牛・豚・鶏のハツとは?栄養やレシピもご紹介
作成日: 2021/12/08
焼肉店や焼き鳥屋のメニューで見かけるハツ。弾力や食感が特徴で、食べたことがある方も多いかもしれません。そんなハツはホルモンのひとつですが、どの部位にあたるのでしょうか。
この記事では、ハツの部位やカロリー、含まれている栄養について解説します。また、下処理の方法やおすすめレシピもご紹介するので参考にしてください。
ハツとは
ハツは、牛、豚、鶏の心臓のことです。英語で心臓を意味する「hearts」が、なまってできた言葉だといわれています。ほかにも「こころ」「ハート」と呼ばれることもあります。
筋繊維が細かくサクッと噛み切れるため、ホルモンの中でも比較的に食べやすい部位でしょう。ほどよい弾力とコリコリとした食感が特徴で、くせのないたんぱくな味わいです。匂いも少ないため、幅広い世代に人気があります。
ハツのカロリー・栄養
牛、豚、鶏、それぞれのハツのカロリーと栄養をご紹介します。
牛ハツ
生の牛ハツ、100gあたりのカロリーと栄養は以下の通りです。
・カロリー…128kcal
・カリウム…260mg
・リン…170mg
・ビタミンB12…12μg
・鉄…3.3mg
・葉酸…16μg
豚ハツ
生の豚ハツ、100gあたりのカロリーと栄養は以下の通りです。
・カロリー…118kcal
・カリウム…270mg
・リン…170mg
・ビタミンB12…2.5μg
・鉄…3.5mg
・葉酸…5μg
鶏ハツ
生の鶏ハツ、100gあたりのカロリーと栄養は以下の通りです。
・カロリー…186kcal
・カリウム…240mg
・リン…170mg
・ビタミンB12…1.7μg
・鉄…5.1mg
・葉酸…43μg
それぞれの栄養の働き
ここからは、ハツに含まれる各栄養の働きについて詳しくみていきましょう。
カリウム
カリウムは人の体に必要なミネラルの一種で、細胞の浸透圧を維持する働きがあります。体内のナトリウムの排出を促進する作用があるため、塩分のとりすぎを調節してくれます。
リン
リンは、骨や歯の形成に欠かせないミネラルです。また、細胞膜や核酸の成分になったり、pHの調整や浸透圧を保つ働きもあります。
ビタミンB12
ビタミンB12は、たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる水溶性ビタミンです。また、正常な赤血球の生成に不可欠な栄養でもあります。
鉄
人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在し、全身に酸素を運ぶ働きがあります。鉄が不足すると鉄欠乏性貧血を起こします。
食品中の鉄は「へム鉄」と「非へム鉄」に分けられます。動物性食品に含まれるものがへム鉄、植物性食品に含まれるものが非へム鉄です。ハツには、非ヘム鉄よりも体に吸収されやすいヘム鉄が含まれています。
鉄について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
葉酸
葉酸は、細胞増殖に必要なDNAを合成するための補酵素として働きます。体の成長に関与している重要な栄養です。
葉酸について、詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
ハツの下処理方法
ハツは丁寧に下処理を行うことで匂いが抑えられて、よりおいしく食べることができます。ここでは、豚ハツの下処理方法をご紹介します。
流水で洗ったあと、ボウルにたっぷりの水と豚ハツを入れて数回もみ洗いします。きれいな水に変えて豚ハツを5分ほどつけ、血抜きをしましょう。筒状になっている部分は切り開き、血の塊や血管などを取り除きます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
ハツを使ったDELISH KITCHENのレシピ
最後に、ハツを使ったレシピをご紹介します。
【牛】
牛ハツは、筋肉が多いためコリコリとした食感をしています。焼いて食べることが多いですが、もつ鍋や煮物にしてもおいしくいただけます。
牛ハツとこんにゃくの炒り煮
しょうがをきかせた甘辛い味わいが牛ハツに染みた一品です。牛ハツは加熱しすぎると中の水分が抜けて硬くなるので、薄く切るのがポイントです。こんにゃくは、味が染み込みやすいように切り込みを入れましょう。
【豚】
豚ハツはコリコリした独特な食感と、くせのないたんぱくな味わいが特徴です。
豚ハツの生姜煮
しょうがの香りが食欲をそそる一品です。豚ハツの旨味と甘辛い味付けでごはんが進むこと間違いなし。日本酒やビールにもよく合いますよ。お好みで七味唐辛子をふってお召し上がりください。
豚ハツともやしの炒め物
豚ハツのコリコリとした食感ともやしのシャキシャキ感が楽しめる、炒め物のレシピです。唐辛子とにんにくがきいていて、ボリュームのある一品です。
豚ハツのスタミナ唐揚げ
コリコリ食感の豚ハツを使った唐揚げのレシピです。ウスターソースとにんにくを使ったしっかりした味付けで、ごはんにはもちろん、お酒とも相性抜群。お好みでレモンや七味唐辛子をかけてもおいしくいただけます。
【鶏】
鶏ハツは、ぷりっとした食感で濃厚なコクのある味わいが特徴です。焼き鳥や炒め物、煮物などいろいろな食べ方が楽しめます。
鶏ハツの串焼き
鶏ハツを甘辛いたれで味付けした串焼きをご紹介します。鶏ハツ特有のぷりぷりとした食感がくせになり、お酒のおつまみにぴったりです。ご家庭で焼き鳥屋の気分を楽しめますよ。
鶏ハツの甘辛煮
鶏ハツと鶏レバーを甘辛く煮込んだ、ごはんにもお酒にも合う一品です。レバーのやわらかい食感とハツのぷりぷり食感、こんにゃくのプルプルとした食感が楽しめますよ。
鶏もつ煮
ご家庭で鶏もつ煮を楽しみましょう。鶏のレバー、ハツ、モツをこってり甘辛く味付けした一品です。丁寧に下処理をすると臭みが和らぎますよ。仕上げにねぎをのせて一味唐辛子をふります。
鶏ハツのガーリックバター炒め
にんにくとバターの香りが食欲をそそる一品です。レモンをしぼればさっぱりした味わいに。鶏ハツは丁寧に下処理すると匂いが抑えられて、おいしく食べられますよ。
鶏ハツの唐揚げ
ぷりっとした鶏ハツの食感とサクサクの衣がおいしい唐揚げです。下味をつけて衣をまぶし、カラッと揚げましょう。にんにく、しょうががアクセントになって、ビールが止まらなくなりそうな一品です。
ハツは牛・豚・鶏の心臓だった
ハツは牛、豚、鶏の心臓のことで、ほどよい弾力やコリコリとした食感が特徴です。ホルモンの中でも比較的に匂いやくせが少なく、食べやすい部位です。また丁寧に下処理をすることで、より臭みを和らげることができますよ。
焼き鳥や焼肉はもちろん、唐揚げ、煮物、炒め物などさまざまな調理法で楽しめます。ご紹介したレシピを参考に、ご家庭でもハツを味わってはいかがでしょうか。
【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省 e-ヘルスネット カリウム
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット リン
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-038.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html)
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』ビタミンB12
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/07.html)(2021/12/08)