きゅうりには栄養がない?ビタミンCとの関係も解説!
作成日: 2020/10/10
皮のシャキッとした食感と、みずみずしい果肉がおいしいきゅうり。漬け物や和え物など、副菜には欠かせない野菜として、日本人に親しまれています。
そんなきゅうりですが、「栄養がない」とか、「ビタミンCを壊す」といった話を耳にしたことはないでしょうか。
そこで、今回はそれらの疑問を解消するべく、きゅうりに含まれる栄養や、ビタミンCとの関係について解説します。
きゅうりとは
きゅうりはウリ科キュウリ属のつる性の植物から採れる淡色野菜(果実)です。原産地はヒマラヤ山脈で、日本へは中国から伝わってきたといわれています。
かつてきゅうりは黄色く熟したものを食べる風習があり、江戸時代頃までは「黄瓜(きうり)」と呼ばれていました。
しかし、当時の黄色く熟したきゅうりは苦味があり、当時はそれほど人気のある野菜ではなかったようです。
その後品種改良が進み、現在のような緑色で収穫する品種が栽培されるようになりました。
現在の「胡瓜」という漢字は中国からきたもので、日本読みで「きゅうり」と当て字にされたといわれています。
現在、きゅうりの種類は大きく分けると黒いぼ系と白いぼ系があります。
黒いぼ系はいぼの先が黒っぽい品種です。少し苦味があり、皮が厚めで果肉がやわらかいことから、漬け物向けに栽培されていましたが、現在はあまり生産されなくなってしまいました。
いぼの先が白っぽい白いぼ系は、全体的に濃い緑色で、皮が薄く果肉がみずみずしいのが特徴です。
本来きゅうりの旬は夏ですが、品種改良により1年を通して収穫できるようになったことから、白いぼ系は現在流通しているきゅうりの9割を占めています。
ちなみに、きゅうりの表面に白っぽく粉をふいていいるものを見かけることがありますが、この現象を「ブルーム」と呼びます。これは本来寒さや乾燥から身を守るために、自然に発生するものです。
現在は品種改良されたブルームがないきゅうりのほうが多く出回っていますが、ブルームのあるきゅうりのほうが歯ざわりが良いとされ、見直されつつあります。
きゅうりの栄養はない?
実は、きゅうりはギネス世界記録に「Least calorific fruit(最もカロリーの低い果実)」として認定されています。
しかし、ここではカロリーに関して触れているだけで、栄養が少ないといっているわけではありません。また、ギネスではきゅうりを野菜ではなく、果実類として扱っていることにも注目すべきでしょう。
では、実際にきゅうりにはどれくらいの栄養素があるのか、みていきましょう。
生の可食部100g当たりのエネルギーは14kcal、たんぱく質1.0g、脂質0.1g、炭水化物3.0gとなります。
100gというとちょうど小ぶりのきゅうり1本分くらいです。低カロリーではあるものの、栄養素は含まれていることがお分かりいただけたでしょうか。
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
きゅうりはビタミンCを壊す?
ビタミンCには「還元型」と「酸化型」がありますが、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素は、ビタミンCを酸化型に変化させる働きがあります。
そのため、きゅうりと一緒にビタミンCを含む食品を摂ると、ビタミンCが破壊されてしまうような誤解をされがちですが、実際には酸化させるだけで、破壊するわけではありません。
アスコルビナーゼは熱や酸に弱いという特徴があるため、ビタミンCが含まれた食品と一緒に調理する際は、加熱したり酢で和えたりすると酸化を防ぐことができるでしょう。
アスコルビナーゼとビタミンCの関係については研究が進んでおり、酸化したビタミンCも体内で還元型ビタミンCとして吸収されるという報告もあります。
いずれにしても、きゅうりがビタミンCを壊すわけではないということは知っておいても良いのではないでしょうか。
きゅうりを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、DELISH KITCHENおすすめのきゅうりを使ったレシピをご紹介します。
ひらひらきゅうりの中華サラダ
ピーラーで薄くむいたきゅうりは味がしみやすく、ひらひらの見た目も楽しい♪
さっと簡単にできるので、時間がないときの副菜にぴったりです。
きゅうりの漬物
家庭菜園などで、大きくなりすぎてしまったきゅうりの救済レシピ♪
種とわたを取り除くことで、歯ざわりの良い漬物に仕上がります。
ささみときゅうりの塩昆布和え
しっとりジューシーなささみと、シャキシャキのきゅうりが良く合う♪
味付けは塩昆布とごま油だけとシンプルながら、旨味たっぷりの一品に仕上がります。
豚肉ときゅうりのごまみそ炒め
きゅうりは加熱してもおいしく食べられます。
コクのあるごまみそ炒めににきゅうりのさわやかな風味がマッチして、箸が進むおいしさです♪
きゅうりにも栄養はある!
きゅうりは低カロリーではありますが、栄養はまったく含まれないわけではありません。
また、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼは、ビタミンCを酸化させる働きがありますが、破壊するわけではないことも分かりました。
漬け物はもちろんのこと、和えたり炒めたりしてもおいしいきゅうりは、日本人の食生活に欠かせない食材です。
ここでご紹介したおすすめレシピも参考にして、ぜひきゅうりをおいしく調理してみましょう。