DELISH KITCHEN

北陸の名物「昆布締め」とは?味の特徴や自宅で作れるレシピをご紹介

作成日: 2023/10/22

タイやヒラメなど魚介類のお刺身を昆布で巻いた「昆布締め」は、日本に昔から伝わる料理方法です。

もとは、昆布締めにすることでお刺身の余分な水分を取り、日持ちさせることが目的でした。
昆布締めは、和食料理のお店で食べたりスーパーのお惣菜として売られていたりと、日本全国で親しまれている料理です。
石川や富山、福井など北陸の方では寒い時期に食べる名物料理となっています。

この記事では、昆布締めとはどんな料理なのか歴史や味わいの特徴と、昆布締めにおすすめの食材をご紹介します。ご自宅で昆布締めを味わえるおすすめレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 昆布締めとは?
    1. どんな料理?
    2. 昆布締めの歴史
    3. 昆布締め味やその他の特徴
  2. 昆布締めにおすすめの食材
    1. 定番食材
    2. 変わり種食材
    3. 昆布の選び方
  3. 自宅で作れる昆布締めのレシピ
    1. 材料 【2人分】
    2. 手順
    3. ポイント
  4. DELISH KITCHENの昆布締めのレシピ
    1. 旨味たっぷり♪ヒラメ昆布締め
    2. さっぱりおいしい♪アジの昆布締め
    3. さっぱりいただく♪ブリの昆布締め
    4. 春の味覚♪さよりの昆布締めにぎり
  5. 食材の美味しさを引き出す昆布締めにチャレンジしよう!

昆布締めとは?

昆布締めとは、どのような料理のことでしょうか。ここでは、昆布締めの特徴や歴史、味についてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

どんな料理?

昆布締めとは、新鮮な刺身を昆布で挟み、旨みを染み込ませた料理です。日本全国に広まっている料理ですが、もとは富山県発祥の郷土料理といわれ、現在でも北陸を中心に食べられています。

昆布締めの歴史

昆布締めの歴史は、江戸時代までさかのぼります。当時は、日本海を行き来する海運船である「北前船」が北海道の積荷を運んでいました。北前船が富山県に寄港したことから、北海道の良質な昆布が手に入りやすく、昆布締めという料理に発展したといわれています。

元々は、冷蔵庫がなかった時代に魚の保存方法として広まった昆布締めでしたが、昆布の旨みが染みこんだ味わいや栄養面に優れていることから料理としても食べられるようになりました。

昆布締めが保存食とされていたのは、乾燥した昆布に食材の水分が吸収され、そのままでは傷みやすい刺身などの鮮度を保つことができるためとされています。

昆布締め味やその他の特徴

昆布締めにした食材は、旨みや甘みが増します。これは昆布に含まれるグルタミン酸が、食材に作用するためです。また、昆布に吸収され、水分が程よく抜けているため、刺身で食べるよりもしっかりした食感が楽しめます。昆布でしめることで、食感がねっとりとしていることも特徴です。

昆布締めにおすすめの食材

魚の刺身を使うことが多い昆布締めですが、どのような食材が向いているのでしょうか。ここからは、昆布締めにおすすめの食材を、定番食材と変わり種食材に分けてご紹介します。

