魚卵の特徴を種類ごとに解説!栄養やレシピもご紹介
作成日: 2022/03/23
プチプチとした食感と独特な味わいが楽しめる魚卵。たらこやいくらなど、魚卵にはさまざまな種類がありますが、それぞれの詳しい特徴など分からないこともあるかもしれません。
この記事では魚卵について種類ごとの特徴から、おもな魚卵のカロリーや栄養、おすすめレシピなどをご紹介します。
魚卵とは
魚卵は、その名の通り魚介類の卵のことです。魚類の腹にある卵を「真子(まこ)」ともいいます。さまざまな種類があり、そのまま調理に使うほか、塩漬けなどに加工されたりします。
魚卵の種類
魚卵の種類やおすすめレシピをご紹介します。
たらこ・明太子・助子
たらこ、明太子、助子(スケコ)は、どれもスケトウダラの卵のことです。たらこはスケトウダラの卵を塩漬けにしたもので、明太子はスケトウダラの卵を塩漬けにしたあと唐辛子などの調味料に漬けたものです。助子はスケトウダラの卵を塩漬けする前のもので、「生たらこ」とも呼ばれています。
たらこや明太子は、味がしっかりついているのでそのままご飯と一緒に食べたり、パスタなどの料理に使ったりします。生のたらこである助子は、煮物にするとおいしく食べられます。
たらこと明太子の違いやレシピなどは、こちらで詳しく解説しています。
・たらの子の煮物
生のたらこをしょうがのきいた煮汁で煮た一品です。たらこは乱切りにしてゆでると、花が咲いたようなきれいな見た目になります。煮汁の染み込んだたらこは、ご飯やお酒のおともにぴったりです。
いくら・すじこ・紅子・ますこ
いくらは、鮭または鱒(ます)の卵をほぐして、塩漬けやしょうゆ漬けにしたものです。すじこは、鮭や鱒の卵が卵巣膜に覆われてつながっているもので、塩漬けにされていることが多くなっています。いくらの粒は成熟しているため大きく、すじこの粒は未熟なため小さいという特徴もあります。
紅子(べにこ)は、紅鮭のすじこを塩漬けにしたものです。ますこは、鱒のすじこを塩漬けやしょうゆ漬けにしたものです。鮭のいくらのほうが鱒のいくらより粒が大きく、価格も高くなっています。
いくらもすじこもご飯にのせたり、料理のトッピングとして盛り付けるのもおすすめです。
いくらとすじこの違いやレシピは、こちらを参考にしてください。
数の子
数の子は、ニシンの卵を塩漬け、または天日干しにしたものです。黄色い色合いとコリコリした食感が特徴です。おせち料理には欠かせない食材で、松前漬けなどにも使われています。
詳しくはこちらをご覧ください。
とびこ
とびこは、トビウオ(飛魚)の卵を塩漬けにしたものです。いくらよりも小さい粒で、プチプチとした食感です。もともとは黄色ですが、着色されているので赤い色をしています。
大きさが似ていることから、黒く着色されてキャビアの代用として使われることもあります。とびこは寿司のネタや料理のトッピングとして使われることが多くなっています。
・大根のとびこマヨサラダ
細切りにした大根、とびこをマヨネーズとめんつゆで和えたサラダです。とびこのプチプチとした食感がアクセントに。あっという間にできるので、もう一品ほしいときにもおすすめです。
・彩りカリフォルニアロール
のりで具材を巻いたものを酢飯で巻き、白いりごまやとびこをまぶして彩り鮮やかに仕上げます。巻きすを使わずにラップで作るので手軽にできますよ。脂ののったサーモンとクリーミーな食感のアボカドは相性抜群です。
・とびこの和風クリームパスタ
とびこをたっぷり使ったパスタはいかがですか。クリームソースにみそをプラスして和風に仕上げます。まいたけの旨味が溶け出したクリームソースがパスタにからみ絶品です。
からすみ
からすみは、ボラの卵を塩漬けにしたあと塩抜きして乾燥させたものです。深いオレンジ色をしていて、たらこの形に似ています。高級食材として有名で、からすみ、このわた、ウニは日本の三代珍味といわれています。
ねっとりとした食感で、チーズのような濃厚な味わいが特徴です。薄くスライスしてそのまま食べたり、パスタやお茶漬けなどの具材に使ったりします。
詳しくはこちらで解説しています。
キャビア
キャビアは、チョウザメの卵を塩漬けにしたものです。ヨーロッパではチョウザメの卵だけでなく、魚卵全般をキャビアということもあります。黒くて光沢がありプチプチとした食感で、濃厚なコクが味わえます。
トリュフ、フォアグラとともに、キャビアは世界の三大珍味ともいわれている高級食材です。おもな産地はロシアで、カスピ海産のものが有名です。また、卵の粒が大きいほど価値が高いといわれています。ランプフィッシュの卵を使ったキャビアの代用品もあります。
