九条ねぎとは?特徴やおすすめレシピをご紹介
作成日: 2021/08/19
ねぎといえば、薬味や鍋、炒め物などさまざまな料理に欠かせない野菜ですね。
どこのスーパーでも手に入れられる一般的な野菜ですが、京野菜のひとつ「九条ねぎ」を食べたことはあるでしょうか。手にしたことはなくても、京野菜は個性が魅力で注目を集めているため、名前は聞いたことがあるという人は多いかもしれません。
この記事では、九条ねぎの特徴や、おすすめのレシピをご紹介します。
九条ねぎについて
九条ねぎとは、どのようなねぎのこと指すのでしょうか。
九条ねぎの特徴について確認していきましょう。
九条ねぎとは
九条ねぎは京野菜のひとつで、柔らかくて甘味があり内部にぬめりが多いのが特徴です。
大きく分けると2つの種類があり、ひとつは細葱の浅黄種(あさぎだね)で、もうひとつは太葱の黒種(くろだね)です。
浅黄種は淡い緑色で葉が細長く、耐暑性があるため夏から初秋にかけて収穫されます。
細長いことから、薬味や焼きねぎにぴったりの種類です。
一方、黒種の葉は濃い緑色をしており、太く大きく育つので薬味だけでなく鍋や炒め物にも向いています。
耐寒性があるため周年栽培が可能ですが、寒さで甘味とぬめりが増す冬が旬の時期です。
なお、九条ねぎとして一般的に有名なのは、黒種のほうです。
九条ねぎを選ぶ際は、みずみずしくて全体に真っすぐでハリがあるもの、葉が青々としているものを選びましょう。
保存する際は、乾燥を防ぐために新聞紙で包み冷暗所や野菜室で保存します。
新鮮で泥が付いたものは、泥を落とさずそのまま新聞紙に包んで冷暗所で保存するのがおすすめです。
九条ねぎの歴史・産地
九条ねぎの栽培の歴史は古く、奈良時代から栽培されていたといわれています。
平安時代に京都の九条付近で盛んに栽培されていたことから「九条ねぎ」という名前が付けられました。
現在でも京都市南区の九条地区が主な産地となっており、京都府の各地で生産されています。
九条ねぎの育て方
九条ねぎの伝統的な育て方は、まず秋に種をまき春になったら植え替えます。
植え替えした株を夏に1度掘り出し、しばらく乾燥させてから再度植え替え、晩秋に収穫するのだとか。
とても手間がかかるため、伝統的な育て方をした九条ねぎは減ってきているようです。
九条ねぎは緑黄色野菜
長ねぎは、主に白い部分を食べる淡色野菜の白ねぎ(根深ねぎ)と、葉の部分を食べる緑黄色野菜の葉ねぎ(青ねぎ)があります。
今回ご紹介している九条ねぎは、葉ねぎの一種です。
ちなみに、各地でその土地ならではの葉ねぎが栽培されています。
九条ねぎと白ねぎの栄養
ここで、一般的な葉ねぎと白ねぎの、生の可食部100gあたりの栄養を比較してみましょう。
《葉ねぎ》
・カロリー…29kcal
・炭水化物…6.5g
・食物繊維…3.2g
・カリウム…260mg
・カルシウム…820mg
・ビタミンK…110μg
・βカロテン…1500μg
・鉄…1g
《白ねぎ》
・カロリー…35kcal
・炭水化物…8.3g
・食物繊維…2.5g
・カリウム…200mg
・カルシウム…36g
・ビタミンK…8μg
・βカロテン…83μg
・鉄…0.3g
比較してみると、炭水化物以外の栄養は、どれも葉ねぎのほうが多いことが分かります。
葉ねぎは緑の部分が多いため、白ねぎと比べてβカロテンやカルシウムなどが特に多く含まれているのが特徴です。
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
九条ねぎを使ったDELISH KITCHENのレシピ
九条ねぎは京都をはじめ、関西でよく使われています。
葉はもちろん、白い部分までおいしく食べることができますよ。
生食でも食べやすいため、うどんやラーメンのトッピング、お刺身やカルパッチョ、サラダにも合います。
また、ぬたなどの和え物にもぴったりです。
火を通してもおいしいので炒め物にしたり、相性のよい卵と一緒に使ったりするのもおすすめの組み合わせです。
ちなみに、ごま油と塩で炒めるだけでもおいしくいただけます。
最後に、九条ねぎを使ったレシピをご紹介します。
【豚肉】
包まないとん平焼き
キャベツやもやし、豚バラ肉と一緒に九条ねぎを炒めて作る、とん平焼きです。
具材を包み込まないので、作り方は難しくありません。お好み焼きソースやマヨネーズをかけたら、仕上げにも九条ねぎを使います。生の九条ねぎは、ねぎならではの食欲をそそる風味に加えて甘味もあるので、ねぎが苦手な方も食べやすいでしょう。
九条ねぎと豚バラ肉の白みそ鍋
九条ねぎは、火を通すと甘味が増してとろけるような食感になります。
九条ねぎのほかに、豚バラ肉や丸餅などを一緒に煮込む、ボリューミーな鍋です。まろやかな白味噌とゆずの香りで上品な味に仕上がります。白味噌を使っているので、ボリュームがあっても最後までサラッと食べられますよ。
【鶏肉】
京風親子丼
九条ねぎと、あっさりとした薄口しょうゆで作る京風親子丼。
鶏もも肉と和風顆粒だしの旨味が溶け込んだ、味わい深い一品です。ジューシーな鶏もも肉は、食べごたえもありますよ。ふんわり卵の黄色に九条ねぎの緑が映え、彩りもよい親子丼になります。
【その他】
たこと九条ねぎの酢味噌和え
九条ねぎをたこと一緒に酢味噌和えにしてみました。
白味噌と酢、砂糖で作るあっさりとした酢味噌が後を引きます。噛めば噛むほど味が出るたこと、甘味のある九条ねぎは相性がよく、箸休めやおつまみにおすすめです。ササっと作れるのも嬉しいポイントです。
衣笠丼
甘辛く煮た油揚げに九条ねぎを加える衣笠丼は、だしの香りを楽しみながらいただけます。
口に入れるとだしの旨味がジュワっと染み出るとともに、九条ねぎの風味が広がります。材料も作り方もシンプルなので、ランチにもよいですね。どこか懐かしい味わいをお楽しみください。
鮭フレークと九条ねぎの和風キッシュ
ちょっとしたホームパーティーなど、おもてなしメニューにも向いている和風キッシュです。
キッシュは手間がかかりそうなイメージですが、冷凍パイシートを使えば簡単に作れます。鮭フレークの塩味と九条ねぎの風味がマッチする、絶品キッシュです。
白ねぎ・青ねぎ・わけぎについて
ねぎには、日頃からよく料理に使われている白ねぎや青ねぎなどの種類があります。
こちらのページでは、白ねぎや青ねぎについてや、葉ねぎと混同されがちな、わけぎとねぎの違いについて詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
加熱をしても生でもおいしい九条ねぎ!
九条ねぎは、奈良時代から栽培されていた緑黄色野菜です。
手間のかかる伝統的な育て方をした九条ねぎにお目にかかれることは少ないものの、一般的な育て方をしたものも十分おいしくいただけます。もともと葉が柔らかいため生でも食べやすく、加熱をすれば甘味がアップします。
さまざまな食べ方ができる九条ねぎ。
見かけたら手に入れて、今回ご紹介したレシピに挑戦してみてください。