ガルニチュールとは ?意味や役割・食材別おすすめのレシピをご紹介
作成日: 2022/06/17
「ガルニチュール」という言葉をご存じでしょうか。フレンチのお店で注文するときに、この単語を目にしたことのあるという方も多いかもしれません。ガルニチュールは、料理の付け合わせのことを指す単語なのです。
この記事では、フレンチのメニューでよく見る「ガルニチュール」について解説します。おすすめのガルニチュールやレシピについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
ガルニチュール(garniture)の意味
略して「ガルニ」とも呼ばれるガルニチュールには、二つの意味があります。
【料理】付け合わせ
フランス料理で使われる言葉「ガルニチュール」は、メイン料理の脇に添えたり別皿で添えられたりする付け合わせを意味しています。
【菓子】パイやタルトの詰め物
パイやタルトの生地の中に詰めるものも、フランス語では「ガルニチュール」といいます。詰めものといえば「フィリング(Filling)」のほうが聞きなじみがありますが、こちらは英語です。フランス菓子のレシピで出てくる「ガルニチュール」は、フィリングと同じ意味の単語であるということになります。
お菓子のガルニチュールのレシピについて、詳しくはこちらをご参照ください。
ガルニチュールの役割
ここからは、料理の付け合わせである「ガルニチュール」についてご紹介します。ガルニチュールには、料理の見た目を華やかにしたりメイン料理の味を引き立てたりするほか、メイン料理に含まれない栄養を補うなどの役目があります。そのため、メインの食材や使うソースとの相性、つまり見た目や味のバランスが重要です。
肉料理や魚料理など各々の料理に合わせたガルニチュールがあり、ソテーやグリル、マリネなど調理法もさまざま。料理によっては米やパスタがガルニチュールとして用いられることもあります。
【料理別】おすすめのガルニチュール
おすすめのガルニチュールや、よく使われるガルニチュールを料理別にご紹介します。
ビーフシチュー
代表的な煮込み料理であるビーフシチューには、ガルニチュールとしてにんじんやじゃがいも、ブロッコリーなどを合わせます。ビーフシチューだけでは茶色がメインなので、白や赤、緑などのはっきりとした色味の食材を合わせるとよいでしょう。
じゃがいものグリル、ブロッコリーの塩茹で、にんじんのグラッセなどがおすすめです。
ステーキ・ハンバーグ
ステーキやハンバーグの定番のガルニチュールといえば、クレソンを思い浮かべる方も多いかもしれません。その他よく使われるガルニチュールは、フレンチフライやクリームスピナッチ(ほうれん草をホワイトソースで和えたもの)などです。
またズッキーニ、なす、とうもろこしなどの夏野菜やきのこのバターソテー、グリルなどもよく合います。
魚のグリル・ポワレ
魚料理には、野菜やきのことベーコンのソテーなどがガルニチュールとしてよく使われます。また、白ワインを使ったクリーミーなソースの料理であれば、酸味の利いたガルニチュールがおすすめ。トマトを使ったラタトゥイユなどを添えれば、料理の彩りも味も引き立ててくれますよ。
【食材別】DELISH KITCHENのガルニチュールレシピ
メイン料理の味わいや色合いを引き立てるガルニチュールのレシピを、食材別にご紹介します。
じゃがいも
じゃがいもは、ガルニチュールとしてよく使われる食材のひとつ。じゃがいもを使った定番のガルニチュールには「フレンチフライ」があります。日本でいうフライドポテトは、このフレンチフライのことです。フライドポテトは和製英語なのです。
基本のフライドポテト
ガルニチュールとして添えることで、料理にボリュームが加わるフライドポテト。シンプルな塩味の他、メイン料理に合わせてコンソメ味などにアレンジしてもよいでしょう。
ドフィノア
「ドフィノア」とはフランス・ドフィネ地方の郷土料理で、じゃがいもを使ったグラタンのことです。じゃがいもとチーズがメインのシンプルなグラタンで、ガルニチュールとしても定番の一品です。
基本のマッシュポテト
基本の作り方を覚えておけば、いろいろな料理のガルニチュールとして役立つのがマッシュポテトです。肉料理のガルニチュールとして定番ですが、魚料理でも合う付け合わせです。
じゃがいものソテー
フライパンでこんがりと焼くだけで完成する、ガルニチュールとして使えるじゃがいものソテーのレシピ。オリーブオイルとにんにくの香りが食欲をそそり、おつまみにもぴったりです。
コンポタ風アリゴ
じゃがいもとチーズで作るマッシュポテト「アリゴ」。アリゴにコーン缶を加えたアレンジレシピをご紹介します。コーンの甘味が加わり、いつものアリゴとはまた一味違った味わいです。
にんじん
にんじんを使った代表的なガルニチュールが「グラッセ」です。棒状にカットしたにんじんを砂糖、塩、バター、水とともに汁気がなくなるまで煮詰めて作るグラッセのツヤは、料理を一層華やかに彩ります。
人参グラッセ
ステーキやハンバーグなどには、ガルニチュールとして人参グラッセがよく使われます。グラッセのツヤと甘味は、肉料理の旨味を引き立て、彩りを添えます。
ひらひらにんじんのマリネ
簡単に作れる、にんじんを使ったマリネをご紹介します。爽やかな酸味とにんじんの色合いを活かし、ガルニチュールとして添えるのもおすすめです。もちろん、副菜やおつまみとして食べても。
ほうれん草
緑が欲しいときには、ほうれん草を使いましょう。ソテーのようなシンプルな調理法でも、料理に鮮やかな緑色を添えてくれます。
ほうれん草とベーコンのバターソテー
少ない材料でサッと作れるソテーをご紹介します。ベーコンの旨味とバターのコク、にんにくの風味が食欲をそそります。お弁当のおかずからガルニチュールまで、幅広く使える一品です。
クリームスピナッチ
ステーキのガルニチュールとしてよく使われるのが、ほうれん草をホワイトソースで和えた「クリームスピナッチ」です。ほうれん草とクリーミーなホワイトソースが、絶妙にマッチします。
その他野菜
いろいろな野菜やきのこを使ったマリネやグリル、グラッセなどは、彩りや味わいでメイン料理を引き立てます。
きのこのマリネ
旨味たっぷりのきのこは、いろいろな料理に使える食材です。熱いうちにマリネ液に浸すことで、味を染み込ませるのがポイント。ガルニチュールとしても使える一品です。
ラタトゥイユ
なすやトマト、ズッキーニなどの夏野菜をたっぷり使ったラタトゥイユのレシピです。トマトの酸味と野菜の旨味が食欲をそそる一品。野菜を小さめにカットして、魚料理のガルニチュールとして添えるのもおすすめです。
小玉ねぎのグラッセ
ツヤツヤでコロコロの見た目がかわいい、小玉ねぎのグラッセをご紹介します。小玉ねぎの甘味とバターのコクが絶妙。ガルニチュールとしてはにんじんのグラッセが一般的ですが、こちらもぜひ試してみてください。
盛り付け例
ご家庭の料理も、ガルニチュールでワンランクアップさせてみてはいかがでしょうか。味や香りだけでなく、見た目でも食欲を刺激すること間違いありません。
ガルニチュールを活かした盛り付け方については、こちらをご覧ください。
ガルニチュールとはフランス料理の「付け合わせ」のこと
ガルニチュールとは、フレンチではおなじみの付け合わせを意味する言葉。しかし、単なるメイン料理の「添え物」ではなく、料理の見栄えや風味を引き立てる大切な役割を担っています。ご家庭の料理にもガルニチュールを添えて、食卓を華やかに飾ってみてはいかがでしょうか。