マグロを種類別に解説!選び方やおすすめレシピもご紹介
作成日: 2021/10/21
刺身や寿司として親しまれているマグロは、どのような種類があるかご存知でしょうか。
この記事では、マグロについて解説します。美味しいマグロの見分け方やおすすめのレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
マグロとは
マグロとは、サバ科マグロ属に分類される赤身の魚です。回遊魚の一種で、泳ぐスピードが非常に速いです。泳ぐことで呼吸ができるようになるので、生きているうちは止まることがありません。日本の海域でも水揚げされ、養殖も行われています。
マグロは、刺身や寿司として親しまれている魚です。他にも煮付けや焼き魚として食べられます。ちなみに、カジキマグロはサバ科ではなくカジキ科に属しており、マグロ類とは全く別の魚です。
マグロの部位
上記の画像のように、マグロにはさまざまな部位があります。体の中心部は脂が少なく、赤身に分類されます。背中にある背かみ、背なか、背しもの他、お腹の部位である腹なかの一部と腹しもは、中トロです。腹なかの一部と腹かみと呼ばれるお腹の部位は、大トロに分類され、脂がたっぷりのっています。
マグロの種類や特徴
マグロ属に分類される魚は、以下の8つです。
・クロマグロ(本マグロ)
・ミナミマグロ(インドマグロ)
・メバチマグロ
・キハダマグロ
・ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)
・イソマグロ
・コシナガマグロ
・タイセイヨウクロマグロ
今回は、日本で流通量が多い5種類のマグロをご紹介します。
クロマグロ
クロマグロの学名は「Thunnus orientalis」で、「本マグロ」や「クロシビ」とも呼ばれます。希少価値の高さから「黒いダイヤ」と言われることも。体長3m、体重400kg以上の大型の個体が水揚げされることもあります。非常に大きく、背や尾の周辺は黒色です。
太平洋の熱帯・温帯海域に生息しているので、日本でも水揚げされます。クロマグロが最も美味しい時期は冬です。最高級のマグロで、赤身は色が濃く、大トロを豊富に含んでいます。旨味が強く、刺身や寿司としてよく食べられます。
ミナミマグロ
ミナミマグロの学名は「Thunnus maccoyii」で、「インドマグロ」とも呼ばれます。南大西洋に生息している中型種で、生魚は2.5mに及びます。目が大きく、胸びれが長いのが特徴です。また、尾の付け根の一部が淡い黄色くなっています。
夏が旬のミナミマグロは、クロマグロに次ぐ高級魚として知られており、濃厚な風味の大トロが特徴です。赤身の色は濃く、濃厚な味わいに甘さも感じられます。そのままで食べるのが最も美味しく、刺身や寿司として親しまれています。
メバチマグロ
メバチマグロの学名は「Thunnus obesus」です。別名「バチマグロ」や「メバチ」と呼ばれることもあります。特徴的な大きな目は、名前の由来にもなっています。ずんぐりした体をしている中型種で、生魚の大きさは2mほどです。
熱帯・温帯地域に広く分布する種類で、冬に旬を迎えます。クロマグロやミナミマグロよりも手頃な値段で手に入ります。メバチマグロは赤身の部分が多く、その色は鮮やかで、刺身にしても美味しく食べることができます。
中トロもありますが、筋が多いため、刺身よりも焼き魚に向いています。
キハダマグロ
キハダマグロの学名は「Thunnus albacares」です。黄味がかった見た目が名前の由来になっており、「キハダ」とも呼ばれます。熱帯・亜熱帯海域に広く生息している中型種のキハダマグロは、生魚になると2mを超えます。
キハダマグロの旬は夏です。値段は、メバチマグロよりもお手頃です。淡白な赤身が特徴で、身の質はしっかりとしています。刺身としても食べられますが、脂が少ないことからツナ缶やネギトロに加工されることも多いです。
ビンナガマグロ
ビンナガマグロの学名は「Thunnus alalunga」。別名「びんちょうまぐろ」「トンボ」「鬢長(ビンナガ)」「びんちょう」などと呼ばれます。「びん」と呼ばれる胸びれが長いことが由来しています。全世界の熱帯・温帯海域に分布する小型のマグロで、0.5m〜1mの個体が多いです。
ビンナガマグロは、冬に旬を迎えます。ほかのマグロよりも安価で、淡白な味わいが特徴です。その安さから、回転寿司でよく流通しています。寿司や刺身として食べられるだけでなく、ツナ缶などの加工食品にも使われます。
ビンナガマグロについてもっと知りたいという方は、下記の記事をご覧ください。
マグロの栄養
マグロの栄養について解説していきます。カロリ―やたんぱく質、DHA・EPAをマグロの種類別に見てみましょう。
カロリー
マグロ100gあたりのカロリーは、下記の通りです。
(生・100gあたり)
・クロマグロ(天然・赤身)115kcal
・ミナミマグロ 88kcal
・メバチマグロ 115kcal
・キハダマグロ 102kcal
・ビンナガマグロ 111kcal
クロマグロとメバチマグロ、ビンナガマグロのカロリーが高く、キハダマグロは中間、ミナミマグロは低いことがわかります。同じマグロでも水揚げの時期や部位によってカロリーが異なるので、あくまでも目安として考えましょう。
たんぱく質
マグロ100gあたりのたんぱく質は下記の通りです。
(生・100gあたり)
・クロマグロ(天然・赤身)26.4g
・ミナミマグロ 26.0g
・メバチマグロ 25.4g
・キハダマグロ 24.3g
・ビンナガマグロ 26.0g
たんぱく質に関しては、マグロの種類ごとの差がほとんどありません。あくまでも目安の量ですが、どのマグロを食べてもほぼ同量のたんぱく質を摂取できるでしょう。