定番食材

まずは、定番の食材です。昆布締めの定番食材といえば、タイやヒラメなどの魚介です。

・タイ
淡白な味わいのタイですが、昆布締めにすることで旨みとねっとりとした食感が加わり、より深い味わいが楽しめます。

・ヒラメ
ヒラメは身が硬く、昆布締めにしてもしっかりとした食感が味わえます。

・アジ
青魚であるアジは、昆布締めにすることで独特の臭いが気にならなくなります。すだちやゆずなどの果汁を絞って食べるのもおすすめです。

・ハマチ
ハマチは昆布締めにすると、昆布の風味とハマチの脂が合わさってより美味しく食べられます。

・ブリ
脂が乗ったブリは足が早く傷みやすいため、刺身で食べきれない場合は、昆布締めにするのがおすすめです。

・カジキ
カジキは、富山県では「サス」とも呼ばれる昆布締めの人気食材のひとつです。昆布の旨みを吸わせることで、上品な味わいが楽しめます。

・白エビ
富山県名産の白えびも、昆布締めの定番食材です。ねっとりと甘い白エビに昆布の旨味がよく合います。

・〆サバ
昆布の塩気と旨味が、酢でしめたサバの味わいを引き立てて、お酒のおつまみにもぴったりです。

・イカ / ホタルイカ
イカやホタルイカを昆布締めすることで、よりねっとりとした食感と旨味が楽しめます。

・バイ貝 / 貝類
バイ貝や貝類の昆布締めは、コリコリとした貝の食感と昆布の旨味が魅力です。

変わり種食材

ここからは、昆布締めにおすすめの変わり種食材についてご紹介します。

・マグロ
赤身のマグロも、昆布締めと相性のよい食材です。ねっとりとした食感はそのまま食べても丼にするのもおすすめです。

・サーモン
脂の乗ったサーモンの昆布締めは、ねっとりとした食感と凝縮した旨みが味わえます。

・鶏ささみ
淡白な味の鶏ささみですが、昆布締めにすることで旨みがアップし、どんどん食べられる後引く味に変化します。

・牛肉
牛肉と昆布の旨みが合わさって、まろやかな味が楽しめます。

・きゅうり
昆布の塩分で程よく水分が抜け、青臭さを抑えた食べやすいきゅうりになります。

・かぶ
かぶに昆布の塩味と旨みがなじんで、ご飯のお供や箸休めにぴったりの味わいです。

・ワラビなどの山菜類
山菜に昆布の旨みがプラスされて、より味わい深く仕上がります。

赤身のマグロやサーモンなどの昆布締めはあまり馴染みがありませんが、美味しくいただけるのでおすすめです。鶏肉や牛肉を昆布締めにすることで、旨味がプラスされてより上品な味わいが楽しめるでしょう。山菜や野菜だけでなく、きのこも昆布締めにできますので、ぜひチャレンジしてみてください。

昆布の選び方

昆布締めに使う昆布の種類は、特に決まっていません。食材をいくつも挟むことを考えると、幅広く平らな昆布がおすすめです。

自宅で作れる昆布締めのレシピ

昆布締めは自宅でも手軽に作れます。今回は鯛を使った昆布締めの作り方を紹介しますので、ぜひお試しください。レシピの詳細は、以下のページからご覧いただけます。

上品な味わい♪鯛の昆布締め

材料 【2人分】

鯛(刺身) 150g
昆布(乾燥) 4枚(各10cm)
塩 小さじ1/3

☆合わせ酢
水 100cc
酢 大さじ2

手順

①昆布は湿ったキッチンペーパーで汚れをふきとる。バットに☆を入れて混ぜ、昆布を加えてやわらかくなるまで10分ほどおく。水気を切る。


②鯛は包丁を寝かしながらそぐようにして、食べやすい大きさに切る(そぎ切り)。

③バットに昆布半量を敷き、塩半量を全体にふる。鯛を重ならないように並べてのせ、残りの塩を全体にふる。残りの昆布を広げてのせる。ラップを密着させるようにかぶせ、重しをのせる。冷蔵庫で2〜5時間ほどおく。

ポイント

・2時間ほどおくと、鯛と昆布の風味がバランス良く仕上がります。
・4〜5時間ほどおくと、鯛の身がより締まり、透明感が出て、昆布のうま味がしっかりと感じられる仕上がりになります。

DELISH KITCHENの昆布締めのレシピ

ここからは、昆布締めのおすすめレシピをご紹介します。

旨味たっぷり♪ヒラメ昆布締め

白身魚のヒラメの昆布締めレシピです。ヒラメを昆布締めすることでより旨みが引き出され、深い味わいに仕上がります。酢の風味が全体の味を引き締め、どんどん食べられる後引く味わいです。ぜひお試しください。

さっぱりおいしい♪アジの昆布締め

今日の晩ごはんに、さっぱりと食べられるアジの昆布締めを作ってみませんか。昆布締めにしたアジは、身がふっくら柔らかく格別な美味しさですよ。2〜3時間で出来上がるので、思い立ったときにすぐにお作りいただけます。

さっぱりいただく♪ブリの昆布締め

脂の乗ったブリを、昆布締めでいただきましょう。昆布の旨みをプラスしたブリは、ふっくらとした食感でとても美味しいですよ。醤油をつけて食べるのはもちろん、かぼすやすだちなどを絞っていただくのもおすすめです。

春の味覚♪さよりの昆布締めにぎり

昆布締めにしたさよりをにぎりにしていただく、おすすめレシピです。酢飯にのせた大葉がさよりの身に透けて、見た目もきれいな一品です。昆布締めにしたさよりは、あっさりとした味わいに甘みが感じられ思わずクセになります。

食材の美味しさを引き出す昆布締めにチャレンジしよう!

昆布締めは、昆布で食材を挟み余分な水分を取る調理法です。日本全国に広まった昆布締めですが、もとは福井県に伝わる伝統料理です。食材の水分を程よく取ることで食感がよくなるだけでなく、昆布の旨みをプラスして味わい深く仕上がります。

タイやヒラメなど白身魚が定番の食材ですが、肉や野菜でも楽しめます。ここでご紹介したレシピを参考に、ご自宅で昆布締めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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