玄米の美味しい炊き方は?気になるカロリーもご紹介
作成日: 2021/03/01
テレビや雑誌で取り上げられることも多い「玄米」。何となく炊き方や食べ方が難しそうなイメージがあり、興味はあっても手に取ったことがないという人もいるのではないでしょうか。しかし、玄米は炊き方のちょっとしたコツさえ分かれば意外と簡単に炊くことができます。
この記事では、玄米の美味しい炊き方やカロリー、白米や発芽玄米との違いについてや、おすすめレシピをご紹介します。
玄米について
まずは玄米の特徴やカロリーについてチェックしてみましょう。
玄米とは
玄米は一言でいうと精米する前の段階のお米です。
田んぼの稲を刈って脱穀すると実の部分だけが残ります。この残った実の部分を籾(もみ)といい、お米に殻が付いた状態です。籾はそのまま冬を越して種まきをすると発芽します。
玄米は籾の殻を取り除いたもので、ベージュっぽい色をしているのが特徴です。
精米する前の玄米は白米として食べている胚乳の一部には「胚芽」が付いています。
その周りを「澱粉層」「種皮」「果皮」が重なった「ぬか層(糖層)」が包み込みひと粒の玄米になっています。
カロリー
胚芽やぬか層が付いた状態の玄米はカロリーも気になりますよね。
玄米のカロリーは以下の通りです。
・1合分(炊いたあと)330g…約502kcal
・お茶碗一杯分150g…228kcal
可食部100gあたりに換算すると152kcalとなります。
三大栄養素は以下の通りです。
・たんぱく質…2.8g
・脂質…1.0g
・炭水化物…35.6g
このほか食物繊維は1.4g、マグネシウムが49mg、ナイアシンが2.9mg、ビタミンB₆は0.21mgなど、さまざまな栄養素が含まれていることが分かります。
半分精米して白っぽくなり、胚芽はそのまま残っている5分つき玄米のカロリーは以下の通りです。
・1合分(炊いたあと)350g…539kcal
・お茶碗一杯分150g…231kcal
可食部100gあたりに換算すると154kcalで、三大栄養素は以下の通りになります。
・たんぱく質…2.7g
・脂質…0.6g
・炭水化物…36.4g
食物繊維は0.8g、マグネシウムは22mg、ナイアシンは1.6mg、ビタミンB₆が0.07mg含まれています。
胚芽が少しなくなり、白米に近い状態まで精米した7分つきの玄米のカロリーは以下の通りです。
・1合分(炊いたあと)350g…560kcal
・お茶碗一杯分150g…240kcal
可食部100gあたりのカロリーは160kcal。
三大栄養素は以下の通りです。
・たんぱく質…2.6g
・脂質…0.5g
・炭水化物…36.7g
7分つき玄米の食物繊維は0.5g、マグネシウムは13mg、ナイアシンは0.8mg、ビタミンB₆が0.03mgとなっています。
糖質
玄米の糖質は可食部100gあたり以下の通りになります。
玄米…34.2g
5分つき玄米…35.6g
7分つき玄米…36.2g
3種類のなかでも精米して白米に近くなった7分つき玄米の糖質が高くなるのは、精米によって食物繊維が減ったからです。
炭水化物は「食物繊維+糖質」のこと。それぞれの栄養素をみると分かる通り玄米、5分つき、7分つきになるにつれて炭水化物は増えているのに食物繊維は減っています。その結果、糖質の量も増えていくのです。
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
玄米の美味しい炊き方
玄米について分かったところで、美味しく炊くコツをご紹介します。
玄米は炊飯器、鍋、圧力鍋で炊きますが、それぞれ水加減が重要なポイントです。
炊飯器
炊飯器は玄米モードを使えば簡単に美味しく炊けます。
炊飯器に入れる前にしっかし浸水しておくことや、炊飯器に入れたら塩を混ぜて平らにならすことがポイントです。
詳しくはこちらのレシピをご覧ください。
・玄米の炊き方(炊飯器)
鍋
鍋で玄米を炊く際は浸水時間を長めにします。
水加減や加熱時間に気を付ければ、鍋でもふっくらとした玄米が炊けますよ。
こちらのレシピでは詳しい水加減や加熱時間についてご紹介しています。
・玄米の炊き方(鍋)
圧力鍋
圧力鍋も炊飯器同様、簡単に玄米が炊けます。加圧時間と蒸らし時間を意識しましょう。
詳しくはこちらのレシピをご覧ください。
・圧力鍋で玄米ごはん
白米との違い
