スコーンとは?イギリス式とアメリカ式の違いもご紹介
作成日: 2024/01/15
最近、イギリスのアフタヌーンティーが人気になり、「ヌン活」として浸透してきました。このブームで注目されるようになったのが、スコーンというお菓子です。本場イギリスのアフタヌーンティーでは、紅茶と一緒にスコーンを味わうのが一般的です。アフタヌーンティーに欠かせないスコーンとは、どのような特徴のお菓子なのでしょうか。
この記事では、スコーンの基礎知識や発祥、イギリス式とアメリカ式スコーンの違いをご紹介します。おすすめの食べ方やレシピもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
スコーンはどんな食べ物?
スコーン(scone)とは、イギリスのアフタヌーンティーに代表される伝統のあるスイーツです。小麦粉やバター、砂糖、ベーキングパウダーなどの材料をもとに作られます。オーブンで焼き上げたスコーンは、外側はサクッと、内側はふんわりとした食感が楽しめます。日本でも、ティータイムや朝食に食べられており、カフェやパン屋さん、スーパーなどでも手軽に手に入ります。
日本では「スコーン」と呼ばれますが、海外では地域によって「スコーン」や「スコン」と発音する場合があるようです。イギリスでは「スコン」と短く発音する地域は、スコットランドや北アイルランド、北イングランドなど北部に多く見られます。「スコーン」と発音する地域は、ロンドンやイギリス中央に多いようです。
スコーンと同じような形や食感のスイーツに、ビスケットがあります。スコーンはバターを多く使うのに対して、ビスケットはバターの量が少なくサクサクとした食感です。あとでご紹介しますが、同じスコーンと呼ばれるスイーツでも、イギリスとアメリカでは食感や味わい、食べ方に違いがあります。
スコーンの歴史
スコーンがどこで生まれたかについて諸説ありますが、その中のひとつにイングランド発祥という説があります。スコーンのもととなる食べ物は、イングランドの「バノック」というパンの一種で、16世紀の文献に記述が残っています。
当時は、粗挽きの大麦粉など粗末な材料から作られていましたが、オーブンやベーキングパウダーの普及により、現在のような形になったといわれています。同時にイギリスやアメリカにも伝わり、さまざまな国でスコーンが独自の変化を遂げました。
18世紀になると、イギリス全体にアフタヌーンティーやティータイムの文化が広まり、上流階級や富裕層のティータイムに出されるスイーツとしてスコーンが食べられるようになったようです。アフタヌーンティー文化が伝わった日本でも、有名ホテルや専門店のアフタヌーンティーでは紅茶などと一緒にスコーンが提供されています。
イギリス式スコーンとアメリカ式スコーンの違い
同じ「スコーン」という名前のスイーツですが、イギリス式とアメリカ式では見た目や食感、味が異なります。ここからは、イギリス式、アメリカ式それぞれのスコーンの特徴についてご紹介します。
イギリス式スコーンの特徴
イギリスのアフタヌーンティーで食べられるスコーンは、形が丸く、サクサクやホロホロっとした食感のものが一般的です。紅茶と一緒に食べるため、水分が少ない食感でも特に問題ないようです。材料には、生クリームやバターを使うレシピが多くあります。
スコーン自体は甘さ控えめで、ジャムやクロテッドクリームをトッピングして食べるのが一般的です。クロテッドクリームの詳細については、以下の記事をご参照ください。
イギリス式スコーンは、ジャムなどをつけて食べるため特に味付けされていないものがほとんどです。紅茶の風味をより楽しむため、アールグレイなどの紅茶の茶葉を練り込んで作られたものもあります。
アメリカ式スコーンの特徴
アメリカ式スコーンは、三角形のものが一般的で、日本でいう「ビスケット」のような見た目をしています。イギリス式スコーンがバターを使うのに対して、アメリカ式スコーンはショートニングやラードを使うものが多く、しっとりとした重めの食感が特徴です。
イギリス式スコーンよりも砂糖を多く使うため、味は甘いものが一般的です。プレーンなものは少なく、チョコレートチャンクやナッツなどが練り込まれており、単品でも美味しく食べられるようになっています。イギリスのようにティータイムという文化がないため、朝食やブランチのときにコーヒーやミルクと一緒に食べられます。
スコーンのおすすめの食べ方
アフタヌーンティーやティータイムで食べられるイギリス式スコーンは、温かい状態で食べるとより美味しく食べられます。ここからは、イギリス式スコーンのおすすめの食べ方をご紹介します。
①スコーンを温める
スコーンは冷めても美味しいですが、本来の美味しさを味わうなら、温めて食べるのがおすすめです。ご自宅でスコーンを手作りする場合も、なるべく温かいうちに食べたほうが美味しく食べられます。冷めてしまったら、トースターや電子レンジを使って温めましょう。
