じゃがいもの種類を徹底比較!特徴・おすすめの食べ方一覧も!
作成日: 2023/08/24
食卓に欠かせない食べ物のひとつであるじゃがいも。男爵やメークインなどが有名ですが、他にもさまざまな品種があるのをご存じですか?品種ごとに特徴があり、向いている料理も異なります。
この記事では、じゃがいもの種類別に特徴やおすすめの食べ方をまとめました。おすすめレシピもご紹介しますので、じゃがいも選びの参考にしてください。
じゃがいもの種類・特徴
じゃがいもの種類や特徴についてみていきましょう。人気の品種から、少し珍しい品種まで10種類のじゃがいもについて解説します。後ほどじゃがいもを使ったレシピもご紹介します。
男爵
男爵は日本で最も栽培されているじゃがいもの代表品種です。もともとはアメリカ原産の「アイリッシュ・コブラー」という品種ですが、明治時代に川田龍吉男爵が栽培を始めたことから男爵と呼ばれるようになりました。
表面がゴツゴツしており、コロコロとした丸い形が特徴。果肉は白っぽく、ホクホクとした食感で甘みがあります。でんぷん質が多く煮崩れしやすいので、じゃがいもをつぶす調理法が適しています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- 粉吹きいも
- マッシュポテト
- ポテトサラダ
- コロッケなど
メークイン
メークインは男爵と並ぶ代表的な品種で、男爵に続いて多く収穫されています。イギリス原産の品種で、大正時代にアメリカを経由して伝わりました。英語で「5月の女王」を意味する「Mayqueen」が名前の由来だといわれています。
長方形で凹凸が少なく、淡い黄色の果肉が特徴。きめが細やかでしっとりしていて滑らかな食感です。煮崩れしにくいので、煮込み料理に向いています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- カレー
- シチュー
- 煮物など
キタアカリ
キタアカリは「男爵」と「ツニカ」を交配して誕生した品種です。見た目は男爵と似ていますが、芽の部分が赤紫色なので区別がつきやすいです。果肉は黄色で、男爵よりも甘みがあります。でんぷん質が多く、ホクホクとした食感が特徴。煮崩れしやすいので、じゃがいもをつぶす調理法が適しています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- 粉吹きいも
- マッシュポテト
- ポテトサラダ
- コロッケなど
インカのめざめ
インカのめざめは南米アンデスのじゃがいもを日本向けに改良した品種です。小ぶりのじゃがいもで果肉は鮮やかな黄色です。きめが細かくホクホクとした食感で、栗やナッツのような風味や甘さが魅力。蒸すだけでも十分美味しく食べられます。煮崩れしにくいので、煮込み料理に向いています。芽が出るのが早いので、長期保存に向いていません。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- カレー
- シチュー
- じゃがバター
- 煮物など
インカのひとみ
インカのひとみは「インカのめざめ」の後代品種です。小ぶりですがインカのめざめよりは少し大きめ。長楕円形で皮は淡い赤色、果肉は黄色です。風味や食感はインカのめざめに似ています。煮崩れしにくく、揚げても変色せずに綺麗な黄色のままです。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- カレー
- シチュー
- 煮物
- フライ
- サラダなど
ベニアカリ
ベニアカリは丸い形をしており、皮が赤い色で果肉が白いのが特徴。男爵よりもでんぷん質が多く、ホクホクとした食感です。煮崩れしやすいので、つぶしやすくマッシュポテトなどに向いています。貯蔵するとしっかりとした甘みが感じられます。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- マッシュポテト
- コロッケ
- いももちなど
とうや
とうやは北海道生まれのじゃがいもで「洞爺湖」が名前の由来とされています。漢字では「黄爵」と書きます。丸い形で果肉は黄色、滑らかな食感が特徴。でんぷん質が少ないので、あまりホクホクという感じはありません。煮崩れしにくいので、煮物や炒め物に向いています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- 煮物
- 炒め物など
北海こがね
北海こがねはフライドポテト用に改良された品種です。揚げても茶色しにくいのが特徴。メークインのような細長い形でねっとりとした食感で滑らかな口当たりが特徴。フライドポテトなどの加工用ですが、一般的にも美味しく食べられるため生鮮品としても流通しています。煮崩れしにくいので、煮物などに向いています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- フライドポテト
- 煮物など
十勝こがね