クラッカーにのせて前菜として食べることが多いですが、パスタに使ったり料理のトッピングとして使ったりするのもおすすめです。
・キャビアとスモークサーモンのカナッペ
サワークリームのさわやかな酸味と、キャビア、スモークサーモンの塩気が絶妙なおいしさのカナッペです。クラッカーに具材をのせるだけなので簡単に作れます。
・キャビア丼
ご飯の上にたっぷりのキャビアとうずらの卵黄をのせた、高級感のある丼です。キャビアの味が存分に堪能できる一品です。卵黄をくずしてキャビアにからめながらお召し上がりください。
その他
カレイの卵は卵だけを煮付けにしたり、子持ちの魚ごと煮付けにしたりして食べられています。ブリやサワラの卵も煮付けにすることが多くなっています。
たこまんまは、ヤナギダコの卵です。膜に覆われており白っぽい色で、膜を破ると米粒に似た形の卵がつながったものが出てきます。とろとろとした食感でそのまま食べたり、しょうゆ漬けにしたりします。
ブリコは、ブリではなくハタハタの卵です。赤色や緑色、黄色、茶色など鮮やかな色をしているのが特徴です。ネバネバとしていて、しっかりとした歯ごたえがあります。子持ちのハタハタを塩焼きや煮付けにしたり、卵をしょうゆ漬けやみそ漬けなどにして食べたりします。
シシャモの卵やアユの卵は卵だけで食べるのではなく、子持ちの魚ごと焼いて丸ごと食べるのが一般的です。プチプチとした食感が楽しめます。
・基本のカレイの煮付け
カレイの定番料理である煮付けです。皮に切り込みを入れることで、味が染み込みやすくなり縮むのを防ぎます。甘辛い煮汁が染み込んだカレイは、ご飯のおかずにぴったりです。子持ちカレイでも同じように作れますよ。
・子持ちカレイのピリ辛レンジ中華蒸し
カレイは蒸してもおいしく食べられます。レンジで加熱するので簡単に作れますよ。豆板醤のピリッとした辛さとごま油の香りが食欲をそそります。シャキシャキの白髪ねぎと一緒にお召し上がりください。
・鮎の塩焼き
鮎の塩焼きはご家庭でもおいしく焼くことができます。ひれと尾に化粧塩をすると焦げにくくなりますよ。オーブンで焼くと皮はパリパリ、身はふっくらと仕上がります。子持ちの鮎でも同じように作れます。
魚卵のカロリーと栄養
ここからは、おもな魚卵のカロリーや栄養についてご紹介します。
カロリー・栄養
いくらとたらこのカロリーや栄養を、鶏卵と比較してみましょう。それぞれ生の可食部100gあたりの数値は以下の通りです。
《いくら》
・カロリー…252kcal
・たんぱく質…32.6g
・コレステロール…480mg
・食塩相当量…2.3g
《たらこ》
・カロリー…131kcal
・たんぱく質…24.0g
・コレステロール…350mg
・食塩相当量…4.6g
《鶏卵》
・カロリー…142kcal
・たんぱく質…12.2g
・コレステロール…370mg
・食塩相当量…0.4g
カロリー、たんぱく質、コレステロールの値はいくらが最も高くなっています。また、鶏卵よりもいくらやたらこの食塩相当量が高いのは、塩やしょうゆに漬けているためです。いくらやたらこの食べ過ぎは、塩分過多になりがちなので注意しましょう。
プリン体
プリン体とは、細胞の核に存在する核酸の主成分です。あらゆる生物の細胞内に存在しているため、ほとんどの食品に含まれています。プリン体が多く含まれているのは、レバーやたらこなど細胞の数が多いものです。
プリン体は肝臓で代謝され、最終的には尿酸となって体外に排出されます。体内の尿酸が多くなり過ぎると、血液中に尿酸が蓄積して高尿酸血症を引き起こしてしまいます。高尿酸血症の状態が続くと、痛風や腎臓障害、尿酸結石などの発症要因となります。プリン体が多く含まれている食品の食べ過ぎには注意しましょう。
魚卵の種類や特徴を知って楽しもう
魚卵はいくらやとびこ、キャビアなど卵そのものを食べるものと、たらこや数の子、からすみなど卵巣を食べるものに分けられます。また、スーパーなどで手軽に購入できる種類から高級食材までさまざまです。
そのまま食べるのはもちろん、煮物などの料理に使うほかトッピンングに活用するなど、いろいろな食べ方ができますよ。食べ過ぎに注意したい食材ではありますが、魚卵によって食感や風味が異なるので、ぜひ味わってみましょう。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット プリン体
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-032.html)(2022/03/23)