DELISH KITCHEN

漬物にはどんな種類がある?地域ごとの漬物やレシピもご紹介

作成日: 2022/01/19

炊きたてのごはんと相性抜群の漬物。おかずがなくても、ごはんがいくらでも食べられてしまうという方もいるのではないでしょうか。漬物にはさまざまな種類があり、使う食材や調味料、漬け方などによってそれぞれ特徴があります。

この記事では代表的な漬物の種類や、全国にある漬物を地域ごとにみていきましょう。また、ご家庭で作れる漬物レシピもあわせてご紹介します。

目次

  1. 漬物とは
  2. 代表的な漬物の種類
    1. 梅干し
    2. たくあん
    3. ぬか漬け
    4. 浅漬け
    5. 粕漬け
    6. 麹漬け
    7. 味噌漬け
    8. 醤油漬け
    9. 酢漬け
    10. からし漬け
    11. 発酵漬け
    12. キムチ
  3. 地域ごとの漬物の種類
    1. 北海道の漬物
    2. 東北地方の漬物
    3. 関東地方の漬物
    4. 中部地方の漬物
    5. 近畿地方の漬物
    6. 中国・四国地方の漬物
    7. 九州地方の漬物
  4. DELISH KITCHENの漬物レシピ
    1. 梅干しの作り方
    2. 白菜の塩漬け
    3. キャベツとゆずの浅漬け
    4. 大根のぬか漬け
    5. きゅうりのしょうゆ漬け
    6. かぶの甘酢漬け
    7. なすの塩麹漬け
    8. 松前漬け
  5. さまざまな種類の漬物を楽しもう

漬物とは

漬物はもともと食品の貯蔵方法の一種です。野菜などの農産物や海産物などを保管するために生まれ、それによって作られたものは日本の食卓に欠かせない食品となっています。

漬物にはさまざまな種類があり、地方の風土や気候、特徴が反映されています。漬け方だけでも塩漬け、醤油漬け、味噌漬け、もろみ漬け、糠漬け、酢漬け、粕漬け、からし漬け、発酵漬けなどがあります。

代表的な漬物の種類

漬物は地域や家庭によってもいろいろなものがあります。ここからは、代表的な漬物の種類をみていきましょう。

梅干し

梅干しは、梅の実を塩漬けして天日干しをしたあと、しその葉と一緒に漬け込んだものです。酸味が強いのが特徴で、昔からおにぎりの具材などに使われています。平安時代からあるとされていて、清少納言の枕草子にも梅干しが登場しています。

たくあん

たくあんは、天日干しにした大根をぬかに漬けたものや、干さずに塩漬けしたもの、調味液に漬けたものなどさまざまな種類があります。それぞれ食感や色、味などが異なっています。

ぬか漬け

ぬか漬けは、ぬか床に野菜などを漬け込んで作る漬物のことです。ぬか床は米ぬかや塩、水、唐辛子などを混ぜて乳酸発酵させたものです。深い旨味とほどよい酸味が特徴で、きゅうりや大根、なすなどがよく使われています。

浅漬け

浅漬けは、なすやきゅうりなどを調味液に短時間で漬け込んで作ったものです。即席漬けや一夜漬け、お新香などがあります。長い時間で漬け込んでいないため、野菜本来の味が楽しめます。

白菜漬けは浅漬けを代表する漬物のひとつで、市販の漬物のなかでも人気があります。低濃度の塩で漬け込んでいるため、白菜本来の風味が活かされています。

粕漬け

粕漬けは、酒を作ったあとにできる酒粕、みりん粕に食材を漬け込んだもので、ほどよい甘味と塩気が楽しめます。代表的なものに奈良漬やわさび漬があげられます。

麹漬け

麹漬けは、麹を主材料として作られるもので、べったら漬けが有名です。白菜やなす、かぶ、大根などの野菜を、一度塩漬けにしてから麹で漬けます。

味噌漬け

味噌漬けは、肉や魚、野菜などの食材を味噌に漬け込んだものです。 味噌そのものが食用であることが特徴で、味噌の風味が食材にしっかり移ります。

醤油漬け

醤油漬けは、醤油を主とした材料に下処理した野菜を漬け込んだものです。福神漬けや松前漬け、つぼ漬けなどがこれにあたります。

酢漬け

酢漬けは、野菜などの食材を酢に漬け込んだもので、らっきょう漬けや千枚漬けなどがあります。海外では、こしょうや唐辛子などの香辛料と漬け込んだピクルスが有名です。

からし漬け

からし漬けは、野菜などを塩漬けしたあと、からしや酒、麹などを混ぜ合わせて漬け込んだものです。なすや大根、きゅうりなどがよく使われます。

発酵漬け

発酵漬けは、乳酸発酵によってできる酸味が特徴の漬物です。野菜に蓄えられた糖分が分解され、発酵することによって旨味成分であるアミノ酸が生成されます。すぐき漬け、すんき漬けなどがあります。

