あしたば(明日葉)とは?栄養やレシピもご紹介
作成日: 2021/12/01
最近では、スーパーなどでも珍しい野菜が店頭に並んでいることがありますが、あしたばという野菜を聞いたことがあるでしょうか。あまり出回っていないため、実際に見かけることは少ないかもしれません。
この記事では、あしたばについて特徴や含まれている栄養、おすすめの食べ方からレシピまでご紹介します。
あしたばについて
まずは、あしたばの特徴や産地、旬についてみていきましょう。
あしたばとは
あしたばは、セリ科シシウド属の多年草です。茎が緑色の「青茎」と、茶褐色の「赤茎」の2種類があります。
強い生命力と繁殖力がある植物で、今日に葉っぱを摘んでも明日にはもう若葉が出ていることから「あしたば(明日葉)」と名付けられました。
日本では古くから栽培されていて、江戸時代の「大和本草」という本に滋養強壮の効能がある薬草として紹介されています。
あしたばの旬・おもな産地
あしたばは日本原産の植物で、房総半島や三浦半島、伊豆七島などに自生しています。特に八丈島でよく食べられていたため「八丈草」とも呼ばれています。また近年では、東京近郊でも栽培が進められています。
旬の時期は新芽が出てくる2月から5月頃で、3月頃に出荷のピークを迎えます。スーパーなどではあまり見かけませんが、その時期には直売所などに並んでいることがあります。
あしたばの栄養
ここでは、あしたばのカロリーや栄養についてみていきましょう。生のあしたば(茎葉)100gあたりの数値は以下の通りです。
・カロリー…30kcal
・ビタミンC…41mg
・βカロテン…5300μg
・食物繊維…5.6g
・葉酸…100μg
ビタミンCは、体内でコラーゲンの生成に関与する水溶性ビタミンで、抗酸化作用があります。βカロテンは、活性酸素の働きを抑える作用があります。
食物繊維は、人間の消化酵素で消化することのできない栄養です。腸内環境を整える効果など身体の中で有用な働きがあり、「第6の栄養素」として注目されています。
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAを合成するための補酵素として働き、体の成長に関与している重要な栄養です。
ビタミンCと葉酸については、こちらで詳しくご紹介しています。
※βカロテンの数値は、βカロテン当量を記載しています
あしたばの食べ方
あしたばは葉と茎を食用にしていて、おもに若葉を食べます。葉の部分はセリ科の野菜特有のさわやかな香りと、ほのかな苦味があるのが特徴です。
茎はあまりくせがなく、ゆでるとアスパラのような食感が楽しめます。くせが気になる場合は、調理法を工夫することで食べやすくなるでしょう。
油との相性がよいため、若葉の天ぷらが定番の食べ方です。
ほかの調理をする際は、下ゆですることで苦味や香りがやわらぎます。茎と葉を切り分け、沸騰したお湯に茎を1分ほど浸します。葉はさっとくぐらせる程度にゆでましょう。下ゆでしたあしたばは、炒め物やおひたし、和え物など、さまざまな料理に使えます。
あしたばは、さまざまな栄養を含む野菜として知られていて、青汁の原料としても使われています。また原産地の伊豆七島では、あしたば茶としても親しまれています。
あしたばの選び方
あしたばは、葉につやがあり色が濃いものを選びましょう。鮮度が落ちてくると黄みがかってきます。
また、茎が太いものは固い場合があるので、細くてみずみずしいものがよいでしょう。切り口が乾燥していたり、変色していないかも確認するようにします。
あしたばの保存方法
あしたばは、乾燥しないように正しく保存しましょう。
濡らしてかたくしぼったキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れます。立てた状態で冷蔵庫に入れて保存しましょう。保存期間の目安は5日程度です。
あしたばを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、あしたばを使ったレシピをご紹介します。
アシタバの天ぷら
あしたばの定番の食べ方、天ぷらのレシピです。天ぷらにすることで独特のくせや苦味がやわらぎ、食べやすくなりますよ。衣をつけてカラッと揚げたら、塩やめんつゆでいただきましょう。
あしたばのおひたし
あしたばのおいしさをシンプルに味わえる、おひたしのレシピです。あしたばをゆでてしっかり水にさらすことで、独特のくせがやわらぎます。めんつゆとかつお節をかけるだけで簡単に作れるので、あと一品ほしいときにもおすすめです。
あしたばの白和え
あしたばとにんじん、木綿豆腐を使った白和えです。マヨネーズを入れることで、あしたばの独特のくせがやわらいで食べやすくなりますよ。おかずとしてはもちろん、おつまみにもおすすめです。
あしたば月見納豆
ゆでてみじん切りにしたあしたばと納豆、調味料を混ぜ、卵黄をのせていただきましょう。あしたばのほろ苦さと納豆の旨味、卵黄のコクが相性抜群です。ホカホカのごはんに合わせて食べるのがおすすめです。
あしたばのツナマヨサラダ
くせのあるあしたばは、ツナやマヨネーズと和えると食べやすくなります。茎から先にゆでると均一にやわらかくなりますよ。ごはんのお供にはもちろん、お酒のおつまみにもおすすめです。
あしたばの豚肉の甘辛炒め
油との相性がよいあしたばは、炒め物に向いています。あしたばのほろ苦さと豚肉の旨味、甘辛い味付けがよく合って食欲をそそる一品に。ごはんに合うメインおかずになりますよ。
あしたばは青汁にも使われるセリ科の野菜
あしたばはセリ科の野菜で、さわやかな香りとほのかな苦味が特徴です。日本では古くから栽培されており、いろいろな栄養が含まれているため青汁にも使われています。
スーパーではあまり見かけない珍しい野菜ですが、旬の時期には直売所などに並びます。定番の天ぷらのほか、おひたしや和え物、炒め物などで食べることができますよ。あしたばが手に入ったら、ご紹介したレシピを参考に味わってみましょう。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』ビタミンC
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット カロテノイド
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 食物繊維
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html)(2021/12/1)