DELISH KITCHEN

紫芋とは?種類ごとの特徴や栄養・レシピをご紹介

作成日: 2021/12/30

中が鮮やかな紫色である紫芋は、加熱しても色が消えないことからお菓子やジュースなどによく使われています。紫芋が使われた加工品は食べたことがあっても、実際に紫芋を手に取って調理したことがある人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、紫芋の旬や見分け方、正しい保存方法と合わせて、おすすめの人気レシピをご紹介します。おもな品種や味、特徴についても解説するのでぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 紫芋について
    1. 紫芋とは
    2. 紫芋の旬・おもな産地
    3. 紫芋の特徴
    4. 紫芋のカロリー・栄養
  2. 紫芋の種類
    1. 種子島紫
    2. パープルスイートロード
    3. なかむらさき
    4. あやむらさき
  3. 紫芋の選び方
  4. 紫芋の保存方法
  5. 紫芋の食べ方とDELISH KITCHENのレシピ
    1. 【ふかし芋】
    2. 基本のふかし芋
    3. 【焼き芋】
    4. 焼き芋
    5. オーブン焼き芋
    6. グリルで焼き芋
    7. 炊飯器で焼き芋
    8. 【おかず】
    9. さつまいものレンジ甘露煮
    10. さつまいもの塩バター炒め
    11. 【スイーツ】
    12. 紫芋でスイートポテト
    13. 紫芋モンブラン
    14. 紫芋と栗のきんとん
    15. はちみつバターの紫芋チップス
  6. 紫芋を調理するときは美しい色味を活かすのがおすすめ

紫芋について

まずは、紫芋についてご紹介します。

紫芋とは

紫芋はさつまいもの一種で、紫色をしている品種のことを指します。本来、さつまいもは中身が黄色っぽい色をしているものが多いですが、紫芋は中が紫色をしていることから、その名前が付けられました。この紫色は加熱しても消えずに残ります。

さつまいもの原産国は、一般的にメキシコ南部を中心とする中米から南米北部といわれています。

紫芋の旬・おもな産地

旬は植え付け時期や地域によっても変わりますが、9月頃から11月頃が収穫のピークです。しかし、紫芋は貯蔵すると甘味が増すので、最もおいしい時期は10月から1月頃といえます。

おもに鹿児島県と茨城県を筆頭に、沖縄県、千葉県、宮崎県などでも生産されています。

紫芋の特徴

きれいな紫色をしているため、通常のさつまいもよりも甘いと思われることもありますが、比較すると甘味は少なくあっさりとした味わいです。

紫芋はその美しい色を活かして、タルトやまんじゅう、さつまいもチップスなどのお菓子に加工されることが多くなっています。また、パウダーに加工されてクッキーやパンの生地の色付けに使われたり、焼酎などのお酒に使用されたりしています。

紫芋のカロリー・栄養

生の皮なしの紫芋、100gあたりのカロリーや栄養は以下の通りです。

・カロリー…123kcal
・たんぱく質…1.2g
・脂質…0.3g
・炭水化物…31.7g
・食物繊維…2.5g
・ビタミンC…29mg

紫芋の特徴である紫色は、アントシアニンという色素が含まれているためです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があることで知られています。

紫芋にも含まれているビタミンCについては、下記の記事で詳しく解説しています。

紫芋の種類

紫芋にはさまざまな品種があり、それぞれ食感や甘味が異なります。

種子島紫

名前の通り、種子島が産地の紫芋です。皮が白っぽく中身は薄紫色ですが、加熱すると中は鮮やかな紫色になります。

ほのかに甘く、ねっとりとした食感が楽しめます。旬の時期は10月下旬から1月です。焼き芋やふかし芋だけでなく、鮮やかな紫色を活かしてスイーツにするのにもぴったりです。

パープルスイートロード

おもに千葉県で栽培されている品種で、10月中旬から1月頃に旬を迎えます。紫芋にしては中が淡い色合いをしていますが、加熱すると深い色合いに変化します。

ほかの紫芋と比べると甘味が強く味がよいため、蒸したり焼いたりするだけでも、ほくほくとした食感が楽しめるのが特徴です。ペースト状にしてスイートポテトやモンブランにしても、美しい紫色を楽しめます。

なかむらさき

なかむらさきは、おもに鹿児島県や沖縄県で栽培されている品種で、生産量は多くありません。10月から1月に旬を迎えるなかむらさきは、外側の皮も紫色なので中を見ないと通常のさつまいもとの判別がしづらい品種でもあります。

あっさりとした味わいで、食感はねっとりとほくほくの中間です。紫芋独特のくせがあるため、焼き芋やふかし芋で食べるのが向いています。

あやむらさき

あやむらさきは、通常の紫芋より色素が多くなるように交配育成された品種で、濃く鮮やかな紫色が特徴です。旬は10月中旬から1月で、鹿児島県や沖縄県で栽培されています。