トースターで温める場合は、焦げないようアルミホイルを巻いて温め、最後にアルミホイルを外して焼くと、外はサクッと中はホロっとしたスコーンになります。
電子レンジの場合は、温めた後にトースターで焼くことで、サクっとした美味しいスコーンになります。
②半分に割る
スコーンは、真ん中のくぼみから横半分に割って食べます。本場イギリスでは、ナイフでカットしたり割らずに食べたりすることは、マナー違反とされています。また、縦方向にカットしたり細かくしたりすると、ポロポロとこぼれやすくなるため、横半分に割るのが食べやすくおすすめです。
③クロテッドクリーム / ジャムを塗る
半分に割ったスコーンに、クロテッドクリームやジャムをトッピングします。イギリス式スコーンは、甘くないものが多いため、ジャムやクリームで味をプラスして食べるのが定番です。イチゴジャムやブルーベリージャム、マーマレードなど、スコーンに合うお気に入りのジャムを探すのもおすすめです。
甘くないほうが好みという方は、クロテッドクリームやジャムを付けなくても、美味しく食べられます。
④紅茶と一緒に食べる
本場イギリスでは、アフタヌーンティーで食べられるスコーンは、紅茶との相性がぴったりです。スコーンに合うおすすめの紅茶を以下でご紹介します。
・アッサム
まろやかで渋みが少ないアッサムは、食べ物の味を邪魔しないのでスコーンと合わせるのにおすすめの紅茶です。ほのかな甘い香りが特徴で、ミルクティーにも向いています。
・イングリッシュブレックファスト
イングリッシュブレックファストは、アッサムをベースにしたブレンドティーです。朝食に合うように茶葉をブレンドしているので、スコーンともよく合います。
・セイロン
すっきりとした香りと程よい渋みが特徴のセイロンは、後味をさっぱりとさせたいときにおすすめです。渋みがクロテッドクリームの後味を打ち消してくれるため、スコーンにクリームをたっぷり付けて食べたい方に向いています。
DELISH KITCHENのスコーンレシピをご紹介
スコーンを好きなときに味わいたいという場合は、手作りしてみるのもおすすめです。ここからは、ご自宅で作れるスコーンのおすすめレシピをご紹介します。イギリス式やアメリカ式のレシピが揃っているので、ぜひチャレンジしてみてください。
お手軽チョコチップスコーン
ホットケーキミックスで手軽に作れる、チョコチップスコーンをご紹介します。ホットケーキミックスには、小麦粉やベーキングパウダーが入っているため、手間をかけずに手作りスコーンが作れるのでおすすめです。ぜひ作ってみてください。
紅茶のスコーン
香りのよいアールグレイの茶葉を練り込んだ、紅茶のスコーンです。温かいスコーンを食べると、紅茶の良い香りがふわっと口いっぱいに広がります。室温でバターが溶けやすいので、冷やしながら作るのが上手に作るコツです。
お手軽抹茶チョコスコーン
抹茶のほろ苦さとホワイトチョコレートの甘みが相性抜群の、抹茶スコーンを作ってみませんか。ホットケーキミックスで簡単に作れるので、思い立ったときにパパッと作れるのが魅力です。お好きな飲み物と一緒に味わいましょう。
お手軽紅茶スコーン
こちらは、紅茶の茶葉を練り込んだアメリカ式スコーンです。紅茶の香りがたっぷり楽しめるスコーンは、朝食やおやつにぴったりです。お好みの紅茶の茶葉でアレンジするのもいいでしょう。出来立てを紅茶と一緒に味わってみてください。
いちごスコーン
散りばめた赤いいちごが、見た目もかわいらしいスコーンです。甘酸っぱいいちごとまろやかでコクのあるクリームチーズが、ヨーグルトを加えたさわやかな風味のスコーンによく合います。おもてなしにもおすすめです。
チーズスコーン
スイーツ系のスコーンと違う味が試したくなったら、チーズの風味たっぷりの食事系スコーンはいかがですか。粉チーズを生地に加えることで塩気とコクがプラスされ、甘塩っぱい味わいが楽しめます。黒こしょうのスパイシーな風味がクセになります。
イギリス式とアメリカ式どちらのスコーンがお好み?
スコーンは、イギリスの伝統文化アフタヌーンティーに欠かせないスイーツです。16世紀ごろにスコットランドで生まれたとされるスコーンは、イギリスや世界各地に広まりました。
スコーンにはイギリス式とアメリカ式があります。クロテッドクリームとジャムを添えて食べられるイギリス式スコーンには、ほとんど甘みがありません。一方でアメリカ式スコーンは、生地にチョコレートチャンクやナッツなどを練り込んで、そのままでも美味しく食べられるよう砂糖が加えてあります。
イギリス式スコーンを美味しく味わうには、温めてから半分に割り、クロテッドクリームやジャムを付けて紅茶と一緒に食べるのがおすすめです。ご自宅で手作りできるので、レシピを参考にぜひお試しください。