普段食べ慣れている白米と玄米にはどのような違いがあるのでしょうか。
白米とは
白米は籾を完全に精米した状態で、胚芽やぬか層がありません。
籾の中身のうち胚乳のみの状態なので、水を加えて炊きあげるとふっくら仕上がるのが特徴です。また、胚芽やぬか層がないことで浸水時間は短くて済みます。
カロリー
白米のカロリーは以下の通りです。
・1合分(炊いたあと)350g…546kcal
・お茶碗一杯分150g…234kcal
100gあたりに換算すると156kclで、玄米とそれほど大きな差はありません。
三大栄養素は以下の通りです。
・たんぱく質…2.5g
・脂質…0.3g
・炭水化物…37.1g
たんぱく質や炭水化物もそれほど差がないようにみえますね。
そのほかの主な栄養素は、食物繊維が1.5g、マグネシウムが7mg、ナイアシンは0.2mg、ビタミンB₆は0.02mgとなっています。
三大栄養素以外の栄養素は、玄米に比べて大幅に少なくなっているようです。
糖質
白米の糖質は可食部100gあたり35.6gです。
玄米の糖質は34.2gなので、白米は玄米よりも糖質が少し多く含まれていることが分かります。
玄米と白米の栄養素には大きな違いがあることが分かりました。
発芽玄米との違い
スーパーのお米コーナーに白米や玄米と共に並んでいる発芽玄米にはどのような特徴があるのでしょうか。
発芽玄米とは
発芽玄米は少しだけ発芽させた玄米のことです。
玄米に水を与えることで発芽し、生長に必要な栄養素が玄米のなかで増えるため栄養素の面から注目を集めています。発芽玄米の皮は柔らかく、炊くと内部は水を吸収してふっくらとしているため、噛むとはじけてプチっとした食感を楽しめます。
カロリー
発芽玄米のカロリーは以下の通りです。
・1合分(炊いたあと)330g…約531kcal
・お茶碗一杯分150g…約242kcal
可食部100g当たりに換算すると161kcalで、玄米と比べると高くなっています。
三大栄養素は以下の通りです。
・たんぱく質…3.0g
・脂質…1.4g
・炭水化物…35.0g
発芽玄米の三大栄養素も玄米とそこまで大きな違いはありません。
そのほかの主な栄養素は食物繊維が1.8g、マグネシウムが53mg、ナイアシンは2.0mg、ビタミンB₆が0.13mgです。玄米と比べると食物繊維やマグネシウムが増えています。
糖質
発芽玄米の糖質は、可食部100gあたり33.2gです。
発芽玄米の炭水化物は玄米と大きな差がないにもかかわらず、食物繊維が少し多いため糖質が少なくなっています。
発芽玄米の炊き方
発芽玄米だけでも美味しく食べられますが、白米と混ぜて炊くことでより食べやすくなります。
はじめに発芽玄米のみを浸水しておき、炊飯器に入れる段階で白米を加えるのがコツです。
詳しい炊き方は以下のレシピをご覧ください。
・発芽玄米ごはんの炊き方
玄米を使ったDELISH KITCHENのレシピ
最後に、玄米を使ったおすすめレシピをご紹介します。
桜えびの玄米チャーハン
桜えびの風味をたっぷり楽しめる玄米チャーハンです。
桜えびを使うことで、調味料はしょうゆと塩こしょうだけで味がきまります。玄米をチャーハンにすると、パラパラになりますよ。
玄米の具だくさん炊き込みご飯
玄米は炊き込みご飯にもできます。豚肉のうまみとごぼうの香りで、玄米に慣れていない人でも食べやすいように仕上げました。
玄米を炊く際に具材を煮込んだ煮汁を使うのがポイントです。
キムチそぼろの玄米混ぜごはん
玄米を炊けば火を使わずに作れる玄米混ぜご飯です。
そぼろと炒り卵はレンジで加熱すればできるのでお手軽ですよ。玄米と枝豆の食感がよく食べ応え満点!
簡単にランチを済ませたいときにもおすすめです。
玄米と彩り野菜のサラダ
玄米をサラダにしてみました。ミニトマトやパプリカで彩りを添えて、野菜もたっぷりいただきましょう。
粒マスタードとレモン汁を使ったドレッシングは後味さっぱりで食べられます。
玄米を上手に炊いておいしく食べよう!
籾殻を取り除いただけの玄米は、さまざなま栄養素が含まれていることが分かりました。普段食べている白米の栄養素と比べてみると、分かりやすいですよね。
玄米は炊飯器をはじめ、鍋や圧力鍋でも炊けます。水加減やコツを覚えれば意外と簡単にできるので、これまで挑戦したことがない人もこれを機に玄米に挑戦してみましょう。