加熱するとほくほくとした食感ですが、甘味はほとんど感じられません。そのため、そのまま食べるよりも、スイートポテトやモンブラン、ポテトチップス、ポタージュなどに加工すると、その美しい色を活かせるのでおすすめです。

紫芋の選び方

表面がきれいで皮につやがあり、ひげの根の穴が浅いものを選びましょう。また、軸から蜜がでているものなら、完熟して甘味がある証拠です。ずっしりと重く、ふっくらしたものがおいしい紫芋の特徴です。

皮が変色しぼこぼこしているものや、ひげの根が太く硬いものは避けてください。

紫芋の保存方法

さつまいもは低温の環境に弱いため、基本的に常温で保存します。冷蔵や冷凍で保存すると、低温障害を起こして黒く変色してしまいます。

適切なさつまいもの保存方法は、こちらをご覧ください。紫芋も同じように保存することができます。

紫芋の食べ方とDELISH KITCHENのレシピ

紫芋のおいしい食べ方や、おすすめのレシピをご紹介します。通常のさつまいもを使っているものもありますが、紫芋でも同様に作ることができます。

【ふかし芋】

ふかし芋にした紫芋はそのまま食べても、サラダに入れてもおいしいですよ。

基本のふかし芋

ふかし芋なら、芋そのものの味を楽しめます。品種によるほくほく、しっとりなどの食感の違いもわかりやすいので、いろんな品種の芋を食べ比べても面白いですね。

【焼き芋】

さつまいものおいしい食べ方といえば、おやつや軽食にぴったりの焼き芋です。さまざまな方法で作れるので、ご家庭にある調理器具で試してみましょう。

焼き芋

ご家庭にオーブンがない場合は、トースターでも手軽に焼き芋が作れます。アルミホイルで包まなくてもトースターで焼くだけで、ほくほくとおいしい焼き芋ができます。

オーブン焼き芋

オーブンを使って簡単にできる焼き芋のレシピです。アルミホイルを巻き、低温でじっくりと加熱することで、芋の甘味を引き出します。

グリルで焼き芋

アルミホイルに芋を包んで、弱火にしたグリルで焼くだけです。アルミホイルを巻くことで焦げにくくなり、中までじっくりと火を通せます。

炊飯器で焼き芋

炊飯器にさつまいもと水を入れて、通常炊飯するだけでできる焼き芋です。炊飯器のスイッチを押してあとは待つだけでできるので、忙しいときにもおすすめです。

【おかず】

紫芋でも作れる、さつまいものおかずレシピをご紹介します。

さつまいものレンジ甘露煮

甘い味付けで箸休めにぴったりの甘露煮です。お弁当に入れても彩りがきれいですよ。ひとつのボウルに材料を入れてレンジ料理するので、洗い物も少なく済みます。

さつまいもの塩バター炒め

ほくほく、カリッとした食感がやみつきになる塩バター炒めです。少しの塩気が芋の甘さをより引き立てます。おかずとしてはもちろん、おやつとしてもおすすめです。

【スイーツ】

紫芋を使った色鮮やかなスイーツをご紹介します。

紫芋でスイートポテト

紫芋の色が鮮やかなスイートポテトです。土台にビスケットを使用しているので、タルトのような仕上がりになります。

紫芋モンブラン

紫芋の華やかな見た目のモンブランは、おもてなしにもぴったりです。クリームチーズとくるみの風味が、紫芋の独特の風味とよく合います。

紫芋と栗のきんとん

紫芋の紫と栗の黄色のコントラストが美しいくりきんとんは、お祝いやおもてなしにもおすすめです。しっかりと裏ごしすることで、なめらかな口当たりのきんとんに仕上がります。

はちみつバターの紫芋チップス

パリパリとした食感が楽しい、はちみつバター味のチップスは食べる手が止まらないおいしさです。低温でじっくりと揚げることで、芋が焦げずにパリッと仕上がります。

紫芋を調理するときは美しい色味を活かすのがおすすめ

紫芋は加熱してもその美しい紫色を楽しめるので、スイーツやサラダ、スープなどに使えば、食卓に彩りを加えられます。紫芋は品種によっても食感や味に違いがあるので、用途に合わせて品種を選んでみるのもおすすめですよ。

今回ご紹介したレシピを参考に、様々な料理やスイーツで紫芋を楽しんでみてください。

【出典】
・日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
【参考】
・農研機構 紫サツマイモに含まれるアントシアニン
(http://www.naro.affrc.go.jp/org/karc/frontier/murasakiimo/murasakiimo-2.html)
・厚生労働省 e-ヘルスネット 抗酸化物質
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html)(2021/12/30)

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