たんぱく質について下記記事がありますので、こちらをご覧ください。
EPA・DHA
マグロには、多価不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれます。
EPA・DHAは体内で合成できない必須脂肪酸の一種なので、食物から摂る必要がある栄養素です。
EPAは、体内の血流をスムーズにする作用があり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防する働きがあるといわれています。IPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれることもあるので、覚えておきましょう。
DHAは、脳や目の奥にある光や色を感じ取る組織である網膜などの神経系に含まれている栄養素です。神経細胞を活性化させる働きがあり、記憶力や学習能力の向上に役立ちます。
マグロ100gあたりに含まれるEPAとDHAは下記の通りです。
(生・100gあたり)
・クロマグロ(天然・赤身)EPA:27mg DHA:11mg
・ミナミマグロ EPA:10mg DHA:3mg
・メバチマグロ EPA:80mg DHA:23mg
・キハダマグロ EPA:32mg DHA:9mg
・ビンナガマグロ EPA:43mg DHA:9mg
マグロの種類によってEPAとDHAの含有量が異なります。上記の5種類の中では、メバチマグロに多く含まれることがわかります。EPAとDHAは熱に弱いので、摂取を心がけたい方は生のまま食べるのがおすすめです。鮮度が良いものを選ぶようにしましょう。
【出典】
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
オメガ3系脂肪酸
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/10.html
マグロの選び方
鮮やかな赤色で、ツヤのあるマグロを選びましょう。赤や黒の斑点が出ていないものがおすすめです。トレイの中に汁が出てしまっているものは味が落ちているので、避けるようにしてくださいね。見分け方を押さえて、美味しいマグロを選べるようになりましょう。
マグロの食べ方とレシピ紹介
マグロの食べ方とレシピを見てみましょう。マグロは、刺身や寿司、焼き魚にして食べるのがおすすめです。それぞれの食べ方ごとにレシピもご紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
【刺身】DELISH KITCHENのマグロのレシピ
マグロは、刺身で食べるのに適しています。定番の平造りの作り方以外に2つのレシピもご紹介します。いつもと違う食べ方でマグロを味わってみるのはいかがでしょうか。
刺身の平造り
定番の平造りをご家庭で実践してみましょう。刺身の食感を楽しめるように、厚みを持たせて真っすぐに切るのがポイントです。マグロの筋を直角に切ると、食感が良くなります。
マグロの漬けパッチョ
マグロをカルパッチョ風にアレンジした一品です。しょうゆベースの漬けダレで味をつけるので、ご飯に良く合います。ベビーリーフと卵黄を添えて、おしゃれに盛り付けてみましょう。
塩マグロ
しょうゆに飽きたときは、塩でマグロを食べてみるのはいかがでしょうか。マグロに塩をまぶして少し置いたら、切るだけで簡単に作れますよ。塩によってマグロの水分が程よく抜け、旨味が凝縮されます。
【寿司】DELISH KITCHENのマグロのレシピ
マグロは、寿司にしても美味しいですよね。今回はちらし寿司や鉄火巻きに加え、三重県の郷土料理である手こね寿司もご紹介します。
マグロのコロコロちらし寿司
角切りにしたマグロやアボカド、卵焼きのコロコロとした具材が可愛らしい一品です。彩りがきれいなので、特別な日に作ってみるのはいかがでしょうか。
鉄火巻き
細巻きの定番である鉄火巻きのレシピです。マグロは巻き込みやすいように棒状に切りましょう。酢飯を作るときに温かいご飯を使うのがポイントです。
マグロの手こね寿司
三重県の郷土料理である手こね寿司のレシピです。手こね寿司とは、しょうゆベースの漬けダレに漬けた赤身の魚を薬味の入った酢飯にのせた一品です。味がしみたマグロと薬味の香りで、お箸が進むこと間違いなしです。
【焼く】DELISH KITCHENのマグロのレシピ
最後に、マグロを焼いて作るレシピを見てみましょう。焼くことで香ばしい風味が加わり、いつもと一味違うマグロ料理を味わえます。
マグロのバターしょうゆステーキ
マグロの表面をこんがり焼いて、ステーキにしてみましょう。にんにくが香るバターしょうゆをマグロにかければ、ご飯が進むメインになります。
ねぎとろの照りたまハンバーグ
マグロのたたきを使ったハンバーグのレシピです。口に入れた瞬間にとろけ、やみつきになる美味しさです。酒、しょうゆ、みりんを煮絡めたハンバーグを、濃厚な卵黄につけていただきましょう。
焼きマグロの大葉梅肉のせ
大葉と梅肉でさっぱりいただけるマグロの串焼きです。刺身用のマグロは生のまま食べられるので、加熱しすぎないのがポイント。お酒のあてにもおすすめの一品です。
美味しいマグロを見分けて料理を作ってみよう
この記事では、マグロについて解説しました。マグロは、サバ科マグロ属に分類される赤身の魚で、回遊魚の一種です。さまざまな種類があることをわかっていただけたかと思います。
美味しいマグロの見分け方やおすすめの食べ方、レシピもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。