あおさと青のりは違うもの?人気のレシピもご紹介
作成日: 2021/08/21
更新日: 2024/10/28
磯の香りで料理を味わい深くする「あおさ」は、おいしいうえに手軽に使えて便利な食材です。
ところで、あおさと見た目がよく似ている食材に、青のりがあります。色や風味が近いので、呼び方が違うだけと思っている人が多いかもしれませんが、実は2つは違う種類になります。
この記事では、あおさの特徴や青のりとの違い、あおさを使った人気のレシピをご紹介します。
あおさについて
まずは、あおさの特徴から確認してみましょう。
あおさとは
あおさは、アオサ科アオサ属に分類されている海藻の仲間です。
流通しているあおさのほとんどは養殖されているもので、天然のものは海の浅瀬にある岩に生息しています。
主な産地は三重県で、冬から春にかけてが旬の時期です。
きれいな緑色の葉っぱのような形をしており、大小の穴があいています。
フレーク状に加工して乾燥あおさとして流通しているものが一般的ですが、生のあおさを置いているスーパーなどもあります。
あおさの使い方
ここで、乾燥あおさと生あおさそれぞれの使い方をご紹介します。
乾燥あおさ
乾燥あおさは、ふりかけのようにそのままかけて食べるのが一般的です。
ご飯のほか、豆腐や納豆にふりかけてもおいしくいただけますよ。
また、料理によっては水に数分つけて戻してから使います。
戻してから使う場合は、水を張ったボウルに乾燥あおさを入れて、全体に水が行き渡るようにスプーンなどで広げましょう。
数分つけたら水から取り出し、水分を切ってから料理に使います。
生あおさ
生あおさは佃煮や汁物、酢の物、サラダなどにも使いやすく、水でよく洗って汚れを取り、水分をしっかり切って使います。
そのまま流水で流したり水を張ったボウルに入れたりして洗うと、バラバラになり洗いにくいことも。
そのため、生あおさをざるに入れた状態で、水を張ったボウルに入れて洗うと簡単です。
あおさと青のりの違い
あおさは青のりとよく似ており、混同されがちですが種類が違います。
そもそも、海藻は大きく分けると昆布やわかめ、もずくなどの「褐藻(かっそう)」、海苔や寒天などの「紅藻(こうそう)」、あおさや青のりなどの「緑藻(りょくそう)」の3種類があります。
あおさも青のりも、大きく分けると同じグループに属するものの、細かく分けると違う種類です。
基本的に、あおさはアオサ科アオサ属に分類され、青のりはアオサ科アオノリ属に分類されています。
なお、沖縄県でよく食べられている「アーサ」は、あおさのりと呼ばれることもありますが、ヒトエグサ科ヒトエグサ属に分類されている種類の海藻です。
あおさと青のりは生物学的な違いだけでなく、形状や用途も異なります。
例えば、あおさは加工するとフレーク状になるのに対し、青のりは加工すると粉状になり、一般的には青のりのほうがより香り高いといわれています。
また、食感のあるあおさは、そのまま食材にかける以外にも、味噌汁やうどんなどに使われることが多い種類です。
より香り高い青のりは、ちくわの磯辺焼きをはじめ、お好み焼きや焼きそばにかけて使うのが定番です。
ちなみに、のり塩味のお菓子の多くは、あおさと青のり両方が使われています。
あおさと青のりの栄養
あおさと青のりの栄養の違いについても確認しておきましょう。
それぞれ、乾燥した状態の100gあたりの数値になります。
《あおさ》
・カロリー…201kcal
・たんぱく質…22.1g
・食物繊維…29.1g
・カルシウム…490mg
・マグネシウム…3200mg
・ナトリウム…3900mg
・カリウム…3200g
・βカロテン…2700μg
・ヨウ素…2200μg
・ビオチン…31.0μg
《あおのり》
・カロリー…249kcal
・たんぱく質…29.4g
・食物繊維…35.2g
・カルシウム…750mg
・マグネシウム…1400mg
・ナトリウム…3200mg
・カリウム…2500g
・βカロテン…21000μg
・ヨウ素…2700μg
・ビオチン…71.0μg
海藻にはミネラル分や食物繊維、ビタミンが含まれています。