十勝こがねは北海道で品種改良によって生まれました。楕円形で皮は白黄色、芽が浅く少ないのが特徴。芽が出にくく、長期保存に向いています。凸凹が少ないため調理がしやすく、滑らかな舌触りとホクホクとした食感です。煮崩れしにくく、揚げても変色がありません。蒸すとホクホクとしており、幅広い料理に適しています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- カレー
- シチュー
- 煮物
- フライドポテトなど
ジャガキッズレッド
ジャガキッズレッドはバイオ技術によって生まれた品種です。やや小さめで丸くコロンとしており、皮は赤く果肉が黄色いのが特徴。肉質はとても柔らかく火が通りやすいですが、煮崩れしやすいです。舌触りが滑らかなのでポテトサラダに向いています。
【おすすめの調理方法・レシピ】
- サラダ
- コロッケ
- マッシュポテトなど
じゃがいもを使ったDELISH KITCHENのレシピ
じゃがいもを使ったおすすめレシピをご紹介します。さまざまな品種のじゃがいもで作って、食べ比べてみてはいかがでしょうか。
豚肉じゃが
じゃがいもの定番料理といえば肉じゃが!こちらは牛肉ではなく、豚肉を使った肉じゃがのレシピです。煮崩れしにくいメークインやとうやなどがおすすめ。男爵を使うとホクホクとした食感を楽しめます。冷ますことで味がなじんでより美味しく仕上がります。
じゃがいもと鶏肉の照り煮
鶏もも肉の旨味と白いりごまの風味豊かな炒り煮です。鶏もも肉を炒め、じゃがいもや調味料を加えて煮込むだけなので簡単にできますよ。甘辛の味付けでご飯がどんどん進みます。煮物などに適したメークイン、とうやがおすすめです。煮崩れしやすい男爵や十勝こがねを使うと、ホクホクとした食感を楽しめます。
じゃがいものそぼろ煮
生姜をきかせたそぼろとじゃがいもを煮込んだ一品です。とろみがついているのでじゃがいもとそぼろがよく絡んで美味しいですよ。きび砂糖を使っているのでコクのある味わいに仕上がります。煮崩れしにくいメークインやとうやなどがおすすめですが、男爵やキタアカリを使いホクホクに仕上げても美味しいです。
白菜とじゃがいものクリーム煮
白菜、じゃがいも、ベーコンを使ったやさしい味わいのクリーム煮です。お好みの野菜を加えてアレンジするのもおすすめです。とろとろになった白菜とベーコンの旨味が溶け出したスープがたまらない美味しさです。煮崩れしにくいメークインやインカのめざめがおすすめです。
基本のポークカレー
カレーは使うじゃがいもの品種によって味わいが異なります。メークインやとうやなど煮崩れしにくい品種を使うと、じゃがいも本来の味が楽しめますよ。男爵など煮崩れしやすい品種を使うと、ルウにとろみがつきます。
ピーマンとじゃがいもの甘辛炒め
ピーマンとじゃがいもを甘辛味で仕上げた一品です。唐辛子のピリっとした辛さがアクセント。ホクホクとした食感がよければ男爵など、しっとりとした食感かよければメークインなどがおすすめです。
基本のポテトサラダ
野菜をたっぷり使った具沢山の基本のポテトサラダです。ホクホクとした食感が味わえる男爵やキタアカリ、ジャガキッズレッドなどを使うのがおすすめ。じゃがいもは温かいうちに下味を付けるのが美味しさのポイントです。
簡単マッシュポテト
じゃがいもをレンジで加熱して作るマッシュポテトです。バターをプラスするとさらに美味しくなりますよ。男爵やキタアカリ、ベニアカリなどでんぷん質が多く煮崩れしやすい品種が適しています。ハンバーグやステーキなどの付け合わせにどうぞ。
基本のコロッケ
衣のサクサク感、中のホクホク感がたまらない基本のコロッケです。でんぷん質の多い男爵やキタアカリ、ベニアカリなどが向いています。じゃがいもは皮付きのまま水から茹でることで、水っぽくならずホクホクとした食感に。手作りコロッケの美味しさは格別です。
ちなみに!じゃがいもの基本情報
じゃがいもはナス科ナス属の植物で、南アメリカのアンデス山脈が原産です。土の中で育つので根の部分を食べていると思われるかもしれませんが、地下茎が肥大したものです。
じゃがいもの歴史
日本には17世紀の初めにインドネシアのジャカルタから伝わりました。ジャカルタから来た芋なので「じゃがたらいも」となり、これがなまって「じゃがいも」と呼ばれるようになったといわれています。別名は「馬鈴薯(ばれいしょ)」です。馬鈴薯とは中国語に由来し、馬につける鈴に似ていることから名付けられたという説があります。
じゃがいもは世界中で栽培されており、中国やインドで多く生産されています。日本で最も収穫量が多いのは北海道です。
じゃがいもの特徴
ホクホクとした食感や素朴な甘さが特徴で、保存がきく食品です。煮物や揚げ物、炒め物、焼き物、スープなど幅広い料理に使われています。にんじんや大根などと共に食卓にもよく並ぶ根菜のひとつです。
じゃがいもの栄養素やカロリー、保存方法については下記の記事で詳しく解説しています。常温保存や冷蔵保存など、じゃがいもに適した貯蔵方法で日持ちさせることができます。
じゃがいもの特徴に合った調理方法で美味しく味わおう
じゃがいもは品種によって見た目や色、味わい、おすすめの食べ方が異なります。男爵やメークインを選ぶ機会が多いと思いますが、他の品種も見かけた際はぜひ手に取り、食べ比べてみるのもおすすめです。新たな発見があるかもしれません。料理によってじゃがいもを使い分けて、じゃがいも料理を楽しみましょう。