キムチ

キムチは、唐辛子や発酵させた魚介類、にんにくなどを混ぜて野菜を漬け込み、乳酸発酵させた韓国の伝統的な漬物です。白菜や大根、きゅうりを漬けたものがよく作られています。発酵が進むにつれて酸味が増していきます。

地域ごとの漬物の種類

日本全国には、その地域の気候や特産品を活かした漬物がたくさんあります。ここからは、それぞれの地域の漬物をエリアごとに分けてご紹介します。

北海道の漬物

・松前漬け…乾燥させたスルメイカと昆布を細く切り、醤油、酒、みりん、砂糖などに漬け込んだ北海道の郷土料理

・ニシン漬け…ニシンと野菜を一緒に漬け込んだもので、北海道のニシン産業の歴史を伝える郷土料理

・鮭のはさみ漬け…野菜で鮭をはさみ、米麹と塩で漬けたもので、古くから北海道の漁師町で愛されていた漬物

東北地方の漬物

・青菜漬け(山形県)…山形県名産の葉物野菜、山形高菜を使った山形県を代表する漬物

・おみ漬け(山形県)…山形高菜と大根、にんじん、きくいもなどを使った漬物

・晩菊漬け(山形県)…菊、大根、にんじん、なすなど、10種類もの野菜を刻んで、1年以上熟成して漬け込んだもの

・すしこ(青森県)…蒸したもち米に赤しそやキャベツ、きゅうりの古漬けを合わせて乳酸発酵させたもの

・金婚漬け(岩手県)…種をくりぬいた瓜の中に、昆布で巻いたにんじん、ごぼうをつめて漬け込んだもの

・いぶりがっこ(秋田県)…大根を囲炉裏の上につるし、熱と煙を利用して燻製乾燥させて漬け込んだもの

関東地方の漬物

・べったら漬け(東京都)…塩漬けした大根を砂糖や米麹などに漬けたもの

・福神漬け(東京都)…野菜を醤油液に漬けたもので、7種類の野菜を使っていることから七福神にちなんで名付けられたといわれている

・たまり漬け(栃木県)…味噌を作るときにできる上澄みに野菜を漬けたもの

・ごさい漬け(茨城県)…サンマの塩漬けを大根や唐辛子、柚子などと一緒に漬け込んだもの

・鉄砲漬け(千葉県)…瓜の中を鉄砲のようにくりぬき、しその葉を巻いた唐辛子を火薬にみたててつめ、醤油などの調味液に漬け込んだもの

中部地方の漬物

・かぶらずし(石川県)…塩漬けしたかぶらに鰤をはさんだ、石川の代表的な発酵食品

・大根ずし(石川県)…ニシンと大根を甘酒で漬けたもの

・ひねずし(石川県)…塩漬けした魚と米を漬け込んで熟成させた発酵食品

・はりはり漬け(新潟県)…干した大根の漬物で、上越地方を代表する郷土料理

・小梅漬け(山梨県)…甲州小梅をまだ青い時期に収穫して漬け込んだもの

・野沢菜漬け(長野県)…長野県名産の葉物野菜、野沢菜を乳酸発酵させたもので、長野県を代表する漬物

・わさび漬け(静岡県)…わさびの葉や茎、根を酒粕に漬けたもの

近畿地方の漬物

・千枚漬け(京都府)…薄切りにした聖護院かぶを塩漬けしたもの

・すぐき漬け(京都府)…伝統的な京野菜、すぐきを塩で漬けたもの

・日野菜漬け(滋賀県)…滋賀県の伝統的な葉物野菜を使用した漬物

・ふなずし(滋賀県)…塩漬けしたふなと米を漬け込んで発酵させたもの

・奈良漬け(奈良県)…瓜、きゅうり、しょうがなどの野菜を塩漬けし、酒粕に漬け込んだもの

・梅干し(和歌山県)…塩漬けした梅を天日干しして、しそと一緒に漬け込んだもの

中国・四国地方の漬物

・広島菜漬け(広島県)…広島菜を塩漬けして麹、塩、昆布などで漬けたもので、信州の野沢菜、九州の高菜と並ぶ三大漬菜のひとつ

・葉わさび漬け(広島県)…わさびの葉を醤油漬けにしたもの

・スルメの麹漬け(鳥取県)…スルメイカと調味料を麹に漬け込んだもの