あおさと青のりを比べてみると、あおさはカリウムやマグネシウムが多く、青のりにはカルシウムやβカロテン、ビオチンが多く含まれていることが分かりました。
見た目はよく似ていますが、含まれている栄養には大きな違いがあるようです。
※βカロテンの数値は、βカロテン当量を記載しています
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
あおさを使ったDELISH KITCHENのレシピ
最後に、あおさを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
レシピで使用しているのは乾燥あおさと生あおさがありますが、どちらでも使うことができます。
【汁物】
あおさを汁物に使う際は、煮過ぎると風味や色が損なわれるため、できあがる直前に加えるのがポイントです。
あおさと豆腐の味噌汁
まずは定番の味噌汁です。
具材は下ごしらえが必要のないあおさと豆腐だけとシンプルで、時間がないときにもササっと作れます。乾燥あおさを使う際は、水で戻さずそのまま加えるので手間がかからず、朝食にもおすすめです。
あおさとあさりの味噌汁
こちらの味噌汁は、あおさとあさりを具材にしました。
あさりだけでも旨味たっぷりのおいしい味噌汁が作れますが、あおさを加えることで磯の香りがプラスされ、贅沢な味わいになります。
あおさの卵スープ
あおさと卵、ねぎがあれば簡単に作れるスープです。
いつも同じ味になってしまうことが多い卵スープも、あおさを入れれば違った風味を楽しめます。
【麺類】
麺類との相性もよいあおさ。
うどんやそばなど「和」の麺だけでなく、パスタにもよく合います。
あおさとあさりのパスタ
あおさとあさりで和風パスタを作ってみました。
白ワインで蒸した本格的な風味のあさりと、あおさの香りがたまりません。乾燥あおさを使う場合はサッと洗って水分を切っておき、最後の仕上げに加えましょう。唐辛子のピリッとした刺激がアクセントです。
生あおさのクリームソースパスタ
こちらのクリームソースパスタは、生のあおさを使います。
あおさがしっかり香るバターと生クリームのまろやかなクリームソースは、一度食べたら止まらなくなるおいしさです。鶏むね肉も使って食べごたえ満点のパスタに仕上がります。
あおさと豚肉の和風うどん
豚バラ肉の旨味が溶け込んだ、優しいだしでいただくうどんです。
あおさ、かまぼこ、卵で彩り豊かになります。海苔やわかめとはひと味違った香りがふんわり漂い、心も体もほっこりします。
アオサそば
沖縄そばとあおさを使って、アーサそば風あおさそばを作りましょう。
甘辛く味付けをした厚切りの豚バラブロックで、満足できる一杯になりますよ。乾燥あおさを使う場合は、あらかじめ水で戻しておき、仕上げにトッピングします。
【おかず】
おかずにもあおさを使い、香りをアップさせましょう。
あおさのだし巻き卵
朝食やお弁当の定番、だし巻き卵にもあおさは合います。
黄色と緑で見た目もカラフルですね。口に入れるとふわっと広がるあおさの風味を味わいましょう。
桜えびとあおさのかき揚げ
桜えびとあおさを使った、香り豊かなかき揚げです。
少量ずつ揚げることで、よりサクッとした食感でいただけます。おかずとしてはもちろん、お酒のお供にもぴったりです。華やかで見栄えもよいので、おもてなしメニューにも。
あおさ鍋
あおさや豚肉、あさりの旨味がギュッと凝縮された鍋です。
具材からもたっぷりだしが出るので、調味料は白だしのほかに酒とみりんのみです。これだけでお腹がいっぱいになる、具だくさんの贅沢な鍋を満喫してください。
生でも乾燥でも幅広く使えるあおさ!料理に取り入れてみよう
あおさは主に三重県で生産されている海藻の一種です。
青のりとよく似ていますが、あおさはアオサ科アオサ属、青のりはアオサ科アオノリ属に分類されており、種類が違います。なお、あおさは生のものと乾燥したものが流通しており、乾燥したものはそのまま使ったり水で戻してから使ったりと、料理によって使い分けましょう。
いつもの料理に彩りと香りを添えるあおさ。
今回ご紹介したレシピを参考に、あおさを楽しんでみてください。
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