼除け汁
豚肉と根菜をごま油で炒めて煮込みます。大豆はみそを溶き入れる直前に加えてください。具だくさんでボリュームがあり、体もあたたまりますよ。お好みで七味唐辛子をかけていただきましょう。
【けんちん汁】
けんちん汁は関東地方で節分に食べられています。大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豆腐などをごま油で炒めてだしで煮込み、しょうゆなどで味付けをした汁物です。節分は冬の寒い時期の行事なので、体をあたためるためにけんちん汁を食べるようになりました。
恵方巻きと一緒に食べたい、けんちん汁のレシピをご紹介します。
けんちん汁
具材の旨味を活かしたやさしい味わいのけんちん汁です。和風顆粒だしを使うので手軽にできますよ。こんにゃくはスプーンでちぎると味が染み込みやすくなります。ほかの具材を足すのもおすすめです。
【そば】
二十四節気では立春は新年の始まりであり、立春の前日である節分を一年の終わりと考えていました。江戸時代には節分を年越しとして節分そばを食べる習慣があり、現在でも大晦日に食べる年越しそばと同じように、節分にそばを食べる習慣が残っています。
そばは歯で切りやすいことから厄を断ち切るという意味や、そばのように長くて細く生きるという長寿の願いが込められています。節分そばの具材は特に決まっていません。
おすすめの節分そばのレシピをご紹介します。
いわしの節分蕎麦
節分に食べると縁起がよいといわれるいわしを蒲焼きにしてそばにのせます。甘辛いたれがからんだ蒲焼きがさっぱりとしたそばによく合います。節分には恵方巻きを食べているという方も、節分そばを食べてみてはいかがでしょうか。
節分と恵方巻きについて
節分と恵方巻きについては、それぞれこちらの記事でもご紹介しているのであわせてご覧ください。
節分の食べ物にはそれぞれ意味がある
広く知られている豆や恵方巻き以外にも、節分の食べ物はたくさんあります。地域によって特色があり、節分に食べるとは知らなかったものもあったのではないでしょうか。
節分に関する料理にはそれぞれ食べる意味があり、縁起のよいものばかりです。定番のメニューに加えご紹介した一品も取り入れて、普段とは違う節分を楽しむのもよいですね。