・らっきょう漬け(鳥取県)…らっきょうを酢に漬けたもの

・緋のかぶ漬け(愛媛県)…愛媛の伝統野菜である赤いかぶを塩漬けし、ダイダイ酢に漬けたもの

九州地方の漬物

・壺漬け(鹿児島県)…干した大根を杵でついて、繊維をほぐして壺で漬けたもの

・薩摩漬け(鹿児島県)…桜島大根を輪切りにして酒粕に漬けた漬物

・パパイヤ漬け(鹿児島県)…パパイヤの若い実を塩漬けし、味噌や醤油などで漬けたもの

・高菜漬け(福岡県)…高菜の葉や茎を漬けたもので、ピリッとした辛味が特徴。日本三大漬菜のひとつ

・まだか漬け(宮崎県)…千切り大根や煎り大豆、にんじん、スルメ、昆布などを漬け込んだもの

・寒漬け(熊本県)…冬の冷たい風に大根を2回ほどさらして作った漬物

・ジージキ漬け(沖縄県)…黒糖を使った大根やゴーヤ、らっきょう、にんにくなどの漬物

DELISH KITCHENの漬物レシピ

ここからは、じっくり漬け込む本格漬物から簡単漬物まで、ご家庭で作れるレシピをご紹介します。

梅干しの作り方

おにぎりやお弁当など、日本人の食卓に欠かせない梅干しをご家庭で作ってみましょう。保存袋を使うので大きな容器がなくても大丈夫です。いちから作った自家製梅干しは格別のおいしさですよ。

白菜の塩漬け

漬物の定番、白菜の塩漬けのレシピです。白菜を天日干ししてから漬けると、旨味が凝縮しておいしくなりますよ。白菜の甘味が引き立つシンプルな味わいで、毎日食べても飽きない漬物です。

キャベツとゆずの浅漬け

ゆずの香りがふわっと香る、箸休めにもぴったりな一品です。キャベツとゆずの皮を切って保存袋でもみ込むだけなのでとても簡単ですよ。塩のみのシンプルな味付けでキャベツの甘味が引き立ちます。

大根のぬか漬け

ご家庭で手軽に作れるぬか漬けのレシピです。ぬか床をいちから作ろうと思うと時間がかかりますが、発酵ぬか床はあらかじめ発酵させているので、その日から野菜を漬けることができます。

きゅうりのしょうゆ漬け

パリパリした食感が楽しめる、きゅうりのしょうゆ漬けです。しょうがと唐辛子のピリッとした辛さとしょうゆの風味で、ごはんが止まらなくなりますよ。簡単にできるのでぜひ試してみてください。

かぶの甘酢漬け

かぶを砂糖と塩、酢に漬けて、甘酸っぱく仕上げました。かぶの葉もむだなく使って彩りもきれいに仕上がります。サッパリした味付けとシャキシャキした食感で、箸休めにもぴったりです。

なすの塩麹漬け

使う材料は、なすと塩麴のふたつだけです。なすを切って塩麹に漬け込むだけの手軽なレシピです。塩麹の漬物は塩気が強くないので、塩漬けとは違った深い味わいを楽しむことができますよ。

松前漬け

数の子やスルメイカ、昆布で作る正月の定番メニューです。数の子のプチプチ食感と昆布やスルメから出る旨味がたまらないおいしさです。ごはんのおともやお酒のおつまみにぴったりですよ。

さまざまな種類の漬物を楽しもう

日本の食卓に欠かせない漬物は、全国にさまざまな種類があります。地域や各家庭によっても使用する食材や調味料、漬け方などが異なり、いろいろな味わいの漬物が作られています。

ほかの地域に出かけたときなどは、地元の漬物を探してみるのもよいでしょう。また、お好みの材料で自家製の漬物を作るのもおすすめですよ。

【参考】
農林水産省 うちの郷土料理
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/type/pickles.html)(2022/01/19)

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