アジ(鯵)の旬はいつ?さばき方やおすすめの食べ方をご紹介
作成日: 2021/11/08
アジは刺身や塩焼き、揚げ物など、いろいろな料理にして楽しめます。一年中購入することのできるアジですが、旬の時期はいつなのかご存じでしょうか。また、アジにはいくつか種類があり、それぞれ見た目や味の特徴も異なります。
この記事では、アジの旬や種類、さばき方やおいしい食べ方などをご紹介します。
アジとは
アジは、アジ科マアジ属の魚です。名前の由来は、「味がいい」ということから「アジ」と名付けられました。暖かい海を好み、暖流にのって北海道南下から日本周辺を回遊しています。
アジは大きく2種類に分けられ、日本沿岸の内湾に住み着いているアジを「瀬付きアジ」と呼び、外洋を回遊しているアジを「外洋アジ」と呼びます。
瀬付きアジは魚体がやや黄色っぽい見た目で、身が厚く脂が乗っているのが特徴です。また、外洋アジは黒っぽい見た目で、身が筋肉質でさっぱりとした味わいです。
瀬付きアジは、表面が黄色みがかり光り輝いて黄金に見えることから「金アジ」とも呼ばれ、ブランド化されているアジもいます。
アジの旬
アジは通年入手することができますが、旬の時期は6~8月の春から夏の季節にかけてといわれています。この時期に漁獲されるアジは、小型~中型でそれほど大きくはありません。しかし脂ノリがよく、うまみがつまっているのが特徴です。
秋でもアジを楽しむことはできますが、秋以降のアジは大型のアジが多く、うまみも旬のアジに比べると劣ります。また早春の時期のアジは、まだ身が成長しておらず、「豆アジ」や「小アジ」と呼ばれるほど小さいです。
アジの種類
アジには複数の種類が存在します。ここでは、アジの中でも代表的な種類をご紹介します。
マアジ
マアジはアジの中でも、日本で古くから親しまれている定番の種類です。一般的に「アジ」と表記されるのは、このマアジのことが多くなっています。
日本全国でみられ、北海道から沖縄まで広く分布しています。主に漁獲されているのは、長崎県や島根県、福岡県などです。体長は30㎝ほどで、透明感のある白身はうまみと甘みが強く感じられます。
ムロアジ
ムロアジは鹿児島県や長崎県、大分県などの九州地方でよく漁獲されますが、和歌山県や高知県、愛媛県などでも漁獲されています。ムロアジは血合いが多く傷みが早いため、漁獲の行われている産地でしか流通されていません。
体長は40~50㎝ほどで、スリムな体形をしています。ムロアジは刺身でも食べられますが、主に加工されることが多い種類です。干物やけずり節に加工されることが多く、独特な臭いのする「クサヤ」もムロアジで作られています。
シマアジ
シマアジは、黄色い横縞模様が特徴の見た目なので「シマアジ」と名付けられました。しかし、伊豆諸島でよく水揚げされることから「島アジ」といわれるようになったとの説もあります。
シマアジは非常に希少性の高いアジで、マアジの漁獲量に対して50分の1程度しか漁獲されていません。中型以上の天然シマアジは非常に貴重なため、高額な値段がつけられます。
シマアジは大きいものだと120㎝を超えるものもありますが、一般的に市場などに出回っているものは60㎝以下のものが多いです。シマアジの身は透明感があり、上品なうまみとコクを味わえて、後味もよいのが特徴です。
おいしいアジの見分け方
アジを購入するときのポイントをご紹介します。
目
魚の新鮮さを見分けるには、目を確認することが重要です。目が澄んでいて、目全体が盛り上がっているものを選ぶようにしましょう。目が白濁して落ち込んでいるものは、鮮度が落ちているので避けるようにします。
エラ
エラの色がきれいな紅色のものは新鮮だといえます。黒ずんでいたり茶色くなっているものは鮮度が落ちているため、購入する際は気をつけましょう。
ハリ
アジを丸ごと買うときは、手に持ったときに身体が張っているものを選びます。新鮮なアジはピンと張っていますが、時間が経つにつれて身体がしなり平たくなります。
また全体的に丸みがあり、ツヤがあって身が厚いものを選ぶようにしましょう。
傷の有無
身体に傷のあるものは雑菌が繁殖しやすく、味が落ちている可能性があります。そのため、身体に傷がないか、背ビレや尾ビレは破れていないかなどの確認が必要です。
切り身の場合
表面にツヤがあり、全体的に透明感があるものがよいでしょう。身に弾力とハリがあるかも選ぶときのポイントです。水分が抜けてハリがないものや、パックに血水があるものは鮮度が落ちている可能性があります。
アジのさばき方
アジのさばき方について解説します。
アジの3枚おろし
魚をさばくときの基本となる3枚おろしです。3枚おろしができるようになれば、料理の幅も広がり役立ちますよ。細かいうろこやせいごは、口当たりもよくするためにも丁寧に取り除きましょう。中骨の部分は捨てずに、味噌汁などのだしや骨せんべいにして楽しめます。
アジの背開き
天ぷらやフライを作るときに便利な背開きの方法です。小ぶりなアジは背開きにすることで、大きく見えますよ。少しずつ丁寧に切り込みを入れて、背を開いていきましょう。
アジの腹開き
背開きに似た、腹開きのさばき方です。塩焼きやアジフライをするときにおすすめの方法です。背身を切り離すときは、皮まで切り離さないように気をつけましょう。血合い骨を抜くときは、骨の向きに合わせると抜きやすくなります。
アジの大名おろし
大名おろしとは、身が柔らかい魚や小ぶりな魚をさばくときに用いられる方法です。大名おろしの特徴は、3枚おろしよりも身が多く残りやすいことです。残った骨も、捨てずにだしなどに使っておいしくいただきましょう。
アジの保存方法
アジの冷凍保存方法についてご紹介します。
アジを冷凍するときは、塩または酒をふって5分ほどおき、臭みを取り除きます。冷凍するときは、バットにのせて冷凍庫に入れることで素早く冷凍できますよ。解凍するときは、冷蔵庫で自然解凍しましょう。
詳しい冷凍保存方法は、こちらの動画を参考にしてください。
旬のアジのおすすめの食べ方
旬のアジを活かしたおすすめの食べ方をご紹介します。
刺身
旬の新鮮なアジは、まずは刺身でいただくのがおすすめです。良質な魚の脂もしっかり味わえて、アジのうまみを堪能することができます。
なめろう
なめろうとは千葉県の郷土料理で、たたいた魚の身を味噌、ネギ、しょうがのみじん切りなどと混ぜ合わせて、なめらかになるまでたたいて作る料理です。
ご飯のお供やお酒のおつまみとしても楽しめます。お好みで、カツオやサンマなどの新鮮な魚でアレンジすることも可能ですよ。
塩焼き
シンプルな塩焼きは、素材の味をしっかり味わうことができます。魚焼きグリルがなくてもフライパンで焼くことが可能です。大根おろしを添えてさっぱりと楽しみましょう。
アジフライ
アジといえば、アジフライを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。ご家庭で作るアジフライは、新鮮で揚げたてなので絶品です。ぜひ、さばくところから作ってみてくださいね。
旬のアジをさばいて食べてみよう!
アジの旬の季節や種類、おいしいアジの見分け方、さばき方などをみていきました。年中、出回っている魚ですが6〜8月に旬を迎えます。旬のアジは小型から中型で、料理初心者の方でも比較的さばきやすい大きさですよ。
ご紹介したさばき方を参考に、ぜひご家庭で新鮮なアジを楽しみましょう。